幻想の始まり 32
龍神が叫ぶように叫ぶかのように声を高らかに上げたその瞬間、空の色が変わっていく。青空だったはずの空の色が、不気味な色に変わっていく。赤いような黒いような不思議な色。
二人は未だに見たことのない空間にただただ畏怖し動けず、そしてその怖いもの見たさに空を見ることしかできなかった。
その赤黒い色は空を覆い、遠くに広がっていった。もう二人が見えるところにはすでに先程まで当然のようにそこにあった青空の面影を見せていなかった。
そして気がつくと目の前にいたはずの少女はいなかった。
先程まで少女がいたその上から何か轟音に近い声のようなものが聞こえてくる。だが意味はわからない。そして声の主も聞こえない。だがそれより紫と麗夢は、先程まで一緒にいた少女がどこに行ったかということより、目の前の現実に恐怖しながら起きていることを見ることしかできなかった。
そして突風が吹いた。その突風は紫と麗夢の目を閉じさせる。
二人は目を閉じたまま、風の音だけを聞く。だがしかし何が風の音が大きすぎて、何が起きているかわからなかった。
全身に風が吹きつける。二人はその場に立っているのがやっとだった。
数秒後突風が収まり、二人は目を開けた。
さっきと変わらない青空。目の前にあるのは博麗神社。
そして目の前にいる一人の少女。
目の前の少女が声を上げる前となにも変わらない光景がそこにあった。
その少女はただこちらを見ていた。そして話しだした。
「幻想郷。忘れ去られたものの終着地であり、最後の楽園。麗夢、紫。お前たち二人の望む世界。神も妖怪も人間も虫も全てのものが共存できる世界、それが幻想郷だ」
お久しぶりですRaです。
いや一ヶ月以上更新しないなんて初めてですね…申し訳ないです。
先月は少し事情があってあまり時間を取ることができませんでした。それゆえ更新もできなかったことをここでお詫びします。(とは言っても先月の11日に艦これを始めてしまい、それにどっぷり浸かってるのは内緒のお話…いや言い訳ですが艦これのせいで更新できなかったとかそういうわけではないのですよ!
少し長いあとがきになりましたが、また今日からちょくちょく時間を見つけ次第頑張っていきます。これからもよろしくお願いします。




