13.アイテム分配
魔力結晶について書くことをすっかり忘れてました(滝汗)
これだから、リアル低INTは・・・
「あー・・・なんか久しぶりに太陽の光を浴びた気がするな・・・」
洞窟から帰還するやいなや、ナタが太陽の光を浴びながらそんなことを言う。
確かに、暗い空間の中にいたせいで、太陽の光が余計に眩しく感じる。
まぁもちろんこれはリアルの太陽光じゃなくてVRで感じてる光なんだけどな・・・。
「1時間しか経ってないけどね」
「え・・・あ、ホントだ・・・」
人口の光を浴びて感動している俺達を見て、ミリアが現実を教えてくれた。
俺はもっと時間が経ってるかと思ったが、たった1時間しか経ってないのか・・・。
てか、序盤に1時間もダンジョン攻略しているという点がそもそもおかしいんだけどね?
「そんなことより、分配といこうぜ、それぞれ欲しい物を言ってくれ、Gは山分けすればいいけどアイテムは必要な奴といらないやつで分かれてるだろうし」
ナタは分配を待ちきれないのか、次々と袋からメイジスケルトンのドロップ品と宝箱にあったアイテムを取り出す。
内訳としては
・魔骨:鍛冶などに使う素材・・・ぶっちゃけ、ただの骨にしかみえない。
・魔力結晶:これも鍛冶などで使う素材だが、用途が広いらしい。レア物かとおもいきやボス以外からでも普通に出るらしい。
・見習い魔道士の指輪:最大MPを5%底上げするアクセサリ・・・ネームドなのに見習いとはこれいかに・・・
・300G:お金・・・・それ以上に説明することって無いと思う。
・オークスタッフ:魔法使い系とか僧侶系の武器で、魔法攻撃力が+15(ちなみに俺の装備してる武器は+3しか上がらない・・・なんだこの差は)されるので中々優秀だが、俺達の中に装備できる奴がいない・・・。
・レッドスピネル(小サイズ):宝石の一つで鍛冶とかで飾りに使うと特殊効果が出るらしい・・・赤いからルビーだと思っていたのは内緒だ。
・毒知らずのアイアンヘルム:重装備の頭装備だが、一般的なアイアンヘルムよりも圧倒的に毒耐性が高いという特殊効果がついていた。ナタにとっては一番の当たりだろう。
という感じだ。
「俺は鍛冶とかしないし、MPの最大値が上がっても、元々MP余らせ気味だから兜だけでいいぞ」
ナタは兜だけでいいみたいだ。まぁ使わないものを貰っても売ってお金にするくらいしか使いみち無いだろうしな。
問題は俺とミリアだった。
俺たちは二人共鍛冶のスキルをとっているから、宝石と魔骨と魔力結晶が欲しい。
でも素材は一個ずつしかない。
「わ、私は余ったのでいいよ・・・ボス戦でミスしちゃったし、ミリアにはかなり助けてもらったしね」
俺はミリアに譲ることにした。欲しいものは欲しいが自分のミスに自分なりのけじめをつけたかったからだ。
それに、ミリアは本来ここでレベル上げするより、ほかの所でレベル上げしたほうが効率がいいのに俺たちを手伝ってくれたしな。それに俺の代わりに採掘をしてくれたし、MPポーションもくれた。
・・・・あれ?俺、ミリアにめっちゃ貸しを作ってしまってないか?近いうちに何らかの形で返さないとな・・・。
「私も余り物でよかったけど・・・先に選ぶね」
ミリアは俺に譲るつもりだったようだが、俺の様子を察してくれたのか、先に選んでくれるようだ。
ミリアが選んだのはレッドスピネルと魔骨だった。
「あれ?指輪はいいの?」
俺はてっきりミリアは指輪も取ると思っていたのにミリアが取らなかったので驚いた俺はミリアに聞いた。MPを余らせるナタはともかく、モンクでスキルを多用するミリアには使いみちがあると思ったからだ。
「私よりもクリスのほうが使いみちあるから」
ミリアにとって指輪を取らない理由はそれだけだったようだ。
「あ、ありがとう、なら貰っておくね」
俺は断ろうかと思ったが、互いに遠慮してもしょうがないとも思ったので、素直に受け取ることにした。
最終的に俺が手に入れたのは100G、オークスタッフ、見習い魔道士の指輪、魔力結晶だった。
遠慮したはずなのに一番アイテム貰ってるのは何故なんだ・・・。
しかも、ミリアからは鉄鉱石と銅鉱石をいくつか貰ったので、結局一番実りが良かったのは俺だったかもしれない・・・・けじめとは一体なんだったのか。
「んじゃ、次は・・・ん?すまんちょっとメールがきたわ」
と、配分が終わった所でナタが次の目標を決めようとしてたがどうやらメールが来たようだ。
「あー・・・二人共済まない、ちょっと3時間位ログアウトしないといけなくなった」
メールを見たナタは申し訳無さそうに俺たちに謝ってきた。
今から3時間というと22時近くまでナタがいないということになるのか・・・。
「まぁ、私は大丈夫だよ、私も私でやることあるしね」
俺はマイクを作らないといけないので、正直俺には都合が良かった。
3時間もあれば流石に作れるだろ・・・多分。
「私も大丈夫」
ミリアも問題なさそうだった。
「いやー、悪いな・・・はぁ、なんでこんな時に・・・」
そう言いながらナタが目の前から消えていった。
さて、3時間の自由時間ができたことだし、マイク作りに取り掛かるとするか・・・。




