第1章 8話 ローザリア城の陥落
シャルレシア姫が7神器の一つ
「神器・レスティック・アース」を持って登場し、神器を高々と掲げると、国民は神々しく煌めく虹色の弓に、いつまでも酔いしれていた。
シャルレシア姫の誕生日祝いと、神器・レスティック・アースのお披露目は大盛況の内に幕を閉じた・・・。
そして、その夜・・・。
ローザリア城は何者かによって襲撃され、城は火の海と化し崩れ落ちた・・・。
ローザリア女王・エレシア、ローザリア王女・シャルレシアの生死と、神器・レスティック・アースの行方が分からないまま・・・。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
ーシャルレシア姫の誕生日祝いが盛大に行われてる最中ー
ソール
はぁ、何もないのはいいことだとは思うが、退屈で仕方ねぇぜ・・・。
グレイグは一体、何を心配してるんだ・・・?
それに、こんなに人がいたら、怪しい奴がいたってわかりっこないぜ・・・。
怪しい奴がいないか探しながらキョロキョロしてる俺が、一番怪しい奴になってるってどうよ?
ま、このまま無事終わることを期待するしかねえな。
そうだ、そういえば昨日グレイグから貰った紙があったんだった・・・。
よく読んどけって言ってたな・・・。
えーと、なんて書いてあるんだ・・・?
ソールはグレイグから貰った紙に書いてあるメモを読んだ・・・。
ソール
「は、はぁ?」
まじか?
グレイグのメモにはこう書いてあった・・・。
女王と姫が狙われてることは話した通りだ。
そしてそれは間違いなく今日行われる。
狙うとしたら、今日みたいな大きな何かがあるときだ。
人ごみに紛れることも容易い。
奴らの狙いは神器が一番。
ついで姫の命だ。そして女王の命。
おそらくまだ奴らは姫が神器の使い手だとは知らない。
だが、仮に知ったところで奴らは姫の命を狙うだろう。
奴らにはおそらく神器の使い手候補の目処が立ってるのだろうからな。
その場合、神器の使い手である姫は邪魔な存在になるからな・・・。
おっと、奴らって言ってもお前さんには分からないと思うが、今は気にしないでくれ。
神器に関わってりゃ、その内にイヤでも知ることになるからな。
で、ここからが本題だ。
神器のお披露目が終われば今日の催しは終了だ。
多分、催し中は何も起こらない可能性が高い。
とはいえ、起こらないとも言えない。
もし起こるとしたら、神器のお披露目中だ。
その時だけは目を光らせていてくれ。
で、神器のお披露目が終わったらお前さんは、
「シャルレシア姫をさらって城から逃げろ」
おっと、言葉が悪かったな。
さらってじゃなくて、一緒にって言った方がいいか。
とにかく、シャルレシア姫を城から遠ざけるんだ。
催しが終わってしばらくは国中がまだお祭り気分であちこちで騒いでる。
この隙にこの国から出るんだ。
城の裏に馬車が用意してある。
姫の取り合えずの服とかも一緒だ。
それで城から脱出するんだ。
馬車は2台ある。
それぞれにメイドがいる。
その内の一つの馬車で出るんだ。
ま、行けばわかるさ。
お前は馬車でこの街まで行け。場所はメイドが知ってるから大丈夫だ。
そこで合流しよう。
もし仮に2.3日経っても俺が来なかったら、お前たちはその街を出るんだ。
好きなところに行け。
以上だ。
そしてグレイグからのメモの最後にはこう書いてあった・・・。
よう、ソール。
きっとお前さんは今こう思ってるだろう。
「まじかよ?」
ってな。
どうだ、当たりだろ?
ま、そんなことはどうでもいいんだが、書いてあることは大真面目だ。
頼むぜ!
しっかりやってくれよ!
俺がもし生きてたら、例の場所で落ち合おう。
じゃあな。
それとよ!
一緒にいた時間はほんの2.3日だったが、悪くなかったぜ。
ーグレイグー
ソール
・・・・・
今生の終わりみたいな書き方で終わらせるんじゃねえ・・・。
何があるのか知らねえが、俺は自分のやることをやるからよ。
あんたもシッカリな。
そして必ず合流しようぜ。
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シャルレシア姫の誕生日祝いと、神器のお披露目は大盛況で終わり、今もなお国の至るかしこでお祭り騒ぎが行われていた。
ソール
さて、それじゃあやりますかね。
城の裏って言ってたな・・・。
お、あそこだな。
ー城の裏ー
グレイグ
「おー、ソール」
「やっと来たか。おせえぞ」
ソール
グ、グレイグ!?
な、なんでいるんだよ!?
グレイグ
あ?
いちゃ悪いか?
と言うか俺がいなけりゃことが始まらねえだろ。
じゃあ聞くが、お前さんはどうやって姫さんと合流するつもりだったんだ・・・?
ソール
う、そ、それは・・・。
な、なんとかしたさ!?
グレイグ
ふーん、なんとかねぇ・・・。
ま、そういうことにしてやるよ。
で、これが言ってた馬車だ。
ソール
馬車は分かった。
でもこういうのってさ、なんか、こう・・・、ハラハラ・ドキドキ、危機一髪!?
みたいな感じで脱出するんじゃね?普通は・・・。
なんか拍子抜けしちまうよ、これじゃあ。
グレイグ
あ?
何勘違いしてんだ?
それとも何か?
姫さんの危機一髪を救って、さすが俺だぜ!
なぁーんてことになるとでも思ってたのか?
そんなラノベ・テンプレみたいな展開になるわけねぇよ。
ソール
そ、そんなことは、す、少ししか思ってないけどよ・・・。
グレイグ
思ってたのかよ!
ソール
だ、だいたいあんなメモを見りゃあ、誰だってそう思うぜ!
グレイグ
はっはっは。
まあ、細かいことは気にするな。
ここから出ることは事実なんだからよ。
ほれ、さっさと行きな。
姫さんが寂しがってるからよ!
「寂しがっていないわよ!変なこと言わないでくれる?』
馬車にいたシャルレシア姫が、グレイグに向かって照れながら反論してるのを御構い無しにソールは馬車に乗った。
シャルレシア
な、何よ!?
ほ、本当だからね!
ソール
あ、何のことだ?
シャルレシア
な、何でもないわよ・・・。
グレイグ
じゃあソール頼んだぞ。
ソール
あれ?
グレイグは一緒に来ないのか?
グレイグ
ん?
ああ、俺様はここに残る。
まだやることがあるからな。
じゃあな。
そいうとグレイグは城に戻っていった・・・。
シャルレシア姫とソールの馬車は、メイドが馬車を操縦して城を出た。
ソール
な、なあメイドさんよ。
行き先なんだけどさ、どれくらいで着くの?
メイド
そうですね、今からですと、明日の昼くらいには着くかと。
夜はどこかで野宿になりますね。
ソール
結構かかるんだな。
野宿って言ってたけど、他に街とかないの?
メイド
はい、目的地までの方向でしたら、途中に村や町はないんですよ。
ソール
そうかぁ。それは仕方ないね。
あ、そうだ姫さん。
俺はしばらく寝るから、何かあったら起こしてくれ。
頼むぜ。
シャルレシア
ちょ、ちょっと!
まったく、、、ほんと自分勝手なんだから・・・。
メイド
ふふ、昨日もシャルレシア様のためにあまり寝ていなかったんですわよきっと。
今は寝かせてあげてもいいと思いますよ。
シャルレシア
そ、そうね。
少しくらいは許すわ。
シャルレシアとソールを乗せた馬車は順調に進んでいった・・・。
メイド
もう少しで夜になります。
もう少し行ったら野宿するには良い場所に出ますが、そちらで今日は野宿しましょう。
シャルレシア
そうね。
そうしましょう。
ところで・・・。
一体いつまで寝るつもりなのかしら・・・。
ちょっと、いつまで寝てるつもり?
もうそろそろ起きたらどうなの?
ソール
・・・・・・・
シャルレシア
ちょっと!?
いい加減に・・・、
シャルレシアがソールを起こそうとした時、ソールは寝ぼけてシャルレシアに抱きついた・・・。
そしてソールの顔がシャルレシアの胸にうずくまった・・・。
シャルレシア
ちょ、ちょっと、な、何するのよ???
こ、このバカ、離れなさい・・・!?
シャルレシアがソールを無理やり離そうとした瞬間・・・
ヒヒーン・・・!?
馬が大きな悲鳴をあげ、馬車は急に止まった・・・。
ソール
う、うわぁー。
な、何だ?
どうした?
シャルレシア
どうしたじゃないわよ、この変態!?
シャルレシアはソールの頭を叩いた・・・
ソール
痛ってえぇなおい!?
何すんだ!
シャルレシア
何じゃないわよ!?
まったく、あなたって人は・・・。
あ、そうだ!
どうしたの?急に止まって!
何かあったの?
シャルレシアとソールが馬車から覗くと、そこには・・・
ソール
ん?
何だお前たち?
そこには武装した盗賊とも見える集団が道を塞いでいた・・・。
盗賊らしき集団
おい、止まれ!
ここから先は行かせれねぇ。
悪いが引き返してもらおう。
ソール
ちょ、ちょっと待ってくれよ。
俺たちはどうしてもこの先の街まで行かないといけねえんだ。
通してくれよ・・・。
盗賊らしき集団
ああ?
この先の街だあ?
本気で言ってるのか?
悪いことは言わねぇ。
命が欲しかったら、やめときな。
ソール
どういうことだ?
何かあるのか?
盗賊らしき集団
ん?
本当に知らねえのか?
今あそこは争いの真っ盛りだ。
それに・・・、
邪魔されても困る。
分かったらとっとと戻りな!
シャルレシア
ちょっと、ちょっと。
すごく偉そうな言い方してるけど、あなたたちは何者なのかしら?
こっちも、ハイそうですか!って帰るわけにはいかないのよ。
盗賊らしき集団
なんだぁ!
女だからといって容赦はしねぇぞ!
と、その時・・・
「待ちなさい!」
盗賊らしき集団
お、お頭・・・。
お頭
これは一体どういうこと?
誰か来た時は必ず報告するように言ってあったはずよ!?
盗賊らしき集団
す、すいません、まだ話し合いの最中でしたので、終わってから報告に向かおうと・・・、
お頭
言い訳は結構よ。
ソール
お、女?
お頭
迷惑かけたわね。
でもこの先は危険よ。
どんな理由があるか知らないけど、戻った方がいいわ。
この方向から来たということは、ローザリアか、ルナールから来たと思われるけど、戻った方が身のためよ。
ソール
き、気持ちはとてもありがたいのだけどよ、俺たちもマジで引き返すわけにはいかねぇんだよ。
せめて何が起こっていて、何で駄目なのかを聞かせてくれねぇか?
お頭
・・・・・
どうやら訳ありみたいね。
いいわ、話してあげる。
どうせ貴方達もこの先で野宿する予定だったんでしょ?
こっちに来て!
ソール
おお、助かるぜ。
俺はソール
シャルレシア
私はシャルレシア。
で、こっちがメイドのエリーよ。
・・・・・
・・・・・
・・・・・
お頭
まだ名前を名乗ってなかったわね。
私はリリア・ハーディー
海賊の総領をしてるわ。
ソール
か、海賊?
じゃあ、お前はあの有名な残忍非道な海賊、デビル・レイサーの総領だってのか?
リリア・ハーディー
デビル・レイサー・・・。
それはちょっと違うわ・・・。
私たちは、シャーク・レイ・ドラグーンと言う海賊よ。
世界には海賊はいくつもあるわ・・・。
もっとも、貴方達からしたら、海賊はデビル・レイサーしか知らないかもしれないわね。
とわ言っても、海賊の先祖は一緒だけどね。
そして・・・
紋章を受け継いでるのも同じ・・・。
ソール
も、紋章だって?
じゃああんたは7英雄の末裔なのか・・・?
リリア・ハーディー
7英雄・・・。
それはちょっと違うわ・・・。
確かに私たちには紋章があるわ。
でも7英雄の末裔とは違うの・・・。
英雄になり損ねたって言った方がいいかもしれないわね。
ソール
は、はぁ?
一体どういうことだ・・・?
英雄になり損ねた?
リリア・ハーディー
そう、英雄になり損ねた・・・。
私たちの先祖は、あの魔王との戦いに、途中までは一緒に戦っていたの。
ソール
な、なんだって?
それは本当なのか?
リリア・ハーディ
ええ、本当よ。
でも、魔王との最終決戦の時、私たちの先祖は別の場所で戦っていたの。魔王と直接戦ったのが伝説に語り継がれている7人。
本当は英雄は12人存在するはずだったのよ。
魔王との最終決戦の時、私たちの先祖は3つのパーティーに分かれて戦っていたの。
魔王と直接対峙した7人。
私たちの先祖達3人が対峙していたのは、海の怪物・リヴァイアサン。
そして最後の2人が対峙していたのが、暗黒魔導士・ダーク・ネヴュラ。
これが魔王との最終決戦の真実よ・・・。
世界中で知られている伝説とは違う話だけどね・・・。
ソール
じゃあ、何か?
今語り継がれている話はウソっだってのか・・・?
リリア・ハーディー
ウソじゃないわ・・・。
魔王と戦ってたのは真実だもの。
ただ・・・、
真実が足りないだけなのよ・・・。
シャルレシア
そ、そんなことがあったなんて・・・。
リリア・ハーディー
ま、この話をしても誰も信じないけどね・・・。
今の時代には関係ないしね・・・。
ただ・・・
このことをよく思っていない人たちもいるわ・・・。
だからいつの時代にも神器を巡る争いが存在するのよ・・・。
それに・・・
デビル・レイサーもその中の一つよ・・・。
ソール
そうか、ま、お前たちの中でも色々あるんだな・・・。
でよ、、、
なんでこの先は行ったらいけねえんだ・・・?
リリア・ハーディー
この先か?
この先の街は今、デビル・レイサーが暴れてる・・・。
街は戦争状態だ・・・。
デビル・レイサーと、私たちとは別の海賊が争ってる。
だから危険なんだよ。
ソール
ま、まじ?
なんで争ってるの・・・?
というか、海賊なのに陸で?
海で争えばいいんじゃ・・・。
リリア・ハーディー
一体海賊にどんなイメージ持ってるか知らないけど、私たちだって街で生活してるのよ?
まあ、船も私たちにしたら街みたいなものだけど、それでも大半は街で生活してるわ。
争いの理由だったわね・・・。
争いの理由は、神器よ!!!
シャルレシア・ソール
神器??
ソール
この先の街に、神器があるっていうのか・・・?
リリア・ハーディー
正確には神器に関する重要な何か?
ってところかしら・・・。
それが何かは私たちは知らないわ・・・。
この先の街は、私たちとは別の海賊が拠点にしていた街なの。
それで、神器に関する重要な秘密を入手したと知ったデビル・レイサーの連中が、街を襲ってその何かを手に入れようとしてるのよ。
ソール
そうなのか・・・。
じゃあやっぱり街には行っても争いに巻き込まれるだけってことか・・・?
リリア・ハーディー
今はそうなるわね。
ところで・・・
何でそんなに街に行きたがるの・・・?
まさかあなたちも神器のことが理由?
ソール
神器は関係ねぇ・・・。
多分・・・。
俺たちが街に行きたいのは、約束があるからだ!
リリア・ハーディー
約束?
あの街で誰か待ってるの?
ソール
い、いや、今はまだだけど、、、。
俺たちが、その、や、約束の人になるっていうか・・・。
リリア・ハーディー
つまり、貴方達の後にも、誰かが来るから、先に行って待ってるってこと?
ソール
ま、そういうことになるな。
リリア・ハーディー
話はわかった・・・。
でもダメね!
ソール
は、はぁ?
ダメ?
なんでだよ!?
今の話、聞いてただろ?
約束があるから待ってないといけないんだよ。
リリア・ハーディー
話を聞いたからよ。
いい?
今あの街はとても危険な状態なの。
街の人も、別の街などに避難してるわ。
そんな状態の街で人を待つことなんて出来ないわ。
それに・・・
後から来る人も、この道を通るんでしょ?
だったら無理に街に行かなくてもいいんじゃない?
引き返すのがムリなら、ここで待ってればいいわ。
シャルレシア
そ、そうね。
それが賢明だわ。
そうしましょう。
ここで待ってましょう。
どうせ今は夜だし、先には行けないし。
ソール
そ、それはそうだけどよ・・・。
リリア・ハーディー
じゃあ決まりね。
今夜は一緒に夜を過ごしましょう。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
ソール達がリリア・ハーディー達と遭遇していた同じ頃、ローザリア城では・・・。
仮面の男
「お前ら、準備はいいな?」
一斉に火の矢を放て!
そして魔法で城を攻撃だ!
城の中の女王と大臣達とメイドを始末しろ!
姫の始末と神器は俺がやる・・・。
だ、大臣達もですか・・・?
仮面の男
「そうだ!」
で、ですが大臣達は今回のこの作戦に・・・
仮面の男
「ああ?」
奴らはもう用無しだ。
一緒に始末して構わん!
は、はい・・・、わ、わかりました・・・。
仮面の男
「よし、行くぞ!矢を放て・・・!」
ローザリア城を目掛けて無数の火の矢が打ち込まれた・・・。
火は瞬き間に広がっていく・・・。
警備兵達は名のものかになすすべなく切り倒されていく・・・。
ーそしてシャルレシア姫の寝室ではー
シャルレシア姫の寝室のドアが大きな音を立てて開く・・・
仮面の男
弓は戴く、そして死ね・・・!
シャルレシアのベッドに一振りの剣が突き刺さる・・・。
が、ベッドには何も反応がない・・・。
仮面の男
「いないだと?」
その時、シャルレシア姫の寝室のクローゼットにいたグレイグが現れた。
仮面の男
「グレイグ・・・」
「貴様なぜ?」
グレイグ
これはこれは珍しい・・・。
確か今は行方が分からないはずのあなた様がなぜここに?
ローザリア騎士団の隊長殿
いや、先代女王の旦那さまと言った方がいいかな?
「ロベルト卿!」
仮面の男はグレイグを前にして、仮面を取った。。。、
ロベルト卿
くっ、グレイグ貴様・・・。
いつから知っていた・・・?
グレイグ
ああ?
何のことでぇ?
俺にはさっぱりわからねぇな・・・!
ーグレイグとロベルト卿の斬り合いが始まるー
ロベルト卿
とぼけるな、貴様がここにいて、姫がいないのが何よりもの証拠だ!
「姫はどこにいる!?」
「神器をどこにやった!?」
まさか・・・
「女王もか!?」
グレイグ
姫も女王もとっくにここにはいねぇよ・・・。
3年前の事件もお前の仕業だろ?
おっと、お前と今は中央の都にいる、エドヴァルド卿との仕業って言った方がいいかな?
ロベルト卿
くっ、、、。
貴様、いつもいつも邪魔をしやがって!?
一体何者だ!?
グレイグ
ふん、貴様に教える筋合いはねぇ
グレイグとロベルト卿の斬り合いが続く・・・。
ロベルト卿
貴様が何者かは知らんが、神器について何を知っている!?
グレイグ
さぁてな・・・。
知っていてもお前さんには教えるわけにはいかねぇよ・・・。
ロベルト卿
ふん、まあいい・・・。
お前が何者でもあろうと、我々の邪魔はさせん!
ーグレイグとロベルト卿の斬り合いは決着がつきそうにない・・・ー
ロベルト卿
ち、、、思ったより火の廻りが早いか・・・。
このままでは、城が崩れる、、、。
ここまでか、、、。
グレイグ
お前さんたちは一体どこと繋がってる?
ロベルト卿
ふん、貴様には関係ないことだ!?
姫も女王も神器もないのなら、ここにはもう用はない・・・。
悪いが俺はここでくたばるわけにはいかないのでね・・・。
ここで失礼させてもらうよ!
グレイグ
ま、待て、、、。
ち、逃したか、、、。
それにしても、こいつぁマジでやばいぜ・・・。
さて、どうする・・・。
ローザリア城は徐々に崩れていく・・・
城から出ようとするグレイグの前に、崩れ落ちた柱が行く手を阻む・・・
グレイグ
ち、こっちもダメか・・・
このままじゃ、、、
ソールたちとの約束は、、、
果たせねぇかもしれねぇなぁ・・・。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
最後までロベルト卿に対抗したグレイグ・・・
陥落し始めたローザリア城が完全に崩れ落ちるまでは、そう時間は掛からなかった・・・
最後まで城にいたグレイグの生死の確認も取れないまま、ローザリア城は陥落したのだった・・・




