3.歌姫の戦闘方法(初心者編)
まずは一番弱いと言われるコデックの森にいくことになった。
ナタの話ではここが一番敵が弱かったそうだ。
「まぁ攻撃役は俺に任せておいてくれ」
「むしろマイクでどうやって戦えばいいんだよ・・・」
ナタが片手剣を見せながら俺に言ってきたが、任せないと俺が死ぬしな。
なんせマイクだぞ?形は棍棒ににてなくもないが、これただのマイクだぞ?
相手を撲殺しようとしたらむしろこっちのほうが壊れそうだ
森につくとプレイヤーたちがエネミーを狩りまくってるのが見えた。
一瞬世紀末かとおもったがMMOなんてそんなものだったな。
「大丈夫だ、俺は穴場を知ってるから、安心して俺達もレベル上げできるぞ」
ナタが自信満々に俺に言ってきた。
俺はナタに付いて行くことにした、俺はこのゲームはシロウトなのだ。ここは先輩ゲーマーのゆうことに従おう。
そこは森の端っこ付近の場所だった、だが端っこにしては結構なエネミーがいるのでレベル上には問題なさそうだった。
「じゃあいくかー・・・っと、その前に俺にバフかけてくれよ」
「あー・・・そっか、何も戦闘中に掛ける必要はないもんな」
だがここで俺は新たなる問題に直面した。
「・・・どうやったら発動するんだ・・・・?」
そうこれはPCゲームではなくVR、ボタン一回押せば発動するわけでないのだ。
「基本的にそれっぽい動きをしつつ技名を言えば発動するはずだぞ」
さすがテスター勢だとほめてやりたいところだ。
俺はマイクを構えた、まるでカラオケの時のような気分になる。
「・・・・戦神の歌!」
俺は戦神の歌をチョイスした、傷も受けてないところで祈りの歌をしても無駄だと思ったからだ。
すると俺の口から綺麗な歌声が流れてくる、俺は歌詞を知らなかったが俺が歌詞を覚える必要はないみたいだ。
「♪~~♪~~『なんかこれ恥ずかしいな・・・』♪~♬~・・・」
俺の口からは歌声がでているようだが、歌の途中で喋ってもいいようだ。
まぁそこら辺はゲームだからだろう、さすがに戦闘中ずっと歌うとか正気の沙汰じゃないだろうし。
目の前のナタを見ると少し赤みがかっていた、どうやら攻撃力アップのバフがついたようだった。
「おおー結構強力なバフなんだな」
ナタはそう言ってエネミーに切り込んでいった。
さすがに最初に来る場所なだけあってさくさくモンスターは倒せるようだ、だが攻撃力が上がってもダメージは蓄積してしまう。
俺は祈りの歌を発動しようとおもったが、俺は今、戦神の歌を歌っている最中だ。歌を歌ってる時に他の歌をうたうことはできるのだろうか?
現実なら絶対に無理だが、スキルの説明にあった歌重複可というのが歌を同時に歌っても効果は消えないという意味ならワンチャンスあるかもしれない。
「♪~♫~『祈りの歌!』♫~♫~」
とりあえず男は度胸、試してみた。
そしたら、俺の口から出る曲のメロディーが変わった、祈りの歌だけの効果になってしまったか?
とも考えたが、ナタの体から攻撃力バフが切れるような様子は無かった、それに加え、HPが少しずつ回復していることに気がついた。
「ふー・・・だいぶ倒したな、レベルもそこそこ上がったし一旦戻るか」
「ああ・・・もうMPがすっからかんだ」
散々戦って俺たちはLv5まで上げた。戦う中で俺はいろんなことに気がついた。
どうやら歌をうたうのにMPを少しずつ消費するようだった。また、歌重複した場合は一つの曲を歌うよりMPの消費量が増えた。
それと、俺が歌ってる間はバフが切れないようだ、だが歌うのをやめるとその場でバフが切れてしまうという弱点もあった。
ちなみにラストコンサートは試していない、使ってみたかったがどうやら魔法攻撃なのに相手に接近しないと使えないようで、俺が近づこうものならボコボコにされるのが目に見えたからだ
「んじゃー俺落ちるわ」
ナタが街についた途端こんなことを言い出した。どうやら今日はもう辞めるらしい
「ん、わかった、俺はもうちょい遊んでるわ」
実はというと俺も休みたかった。だけど今日の戦闘を見て俺と篠田では経験が全く違かった。
そこで俺は俺なりにこのゲームに慣れていく必要があると考えた。
ナタがログアウトしたあとまずはスキルについて確認してみた
「メジャースキルは勝手に覚えていくけど、マイナーは自分で習得するかを決められるのか・・・」
スキルを確認すると、メジャーのうち戦神の歌と祈りの歌がLv2になっていた。また新しいスキルも一つだけ増えていた。
翼人の歌LV1:パーティ全員の移動速度アップ(歌重複可)
てっきり俺は防御アップ系の歌が来るかと思ったが移動速度か・・・
これで攻撃速度とかもアップするなら使いみちはぐっと上がるんだろうけど移動速度だけならそんなに優先して使用する必要もなさそうだな・・・・。
次に俺はマイナースキルを確認したポイントは8ptあるどうやら一つレベルアップすると1ptもらえるようだった。
「つか、マイナースキルってどんなのがあるんだ・・・?」
俺は習得のボタンを押してみた。