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18.呼び込み

夜、TRPGをSkypeしながらやってた時にあったやり取り

にたまごのフレンド「そういや、お前のなろう小説見てみたぞ」

にたまご「お、おう、どうだった?」

にたまごのフレンド「いや、お前、タイトルのネーミングセンス無いなって思った」

にたまご「ぐはっ!?」

にたまご が 死んじまった!(GTASA風)

俺はプラカードを持って店の外に出た。

店は広場からちょっと外れたところにあるのであまり人は寄ってこない、なら、客を呼び込むならここじゃなくて広場に向かったほうが無難だろう。

俺は早速、広場に向かうことにした。

広場は円形で中央に噴水があり、露天を開いたり、パーティの募集したり、楽しく会話したりと多くのプレイヤーが思い思いに行動していた。



「はぁ・・・・・・」

俺の口から自然とため息がこぼれた。

理由は簡単、浮くのだ、浮力的な意味ではなく存在的な意味で。

周りは鎧を着たり、ローブ姿の人もいるのに俺だけこんな格好でしかもプラカードまで持っている。

実際にこっちのことをチラチラ見ている人が結構いるのでこれは気のせいではないだろう。


「(まぁ・・・やるしかないよな・・・)」

俺がここで勝手にログアウトしたりすればこの視線から逃れることができるだろう。

しかし、ミリアに貸しを作ってしまっている以上ここで逃げればこれ以上に厄介なことが待っていそうだ・・・いや、待ってるな間違いなく。

俺は決心しとりあえずレベルの低い連中に話しかけることにした。

低レベルならたとえ鍛冶スキルを取っていても装備なんてまともに作れないだろうし、初期装備やそもそも何も装備してない箇所もあるだろうと考えたからだ、現に俺は未だに頭装備を持ってないしな。

問題は金を持っているかどうかだが・・・この広場をうろついてるなら買い物のためにお金を貯めているだろうしなんとかなるだろう。


俺が広場全体に視線を走らせるとちょうど良さそうなカモ・・・じゃなかった、初心者二人組が歩いてるのに気がついた。

一人は重装備をしていて、大剣を背負っているが頭に何も装備してなかった。もう片方は杖を持っていて見習いの魔道士みたいな格好をしていたが、こちらも防御に不安がありそうな感じだった。

二人は楽しそうに会話しながら主に防具を売ってる露天を見てまわっていた。

今のところ購入する素振りがないので、恐らくお金はまだ使ってないだろう。


「(とりあえず、あの二人に声をかけてみるか・・・)」

俺はプラカードを握りしめ、(営業用の)笑顔でその二人に近寄った。

・・・なんで男相手にこんなことをやっているのだろう、むしろ俺が可愛い子から声をかけられたいというのに・・・。

俺は心のなかで血の涙を流しながらも二人に声をかけることにした。


「あの~もしかしてお兄さんたちは防具をお探しですか?」

俺は頭をかしげながらそう言ってやった。

いきなり「防具をお求めならこぬこ屋へ!」とか言うよりはこっちのほうが警戒心を抱かれにくいだろう。

それにお兄さん呼びしたんだ、これで失敗なら俺はこの広場から逃げる・・・!


「えっ!?お、俺達ですか!?えっと・・・」

「ばかっ!コミュ症かお前は・・・・!・・・ええ、確かに防具を買いに来たんですよ、でもなかなかいいのがなくて困ってまして」

重装備の方は俺にいきなり話しかけられ挙動不審になり、魔法使いの方は平静を繕っているが、最初の言葉から考えるとこっちの印象を悪くしたくないというのがまるわかりだった。

・・・ちょろいかもしれないなこの二人。


「そうですかー、それなら性能良し!デザイン良し!な防具が揃っているこぬこ屋はどうですか?」

二人の反応からイケると思った俺は早速店の宣伝をすることにした。

嘘はいってない、たしかに性能いいし、デザインも凝ってる。

・・・初見相手だと、買い物(強制)をしてくるかもしれない+愛想悪い店長がいることは言ってないだけだ。


「お、おいどうす・・・もごっ」

「ぜひ行ってみたいですね!案内してくれないですか?」

重装備の方は魔法使いの方に相談しようとしたが口を塞がれ、勝手に行動を決めていた。

なんというか・・・いや、何も言うまい・・・。

女の姿になって初めて男嫌いの女の人が男をどういうふうに見ているのかちょっとだけ分かったかもしれない。



「い、いいですよ、ついてきてください」

俺は二人をこぬこ屋まで案内することにした。

二人は素直に俺についてきて、すんなり誘導することが出来た。


「ゆっくり、見ていってくださいねー」

そう言って二人をこぬこ屋に入れて、次の客を探すことにした。

ちゃんと買い物してくれるのか気になったが、そもそも俺は呼びこみだけすればいい話だし、ミリアも悪人ではないし大丈夫だろ・・・多分、きっと。




「さてと・・・」

「あ、あの・・・ちょっといいでしょうか?」

広場に戻った俺は新しい客を探すべく、周囲を見渡そうとしたが、その前に後ろから声をかけられた。

振り返ってみてみると俺よりも背の高い、金髪の女が立っていた。修道服を着ていて、手には本を持ってることから回復専門のクラスだろうか?

ステータスを確認してみると


ユノ LV1 クラス:シスター


まぁ、見たまんまの人だった。LV1ということはまだほとんど遊んでないのだろう。

LV1なら余りお金を持ってるとは思えない・・・なら俺になんの用だろうか?


「えっと、どうされましたか?」

まぁ客でなさそうだからといって無碍にするわけにもいかないし、俺はとりあえず話を聞いてみることにした。

・・・なんか今日はずっとこんな感じの口調で話してるが、ボロが出そうで怖いな・・・。



「あの・・・このゲームって何をすれば良いのでしょうか?」

目の前のシスター・・・ユノは心底わからなそうにそんなことを言ってきた。

・・・もしかしたら面倒なことに巻き込まれたか・・・?



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