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12.戦犯

にたまご「(そういや、私の小説ってランキングとかに載ってるのかな?)」カチカチー

→VRゲームの日間ランキング1位

にたまご「ダニィ!?」

その後、心落ち着かなくて家の中をうろうろしてました。

読んでくれて皆様有り難うございます!


「(あれ・・・?)」

MPポーションを取り出すため、俺はアイテム袋に手を突っ込んだが、取り出せなかった。

というよりMPポーションがどこにあるのかわからなかった。


俺がアイテム袋を漁る中、着実に俺のMPが0に近づいてきていた。


「(駄目だ、どこにもない・・・昨日、買いに・・・)」

そこで俺は思い出した。確かに俺はMPポーションを買いに向かった。

だが、途中でイマージョンの連続使用による注意を受けて、ログアウトしたのだった。

その後、俺は道具屋に一度も行ってない。つまり、俺の袋には



MPポーションなんてそもそもなかったのだ。


「♫~『MPポーション買うのを忘れてたぁぁぁ!』♫~」

「は!?」

俺の叫びにナタは信じられないという顔で俺を見た。

ナタにとって俺の翼人の歌は生命線だった。ナタが瞬間移動のリキャスト中に相手のもとに行けるのは、移動速度アップの効果があったからだ。


そして、とうとう俺のMPが0になる。俺の歌は強制的に終了してしまった。


「あ・・・」

もう俺の口から歌声は出てこない。

ナタとミリアからバフが消える。


やばいやばいやばい・・・これは非常にまずい・・・

ナタが相手に追いつけない、火力も足りない、ミリアも疲れてきたのか被弾するようになってきた。

俺に至っては何もできなかった、俺はナタと同じくらい鈍足だし、殴りに行こうにも火力が死んでいる。


「(せ、戦犯不可避だこれ・・・)」

MPポーションを買わなかったのは完全に俺のミスだ。挽回する方法も俺には思いつかなかった。


メイジスケルトンのHPはかなり削れていた。だが、戦法が崩れた俺達には残ったHPを削るのさえ困難だった。


「くっ・・・」

ミリアの体力が半分を切っていた。一旦ミリアは回避行動を取り、HPポーションを飲んだ。


「(・・・!、まだMPを回復する手段はある!)」

ミリアがポーションを飲んだのを見て、俺は閃いた。

俺のMPポーションは0だが、あくまで『俺』のMPポーションがないというだけである。

ミリアとナタにはまだMPポーションが残っている可能性がある。

ほかのゲームなら戦闘中にアイテムの受け渡しなんて無理だが、これはVRMMO。

仲間からMPポーションをもらうのは少し気が引けるが、このままだと全滅することを考えれば一時の恥くらい甘んじて受けよう。


「ミリア!MPポーション余ってない!?」

「!、わかった、そっちにいくね」

ナタはヘイトトップなので、俺に近寄ればまきぞいを食らう可能性があった。

なので、俺はミリアに頼んだ。ミリアは大急ぎで俺のところに来てくれた。


「もごっ!?」

ミリアは俺に近寄ると同時にMPポーションを俺の口に突っ込んだ。

・・・まぁ確かにこっちのほうが早いっちゃ早いが、事前に言って欲しかったな・・・。


「・・・ぷはー・・あ、ありがとう」

俺がポーションを飲み干すと俺のMPが回復した、全回復ではなかったが、今のメイジスケルトンを倒すには十分なMPだった。


「よし!これで歌える!戦神の歌!翼人の歌!」

俺は戦神と翼人の歌を発動し、再び仲間にバフを掛ける。


「ヒヤヒヤしたぞ、全く・・・」

「ご、ごめんね・・・」

再びバフが着いたことで俺たちは態勢を立て直し、先ほどの戦法を繰り返していった。


俺のMP切れ問題を解決した後はただの作業になった。






「これで終わり・・・痛打!」

最後の一撃をミリアが叩きこみ、メイジスケルトンは「ぐしゃ」という音を立てながら消滅していった。


「はぁー・・・やっと終わったか・・・」

ナタが剣を収めながら大きく息を吐いていた。


「でも、中々の経験値もらえたね」

ミリアも疲れているようだが、ネームドボスエネミーを倒して得た経験値でレベルアップしたので満足してるみたいだ。

俺とナタもLV9にまで上がっていた。ここまで長い洞窟を戦い続けたかいもあったというものだ。

同じレベルだがナタは後もう少しで10になるというところだった。


「いやー・・・ごめんね・・・MPポーション買ったって勘違いしちゃって・・・」

だが俺は、せっかく倒したというのに、気分が落ち込んでいた。

本当ならもっと楽に倒せていたのに、俺のミスのせいで迷惑をかけてしまったからだ。


「まぁ勝てたしいいんじゃないか?それにバフがなければそもそも勝てたかどうかも怪しかったしな」

「私も別に気にしてない」

だが、二人はあまり気にしてなさそうだったが、むしろ、罵られるよりも精神的にキツかった。


「それより、ドロップアイテムと宝箱を確認しようぜ」

ナタは待ちきれなさそうにそう言ってきた。そうだった、倒して得た経験値だけでも満足していたが、ドロップアイテムやダンジョンクリア時の宝箱を忘れてはいけない。

メイジスケルトンを倒すまでは何もなかったはずだが奥の方にいつのまにか宝箱が出現していた。

恐らくボスを倒すと出現するようになっているのだろう。


お供のナイトバットは何も落とさなかったが、メイジスケルトンのほうは二つ名持ちであったからか、何個かアイテムを落としていた。


「宝箱用の鍵、魔骨、魔力結晶、指輪・・・指輪が当たりっぽいか?宝箱の中身を確認してからこれらも含めて分配するか」

ナタがメイジスケルトンが落としたアイテムを確認した。

とりあえず、ドロップアイテムはナタが一時的に預かることにして、本命の宝箱を俺たちは確認しに行った。


「どれどれ・・・」

「・・・なんか微妙だね」

ナタが宝箱を開けて俺たちも中を覗くが・・・

ミリアの反応は良くなかった。


中には300G・杖・赤い宝石・鉄兜が入っていた

お金は皆で分けるとなると100Gだし、杖はこのパーティに扱える人がいない、宝石は恐らく鍛冶とかでつかうんだろうけど一個だけだった。

鉄兜はナタしか扱えそうにないので、ナタに分配されるのがほぼ確定した。ナタにとっては嬉しい収穫だろう。


「配分は外でやろっか・・・ところでナタ、どうやって外に出るの?」

俺は暗い洞窟で分配するよりも外で分配した方がいいと思った。だけど俺の見た感じだと外に出るためのギミックとかは見当たらなかった。


「宝箱を開けた後、魔法陣の中央に乗れば外に出れるぞ、わかりにくい仕掛けだよなぁこれ」

わかりにくいとナタが言っているが、俺は最悪「リアリティのためにここまで来た道を戻らないといけない」と言われることも覚悟してたので、この仕組みをありがたく思った。







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