幻想の始まり 34
龍神はその声を聞いてふぅとため息をついた。
そしてその後紫の目を見て微笑んだ。
「よかった。君ならきっとその選択肢をしてくれると思ってたから」
そう言うと龍神は紫の頭を撫でる。自分より身長が低い少女に撫でられる感覚はどこか柔らかい場所を触られたような、少しくすぐったい気分になった。それと同時に実際はそこまで強くないのにも関わらず、何か不思議な重圧を感じたのだった。
「それでは紫、これから君には式神になってもらう。特別何もしなくて大丈夫。痛くもなんともない。少しの間目をつぶっていてくれないか」
そう言われ、紫は目を閉じる。一人の手が頭に触れる。きっと龍神だろう。目を開けれないため確認はできないが、その暗闇の中龍神だろうと確信した。
少しそのまま時間が流れた。
数分たったような気もする。いや一分も経ってないかもしれない。長いような短いような時間。
人は刺激によってある程度時間を測っている。今は視覚は全く当てにならない。触覚も無いも同然。聴覚は環境音しかない。ほとんど刺激がない状況で彼女はただただ龍神からの言葉を待つのみ。
「もういいぞ」
そう言われゆっくり目を開ける。ただ麗夢と龍神がそこに一緒にいた。
「どうだ、何か変わった感覚はあるか?」
「いや、特にないですね…」
「ふふ、そうだろう。そんな心配しなくても良かっただろうに」
「何か逆に本当に自分が式神になったのか不思議な気がします。少し不安すら覚えますね…」
「大丈夫だ。もう立派な式神だ。特別何も変わらないがな」
龍神は満足そうに話す。紫は少し不安を覚えつつも、最初恐れていた不安が何も起きなくて良かったと安堵した。
麗夢も喜んだ。立場的に自分と近い存在ができたこと。そして同族になったため、仲間意識が今まで以上に強くなったからだ。
「さて」
龍神が二人の喜びを二文字で一度遮る。二人は龍神の言葉に耳を傾ける。
「これから君たちの理想郷を作っていくのだ。この幻想郷を自分の求める場所に、他人の求める場所に。そして忘れ去られたものにとって優しい場所であるように。忘れ去られたものの最後の安息地になるように。全てを受け入れ、全てに優しくあれ」
二人は龍神を見つめ、目で返事をする。
言われた言葉を噛み締め、理解するにはまだ時間がかかるだろう。その言葉の意味を理解することができるかはわからない。けれど二人とも、素直にその言葉を受け止める。
一生かかるかもしれない。それでもわからないかもしれない。
ただそれでも、できる限りのことはしてみようと。出来る限りのことは理解しようと。そう決意したのだった。
あけましておめでとうございます。Raです。
新年早々二話更新させていただきました。先月はもうちょっと更新予定があったのですが、少し訳ありで…
それと重要なお知らせです。というかこのお知らせを兼ねて一度更新中止していました。(あとまさか書き方がわからなくて毎日悩んでたなんてまさか
Twitterの私のアカウントで書かせてもらったのですが、今年からサークルを立ち上げることにしました。
サークル名は「星虹-壊」と言います。
内容に関してですが、この話を小説化します。というか既に小説なのですが…製本するという方が正しいでしょうか。言葉が上手く見つかりませんがそのつもりです。
ある方に絵を担当してもらい、その方と一緒に活動していく予定です。(その人についてはTwitterの方を見てもらえると嬉しいです。
またこの小説そのものをそのままそっくり製本する予定はありません。修正を加え、もしかすると内容についても変更があったりなかったり…。また今のところちょっとしたおまけもつけて頒布させて貰う予定です。
同人活動は初めての試みなので不安ばかりですが頑張っていきたいと思います。
実際の予定に対しては今年の夏コミ(C86)からサークル参加させていただく予定です。もし興味がある方がいましたら、ぜひ夏コミでお会いしましょう!
Raと「星虹-壊」を今年も(今年から)よろしくお願いします




