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【竜の巫女と神器の紋章】  作者: りゅうけい
第1章〜神器の紋章〜
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第1章 4話 ローザリア王国の秘密

グレイグ

おー、ソール。


こっちだこっち・・・。


早く来いよ。


乾杯するぞ!


ソール

相変わらずだな、グレイグは・・・。


グレイグ

おーい、マスター!

じゃんじゃん持ってきてくれ!


マスター

なんだ、グレイグ。


お前さんが連れを連れてくるなんて珍しいじゃねえか。


グレイグ

こいつはソールってんだ。


ま、俺っちの同志って感じだな。


ソール

おい、いつから俺は同志になったんだよ・・・。


グレイグ

なんだぁ、ツレネェこと言うなよ。


さ、とりあえず食べようぜ。


そして、じゃんじゃん飲もうぜ!!!!!


ソール

いや、俺は飲まねえよ。


で、グレイグ、例の話はどうなんだ?


グレイグ

あ?


例の話?


ああ、あれか。


神器の話ね・・・。


ソール

おいおいおい、大丈夫か?


まさか忘れてたんじゃないだろうな。


グレイグ

大丈夫だよ、心配するなって言ってるだろ。


明日見せてやるよ。


そして、その効果もな・・・。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



ソール

あ?


今なんて言った?

効果もって言ったか?


グレイグ

ああ、言ったぜ。


多分だが、おそらく見ることが出来る。


俺の勘が正しければだがな・・・。


ソール

なんだ?

どういうことだ?


ちゃんと説明してくれ。


グレイグ

よし、飯もたらふく食ったし、そろそろ本題に入るとするか・・・。


何から説明すっかな・・・。


よし、この話からにすっか。


まずはソールよ、お前さん、この国のことについて、どこまで知ってる?


ソール

この国の事?

ローザリア王国の事か?


いや、全く知らん。


リーガス島がこのローザリア王国の領土ってことくらいしか知らねえ。


グレイグ

はっはっは。


今時珍しいな、お前さんみたいなやつも。


まあ、いい。


順を追って説明してやる。


まずは、世界中のあちこちで、神器を巡る争いがあるってことは知ってるな?


ソール

ああ、詳しくは知らないが、争いがあるってことくらいは知ってるぜ。


グレイグ

で、その争いなんだが、このローザリア王国も例外じゃないってことだ。

ま、今じゃ争いに関係ない国を探す方が難しい話でもあるがな。


そこでだ。


このローザリア王国なんだが、7英雄の末裔って話は知ってるか?


ソール

え?

マジで?


いや、それは知らない。


ていうか、7英雄の末裔がどの国を治めてるってことも全く知らねえ。


グレイグ

はっはっは。


お前さん最高だぜ。


このローザリア王国は7英雄の末裔の一人が造った国だ。


で、このローザリア王国は代々、女王が国を治めている。


今も治めてるのは当然女王だ。


まあ、長い歴史の中で、飾りだけの女王で、実際に実権を握ってるのは男だったりしたりもするが、名目上は女王が治めてることになってる。


ここまでいいか?


ソール

ああ、大丈夫だ。


グレイグ

よし、話を続けるぜ。


7英雄の一族が治めてるってのは理解したと思うが、

ここからはその証である紋章についての話だ。


知っての通り、7英雄の一族には、その証である紋章が身体のどこかにある。


正確には、神器を使うことができる血筋に紋章があるってことになるんだが、今はその話はしない。


分かりやすく7英雄の一族ってことにする。


ソール

ちょ、ちょっと待ってくれ。


どうゆうことだ?


グレイグ

なんだ、そこに食いついたか・・・。


仕方ない、軽く説明してやる。


神器を使いこなすには紋章が必要になる。


これは知っての通りだ。


だが、別にそれは7英雄の一族じゃなくてもいいってことだ!


ソール

どういうことだ?


グレイグ

よく考えてみな。


神器が作られたのは遥か昔だ。


それこそ魔王との戦いよりも、ずっとずっと前だ。


つまり、紋章を持ってるやつは魔王の戦いよりも以前から当然存在している。


たまたま魔王と戦ったのが7人だっただけで、紋章を持ってるやつはその7人以外にもたくさんいた。


で、当然そういった連中も子孫を残してるわけだ。


つまりだ、今のこの世界には、7英雄の一族以外の奴でも、紋章を持ってるやつがいるってことよ。


ソール

・・・・・


話はわかった。


で、その一族以外って奴らの紋章は7英雄の紋章と何か違ったりするのか?


グレイグ

あ?


いや、全く同じだ。


当然だ、そのそもその紋章は、7英雄が最初じゃないんだからな。


遥か昔の話だからな。


人間だけじゃなく、エルフにもケンタウロスにも、獣人族にもいる。


ソール

まじか?


人間だけじゃないのか・・・。


グレイグ

ああ、そうだ。


種別は関係ねえ。


実際に7英雄の中にも、人間じゃない種族がいるしな。


ソール

まじ?


知らなかった。


グレイグ

ま、その話はまた今度だ。


で、その紋章よ。


ローザリア王国の一族は、一応は正式な7英雄の血筋だ。


が、それはどうでもいい話だ。


で、ここからが話の核心に迫るんだが、


今のローザリア王国の女王には子供が一人いる。


まあ、お姫様がいるってことだ。


ソール

それが何か問題なのか?


グレイグ

そのこと自体は問題がない。


しかし・・・


関係がないかと言ったらそうでもない。


ここからはかなり複雑な話だ。


実は今の女王は、即位してそんなに長くない。


3年ほどだ。


で、問題は即位した経緯だ・・・。


先代の女王は今の女王の姉だった。


それが3年前に亡くなった。


で、代わりに妹が女王になったわけだ。


ここまでは何も問題ないように聞こえるだろう。


ソール

ああ、そうだな。


何も問題ないように見えるが、何か問題があるのか?


グレイグ

ああ、実はこのことには予想外だった奴らがいる可能性が高い、、、。


先代の女王には娘がいなかった。


いるのは息子が3人。


姫がいなかったわけだ。


姫がいないわけだからもし先代の女王に何かあった場合の女王候補だが、

優先的には妹が女王候補になる。


次に妹の娘。


そして先代の女王の息子に娘がいた場合はその娘が候補になる。

まあ、実際はいないので候補にはならないけどな・・・。


そして、ここからは優先順位はあってないようなものになる。


つまり、もし妹もその娘もいなかった場合、女王には誰がなるかって話だ。


結論から言うと、誰でもなれる。


適当な理由をつけて女王にしてしまえばいいだけだからな。


先代の息子の嫁さんがいたらその嫁さんでもいいし、先代の旦那の身内に姉や妹がいたらその誰かでもいい。


女王にする理由なんて後でどうにでも出来るって話だ。


ここまではいいか?


ソール

ああ、大丈夫だ。


グレイグ

で、先代の女王が亡くなった理由だが、、、

実は本当の理由は分かちゃいねぇんだ。


表向きは病気ってことになってるが、どうもそうじゃないみたいなんだ。


さらにだ・・・


先代の女王がなくなる同じ時期に、今の女王とその娘も亡くなりそうになった事故があった・・・。


今の女王と姫がバカンスで旅行に出かけてた・・・。


で、その帰りに乗ってた船が事故に遭い遭難。一般の船だ。


そして今の女王と姫は安否不明になってた・・・。


ってことがあった。


本来ならば、バカンスの帰りだ、国が所有する船で帰るのが常識だ。


しかし・・・


そうはならなかった・・・。


理由は国が所有する船のエンジンがバカンスに行った時に故障したからだ。


船はそのまま現地に置きっぱなしになり、帰りは仕方なく一般の船でってことになった。


で、その直後に先代の女王が病死って流れだ。


どうだ?


偶然にしちゃあ出来すぎた話だ。


ソール

ああ、確かにな・・・。


でもよ、事故にあったんだろ?


乗ってた船が。


運良く無事でよかったな。


どうやって助かったんだ・・・?


グレイグ

はっはっは。


乗っちゃいなかったんだよ、その船に。


ソール

はぁ?


マジで?


どうしてだ?


グレイグ

拐われてたからな。


ソール

さ、拐われてた?


え?


マジ?


誰に?


グレイグ

ん?


俺様にだ(笑)


まあ、詳しくは言えねえが、事前に事故に遭わないようにしたってことだ。


ソール

ま、マジかよ・・・?


ていうか、あんた何者だ?


グレイグ

はっはっは。


言っただろ、冒険者みたいなモンってよ。


話がそれたが、本題に戻すぞ。


女王候補の先代の妹とその娘がいなくなる。

先代女王もいなくなる。

後を継ぐ者がいなくなる。


おそらく、これが誰かが描いた絵だ。


で、適当な誰かを女王にして、このローザリア王国を乗っとる。


まあ、この国ってよりも神器をって言った方がいいな。


ソール

神器?


でもその神器の弓は、弦も矢もないんだろ・・・?


グレイグ

ああ、そうだ。


今はな・・・。


ま、そこは心配するな。


明日になればわかるさ・・・。


ソール

な、なんだよ、曖昧な言い方しないでくれよ。


ちゃんと教えてくれよ。


グレイグ

しょうがねぇなぁ。


分かったよ・・・。


今、城にある弓は、それだけでは不完全な代物ってことよ。


不完全っていうか、おそらく、意図的にそうさせられていたに違いない・・・。


ソール

どういうことだ?


グレイグ

今の城にある弓は、あるものが足りない状況なんだ。

それがないために、使えるやつがいなかった・・・。


そしてその状況は、意図的に作られていた。


これが結論だ。


で、実際に必要なモノが揃ったとする。


すると次の問題は、じゃあその弓は誰が使えるんだ?って話になる。


でも心配すんな。


その神器を使えるやつにも目どこは立ってる。


そしておそらく、明日は神器の奪い合いになる。


ってのが俺の見立てだ!


どうだ!


分かったか?


ソール

お、おお。


なんとなく分かったけどよ。


なんで明日なんだ?


グレイグ

お、そうだな、いいところに気がついたな。


実はな、明日はお城で催し物があるんだ。


女王陛下に娘がいるって言ったろ?


娘ってのはこの国の姫のことだ。


で、その姫さんが先日16歳の誕生日を迎えた。


毎年やってるわけじゃねえんだが、今年はどうやら16歳だからと言う理由でやることに決まった。


俺もよく分からんが、女の16歳っていうのは何か特別な意味があるらしい。


その姫さんのおめでたいバースデーを国を挙げて祝ってあげましょう。


ってことが、大臣連中の中で声が挙がり、明日行われるってことだ。


ま、最初の言い出しっぺの大臣はなぜか持病の心臓病が悪化して、今は中央の都市にあるこの国一番の医療施設に行ってるがな。


さらに・・・


先代の女王の息子3人は、2年前から決まっているらしいどうしても外せない用事で3人とも今はこの国にはいない。


そして先代の女王の旦那は、ちょっと前まであちこちでドンパチやってた神器を巡る争いで、今は生死が不明状態になってるからこちらも不参加だ。


そして明日はこれまた1年ほど前から決まっていたんだが、例の弓のお披露目イベントってやつが行われる。


姫さんの誕生日祝いのイベントを盛り上げるために、お披露目を明日に合わせたって感じだ。


そもそも使えない弓をお披露目してどうするの?


って俺は思うんだが、これも大臣連中の発案だ。


ま、一般人からしたら神器を見れるってだけでもすごいって事らしいがな。


ま、これが明日行われる一連のイベントだ。


偶然にしちゃあ都合の良い事が多いがな・・・。


ソール

明日のイベントは分かったぜ。


先ほどからの話を総合的に見て判断してみると、


明日のイベントで、もし何かあっても困るのは今の女王と姫さんと国民って事だな。


グレイグ

お、察しがいいな。


そうだ、もし明日会場に何者かが襲撃してみんな死んじゃったとしても、明日は城にいないから問題ない連中もいるって事だ。


今の発言に深い意味はない!意味はないから気にすんな・・・。


ソール

い、いや、そこまで念をおされると、逆に怪しさ満点なんだけど・・・。


グレイグ

はっはっは。


ま、明日は楽しもうぜ。


同志!


ソール

だから同志っていうな・・・。


グレイグ

ま、明日の事はもうこれ以上言う事はねえ。


明日を迎えるだけだ。


ソール

わ、分かったよ。


で、俺はどうやって城に入ったらいいんだ?


グレイグ

ん?


そうだな。


俺と一緒にいれば問題ないだろ。


ソール

はぁ?


そんなんで大丈夫なの?


ていうか、あんた城の関係者なのか?


グレイグ

ん?


まあ、関係者っていやあ関係者だな。


ま、そこは深く考えるな。


大丈夫だよ、きっと・・・。


ソール

わ、分かったよ。


で、明日どうすればいいんだ?


どこに行けばいい?


グレイグ

ん?


明日なんか待たないでいいぞ。


この後に俺と一緒に城に戻るんだからな。

お前さんは。


ソール

はぁ?


マジか?


グレイグ

なんだ?


何か問題でもあるのか?


ソール

い、いや、ねえけどよ・・・。


グレイグ

だろ?


そうと決まったら行くぞ。





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