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【竜の巫女と神器の紋章】  作者: 星村 流星
第1章〜神器の紋章〜
10/18

第1章 7話 シャルレシア姫と神器・レスティック・アース

シャルレシアは弓を手に取った・・・。


シャルレシアが弓を持ったその時・・・。


またしても弓の紋章と、シャルレシアの胸の紋章が反応し、紋章が輝きだした・・・!


眩い光がシャルレシアと弓を包み込んだ瞬間。


神器・レスティック・アースが変化していく!!!!!


シャルレシア

こ、これはすごいわ。


エレシア女王

ほう、これはなかなかのもんじゃの。


ソール

す、すげえな。これぞ神器って感じだ。


グレイグ

おいおい、こいつはやばいぜ。

さっきまでのボロボロの弓とは大違いだ・・・。


シャルレシアの紋章に反応した神器は、神々しく煌めく虹色の弓へと変化した!!!!!



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



光の弦が弓に現れた!!!!!


グレイグ

姫さん、矢はどうだ?


シャルレシアは矢をイメージしたが、矢は一向に現れない・・・。


シャルレシア

あ、あれ?


おかしいわね・・・。

矢が現れないわ・・・。


シャルレシアは何度も矢をイメージするが、ダメだった・・・。


エレシア女王

ふむ、矢は無理か。


シャルレシア

そういえば、神器の精霊が言ってたわ。

神器を使える条件を。


たしか・・・


神器は人を守るため、何かを守るため、自分のためではなく、誰かのために使う時、神器はあなたの魂の呼びかけに反応するって言ってたわね。


今は何もない時だから、矢は現れないのねきっと。


エレシア女王

ふむ、そうじゃったか。


グレイグ

なるほどね。


ま、矢を使わないといけない状況にならないことが一番だ。


ところで女王よ。


城の中がやけに静かだが、大臣達のボンクラ連中はどうしたんだ・・・?


エレシア女王

これ、グレイグ、失礼な言い方をするでない。


大臣達は明日の準備で忙しいのじゃ。


グレイグ

忙しいねぇ・・・。


みんないなくなるほどのモンか?


エレシア女王

グダグダ言ってても仕方なかろう。


さ、今日はもう終いじゃ。


明日に備えてゆっくり休むのじゃ。


グレイグ

へいへい。


あ、それと女王よ。


弓なんだが、今日は姫さんから離さないことを進言するぜ。


エレシア女王

なぜじゃ?


何か理由がるのか?


グレイグ

まあ、ないこともないが、理由ってほどのモンじゃねぇ。


あと、明日の朝までは姫さんの護衛を俺とソールでする。


エレシア女王

ふむ・・・。

おぬしがそこまで言うのじゃ。


きっと何か思うところがあるのじゃろう。


分かった。

姫を頼むぞよ。


グレイグ

任せておきな。


それと女王よ・・・。


グレイグはエレシア女王の耳に小さな声で何かを伝えた・・・。


エレシア女王

ふむ。

分かった。


グレイグ

さ、そういうわけだ。


ソールは俺と一緒に姫さんの護衛だ。


ソール

わ、分かったけどよ。


何でまた城の中で護衛するんだ?


グレイグ

あ?

念には念ってことだ。


何もなければそれでよし!


ただ・・・

少し気になることがあってよ・・・。


保険みたいなもんだ。


と、言うわけで姫さん、今日は姫さんのそばにいさせてもらうぜ。


シャルレシア

わ、分かったわ。


お願いね。


ーシャルレシア姫の寝室ー


ソール

おお、やっぱり姫様の部屋って感じだな。


シャルレシア

は、恥ずかしいから・・・、あんまり部屋をジロジロ見ないでよ・・・。


ソール

あ?

ジロジロなんてみねぇよ。


どっちかって言ったら、「チラチラ」って感じだ。


シャルレシア

もっとイヤよ!!!


そ、それに、何かイヤラシイわ。


ソール

あ?


特に意味はねぇよ。

何勝手な想像してるんだ?


シャルレシア

な、何も想像なんてしてないわよ・・・。


「グレイグ!」この男、あなたが連れてきたんでしょ?

何とか言って聞かせなさい。


グレイグ

あ?

まあ姫さん、そんなに興奮すんな。


こいつは何も考えてねぇよ!


シャルレシア

興奮してないわよ!


グレイグ

はっはっは。

ま、そうカリカリすんな。


で、ソールよ、明日の朝までの段取りだ。

俺とお前さんのどっちかは、必ず起きてること。


割合でいやあ、

9:1

で、お前さんが起きてるって感じだ。


もしこの部屋以外で何か騒ぎがあっても、姫さんからは絶対に離れないこと。


それと神器である弓もだ。


それから・・・


ソール

おいおいおい、黙って話聞いてたけど、何、さも当たり前のように話進めてるんだ・・・?


どう考えても9:1っておかしいだろ!


グレイグ

あ?

そうか・・・?


ソール

そうか?じゃねぇ・・・!


8:2にしてくれよ・・・。


な、いいだろ?


グレイグ

お、おお分かった!


じゃあそれでな!


シャルレシア

ねえ、ソール!


あんたってバカなの・・・?


あなたたち、私を守るんでしょ?


9:1も8:2もダメ。


5:5よ。


いい?決定よ!



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


ーシャルレシア姫の寝室ー


グレイグ

夜も深くなってきたな。


おい、ソール。これから明日について話をする。


ソール

お、おお。

で、明日は俺はどうすればいいんだ?


グレイグ

明日のお前さんの役割はだな、


一般の民に紛れてやり過ごしてくれればいい。


見知らぬお前さんが城の関係者にいると、良くも悪くも目立つからな。


大臣連中もうるさいだろうし、お前さんは一般の中にいてくれ。


ソール

分かった。


グレイグ

で、その中で姫さんの周りを常にチェックしてくれ。


あと、弓もだ。


何かが起きるとしたら、女王と姫さんの身に何かが起こるか、神器である弓だ。


今日飯を食いながら話をしてた内容は覚えてるだろ?


過去にあった話だ。


ソール

ああ、覚えてるぜ。


グレイグ

何にもなければそれまでだが、問題は何かが起きた時だ・・・。


いいかソール!何かがあった時、お前は姫さんと弓を持って逃げろ!


どんなことが起こっていてもだ!


ソール

お、おお。


グレイグ

お前さんにこれを渡しておく・・・。


よく読んどけ!


ソール

お、おう。


グレイグ

それから、次はこいつだ・・・。



グレイグはソールに地図を渡した。


ソール

地図?


グレイグ

ああ、その地図はこの世界の地図だ。


で、地図をよく見てみろ。


印がついてるところがあるだろ?


そこは神器について何かしら関係があると睨んでる場所だ。

もちろん、何もない可能性もある。


それとこいつを・・・。


グレイグはソールに紙を渡した。


もし何かがあったらそこに行け。


ソール

そこに行けって言ってもよ、結構あるぜ?


どこに行けばいいんだ?


グレイグ

好きなところに行けばいいさ。


順番も何もねぇ。

だが、きっと何かの助けになるはずだ。


分かったらとっとろ寝ろ。

俺が起きてるから大丈夫だ。


ソール

え?

でもよ・・。


グレイグ

気にするな。


ちょっと月を見ながら、物思いに更けたいだけだ・・・。



・・・・・


・・・・・


・・・・・



その夜はグレイグの心配するようなことは何もなく朝を迎えた。




☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


シャルレシア

ふぁ〜・・・。


シャルレシアはパジャマが、はだけた姿で起きてきた・・・。


パジャマからはチラリと豊満な胸の谷間が見えている・・・。


ソール

よう!

お目覚めかい、姫様。


シャルレシア

ぎゃー、、、、、。


わ、忘れていたわ。


あなたたちが居たのだったわ・・・。


ところで・・・。


寝てる私に変なことしなかったでしょうね・・・?


ソール

変なことって?


シャルレシア

へ、変なことは変なことよ・・・。


ソール

例えば?


シャルレシア

カ、カラダを触ったりとか・・・。


シャルレシアは顔を赤くさせながら答えた・・・。


い、言わせないでよ!!!


ソール

カラダ?


触ったらダメだったのか・・・?


シャルレシア

な、、、あ、当たり前でしょ?


今度は見るだけじゃなく、カラダにまで触ったの・・・?


ソール

あ?


カラダを見たって、昨日のこと言ってんのか?


だからあれは故意じゃないって言っただろう。

偶然の事故だったんだって。


それに・・・


忘れろって言ったのはそっちじゃねえか・・・。


シャルレシア

う、うるさいわね・・・。


それ以上言うとひっぱたくわよ?


で、ど、どうだったの・・・?


ソール

あ?

何が・・・?


シャルレシア

さ、触ったんでしょ?


私の、カ、カラダを・・・。


ソール

はぁ?


触ってねえよ!


何勝手に想像してんだよ!!!


お前、絶対にバカだろ!


シャルレシア

う、うるさいわね。


あんたにだけは言われたくないわよ!


グレイグ

はっはっは。


仲が良いのはいいが、そこまでにしときな。

メイドが困ってるぜ!


メイド

お、おはようございます。

シャルレシア様・・・。


シャルレシア

もう、居たのなら早く言ってよね。


そうすればバカの相手しなくても済んだのに。


メイド

そ、その、あまりにもシャルレシア様が楽しそうだったもので・・・。


シャルレシア

あなたまでそんなこと言うの?

楽しいだなんて、変なこと言わないで。


で、今日はどの服を着ればいいの?


メイド

はい、本日はこのドレスをご準備しております。


シャルレシア

これね。

分かったわ。


それにしても今日は晴れてよかったわね。


メイド

はい、そうですね。

シャルレシアさまのお祝いにピッタリな日でございます。


シャルレシアはパジャマからドレスに着替えるため、下着姿になった・・・。


シャルレシア

って、な、なんであなたがまだいるのよ?


ソール

あ?


なんでって、護衛だからに決まってるじゃねぇか。


シャルレシア

・・・・・


き、着替え中はいいわよ!!!


出て行きなさい!!!!!


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



グレイグ

昨日の夜は何もなくてよかったなおぃ。


ソール

心配しすぎなんだよ。


グレイグ

何かが起こってからじゃ、おせぇだろ?


用心するに越したことはないんだよ・・・。


ソール

というか、一体何を心配してるんだ・・・?


というか、これ、何かのフラグ?


グレイグ

何を心配って、神器に決まってるだろ。


お前さんは島で、のほほんと暮らしてたから知らないかもしれねえが、本土では神器を巡る争いは日常茶飯事だ。


最近じゃ大きな争いは滅多にないが、小さな争いはそこらじゅうで行われてる。

武力行使やスパイ・諜報活動は、当たり前のように行われてるんだよ。


俺が知ってる神器の情報は3つだけだが、それは俺が3つしか知らないだけってことで、実は他の神器も見つかってる可能性も大いにある。


この世界において、神器ってのはいつの時代も人を惑わしてきてるんだよ。


魔王との戦いがあったのはもう何百年も前の話だ・・・。


なのに、未だに神器を手に入れようとする連中は後をたたねぇ。


大半の国だって、本当はどうでもいいと思ってる国も多いが、かと言って自分たちの国が攻め込まれて、滅ぼされても困る。


神器の存在ってのは、それほど脅威なんだよ・・・。


ましてや、英雄の血筋の連中にしたら特にな。


ソール

なるほどね。


グレイグ

だから用心するに越したことはねぇってことだ。


お、もうすこしで姫さんの誕生日祝いの催しだ。

そして弓のお披露目。


言い出しっぺの大臣不在、先代の女王の息子たちを含む一族も不在・・・。


それにしても、こんな偶然が重なるもんなのかねぇ・・・。


なんともしまらねぇお祭りだぜ・・・。


そういえばよぉ、ソール。


ソール

あ?

なんだ?


グレイグ

お前さん、戦えるのか・・・?


ソール

は?


今更何聞いてんの・・・?


グレイグ

いや、万が一何かが起こったとして、いざとなったら昨日行ったことをしてもらわないといけねぇわけだ。


戦う羽目になるかもしれねぇだろ?


で、どうなんだ・・・?


ソール

戦ったことなんてねぇぞ。


モンスターとなら島でたまに戦ってたけどよ。

人と戦ったことなんてねぇぞ。


グレイグ

そ、そうか・・・。


モンスターと戦ってたって意味が少し分からないが、戦った経験があるならいい。


じゃあ大丈夫そうだな。


よし、じゃあ、あとは昨日言った通りだ。


頼んだぞ・・・。


ソール

おう・・・。


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・


グレイグの心配も虚しく、催しは順調に進んでいった・・・。


そして神器のお披露目となる・・・。



エリシア女王

間も無くお披露目じゃぞ?


大丈夫かえ?


シャルレシア

大丈夫よ。


でも国民の期待が、私なんかよりこの弓にあるなんて、

ちょっと腑に落ちないけどね・・・。


グレイグ

はっはっは。


そんなことはねぇよ、姫さん。


さっきまでの国民の熱狂を見てただろ?

姫さん、姫さんってみんな盛り上がってたじゃねえか。


みんな姫さんのこと好きなのさ。

それに、神器はこの世界の人間にしてみたら、誰でも興味あることの一つだ。


心配には及ばねぇよ。


シャルレシア

はいはい、分かったわ。


ところで・・・


今日はずっとあいつを見ていないけど、どこにいるの・・・?


エリシア女王

なんじゃ、シャルレシア。


おぬしが他人を気にするとは珍しいの・・・。

いつもは護衛も鬱陶しいと言っておるのに、どうしたんじゃ?


そんなにソールが気になるのか?


シャルレシア

だ、誰も気にしていないわよ。


ただ、いつもグレイグと一緒にいるのに、いないから聞いてみただけよ。


ふ、深い意味はないわ。


グレイグ

はっはっは。


ソールは今ちょっとした用事の最中だ。


シャルレシア

そ、そう・・・。


エレシア女王

雑談は終わりじゃ。


出番じゃぞ。


司会

「はーい、皆さんお待たせしました」


これより我が国が所有するかの伝説の神器のお披露目です。


しかも・・・


なんと今日はその使い手もいらっしゃいます。


国民

「うぉー」


司会

今までその存在は、いくつもの時代を超えて語り次がれてきました。


そして今、我が国にもついに使い手が現れたのです。


司会

その使い手とは・・・。


我らがローザリアの未来の象徴。


シャルレシア姫です!!!!!


国民

「わー」「キャー」「うぉー」


シャルレシア姫が7神器の一つ


「神器・レスティック・アース」を持って登場し、神器を高々と掲げると、国民は神々しく煌めく虹色の弓に、いつまでも酔いしれていた。


シャルレシア姫の誕生日祝いと、神器・レスティック・アースのお披露目は大盛況の内に幕を閉じた・・・。


そして、その夜・・・。


ローザリア城は何者かによって襲撃され、城は火の海と化し崩れ落ちた・・・。


ローザリア女王・エレシア、ローザリア王女・シャルレシアの生死と、神器・レスティック・アースの行方が分からないまま・・・。




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