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東方物語集  作者: Ra
幻想の歴史 始まりの物語
43/56

幻想の始まり 28

気まずい長い沈黙。いつになったら紫は帰ってくるのだろうか、とお互いに思う。早く帰ってきてくれたらいいのに、と思っていると師匠と一緒に紫が帰ってきた。



「じゃあ九尾、そろそろ行くわよ」


「わかりました紫様」


「師匠、麗夢、一年間だけだったけれど本当にありがとうございました。本当に感謝しています」



麗夢は何も言えない。言いたいことはたくさんあるはずなのに言う言葉が見つからなかった。師匠はいつもどおり無表情でただ紫を見つめている。ただその目はいつもより悲しそうだった。



「じゃあ…ありがとうございました。さようなら」



紫たちはその言葉を最後に二人に背を向け歩いて行った。



「師匠…これでよかったのですか?」


「お前こそいいのか?本当に行かなくて」



麗夢は黙り込む。一緒に行きたい気持ちもあるが、それ以上に理想を追い求め続けることが怖かったからだった。



「私は大丈夫だ。行きたかったら行けばいいさ。昨日言ったように彼女にも関係あるが、それに関係なくお前はあの場所に行くべきなんだ。お前の今の年齢を考えるとそろそろあの場所に行ったほうがいいのかもしれないと私は思う」


「神社に…ですか…」


「あそこでお前のことを…いや、行かないなら関係ないが、行けば何か知ることならできるだろうね。お前の出自を知るにはいい機会かもしれない」



麗夢は自分の出自は気になっていたが既に諦めていた。だがこのタイミングでこの情報を聞いてまた興味が湧いてきてしまった。



「すいません師匠、私彼女たちと少しあの神社に行ってきます。でも私はすぐ帰ってきますね」


「あぁ、行っておいで」



麗夢は走って紫たちを追いかけた。



「紫!待って!」


「麗夢?!」


「ある場所までなら一緒に行くわ。貴方たちもきっとためになるはずって師匠が言ってたからね。一緒に行きましょ?」


「どこに行くかも決めてなかったしとりあえず、そうするのもいいわね。行く場所が決まっているなら境界を開くわ」


「貴方その場所がわからなくても境界開けるの…?」


「…じゃあわかる範囲で近くになら開くわ」



そうして紫は境界を開いた。

境界を越えたあとは麗夢のあとについて歩いていった。



「結局どこに行くの?」


「神社よ、神社。昔からある神社なんだけどね。師匠が私にもあなたにも関係ある場所だから行ってみたほうがいいって」


「神社ねぇ…」



そうして歩いていると石段が見えてきた。

麗夢の話だとこの石段の上にあるという。



「…なんか…懐かしいような…」


「似たような神社なんてたくさんあるわよ。ほら行きましょ」




そして二人は頂上についた。

神社の名前ははっきりと力強く博麗神社と鳥居に書いてあった。

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