1.悩める男
初めてなのでおおめにみてくだしあ・・・(涙目)
「・・・・・・・・」
俺・・・須藤 優木の前にVR用の頭部装着型次世代機「イマージョン」が置いてある。
2ヶ月前にその時のブームに乗っかって予約し、今日届いたのだ。
だが俺は迷っていた。
「ちゃんとコミュニケーション取れるだろうか・・・キーボードじゃなくて俺自身の声で会話するわけだし・・・もしかしたら、1週間も立たずにコミュ症扱いされるかもしれないしなぁ・・・」
そう、今更になってチキっていたのだ。友人と一緒にVRMMO『アルカディア』をやるわけだが、MMOである以上ほかの人と関わってくる可能性は高い・・・というより避けれないだろう。
「もしかしたら地雷扱いされるかも・・・」
俺ははっきり言ってゲームが好きだが得意ではない。好きと得意は違うという典型的な例だ。それに比べ、篠田・・・俺の友人はゲームが好き&得意という俺とは違うタイプだった。
俺が一人で部屋でウンウン悩んでるとスマホにメールが来た。篠田からだった
「イマージョン届いたか?俺はもうログインしてみたぞ」
はやくね?と思ったがアイツの事だ、届いたのと同時に始めたんだろうな。
たしかにアルカディアは今日から開始のMMOだから、早く始めれば始めるほど差をつけられるだろう・・
俺はもうやけくそ気味にイマージョンを装着し、布団に寝そべった。立ったままやるとその場で崩れ落ちると聞いていたからだ。
電源をつけると機械的な女性の声で所謂取り扱いの説明を受けた。
だが俺はそれを完全に聞き流した。俺はゲームのOPとか説明をスキップするタイプの人間だったからだ。
早速俺はアルカディアにログインする。
俺の視界が青色の幾何学的な部屋を映しだした。
俺は事前登録をしてなかったから、準備に時間がかかるようだ。
「キャラクターネームを決めてね!」
そんな声が聞こえた、まずはキャラクターのネームからか・・・
俺の目の前にキーボードが出てきた、これをタッチすればいいようだ
だがここで俺はまたもや迷っていた、俺はファンタジーチックな名前をつけるべきかそれともネタに走るべきか迷ったのだ。
「むむ・・・む・・・」
そもそもまだ性別とか職業とか決めてないのに名前を決めるのがおかしいだろ!と俺は叫びたかった。
「・・・ええい、こうなったら男でも女でも行けそうな名前をつけたらとりあえず平気だろ」
散々悩んだ結果妥協案(?)で決まった。
俺のキャラはクリスということにした。俺がやったゲームの中でもクリスという名前は男でも女でもつかわれていたからだ。
名前を入力し、次は職業とか性別を決めるのかと思った。
だが
「では、アルカディアの世界へごあんなーい!」
「はぁ!?」
なんと名前を決めた途端にゲームスタートのようだった。