幻想の始まり 17
「ただいまっと。あなたの能力便利ねほんと」
「そうだね…こんな事出来ると思ってなかったわ。」
「境界は物理法則そのものを捻じ曲げる力を持っているんだから、一歩間違えれば何もかも壊すことが出来るわよ」
その一言を聞いて、彼女は自分の能力の恐ろしさを少し知った気がした。
自分自身の能力の応用がどこまで出来るのかわかっていないということは、もしかすると取り返しのつかないことが起きてしまうかもしれない。境界に対する認識をもっと深めなければならないと思った。
「境界についてのことはこれから勉強していきましょ。理解していけば使い方も色々わかるようになるわ」
「少しこの能力が不安になったの…境界のことを勉強しないとこの能力は危険過ぎるわ。簡単に使っていい能力じゃないだろうし、もっと勉強しないと怖くてまだ使いたくない。取り返しの付かないことはしたくないもの」
「貴方の能力でできることは大抵のことは貴方の能力でなんとかなるはずよ。まぁどちらにしてもリスクが大きいと思うなら、確実にできることからやることね。じゃないと取り返しの付かないことになるかもしれないしね。」
それから夕食を一緒に作って食べた。その後いつものように雑談を少しする。日も落ちて、ろうそくで明かりをとった。
「そうねぇ。境界に関してはこれを読むといいと思うわ。結界に関する書物だけど、境界に関しても勉強になると思うわ。結界にできることは境界にも出来ると思って過言じゃないからね」
「なるほど…たださっき言った封じ込めるという場合は、少しものとして封じ込める場所が変わったりするから頭は使わないといけなさそうね…」
「そうねぇ。それに関してはあなた次第よ。想像力と理解力さえ追いつけば、どの陰陽師より優秀な人になれるかもしれないわね」
「陰陽師にはなるつもりはないけれど…」
「あら、じゃあどうやってこれから生きていくのかしら。貴方の能力は陰陽師に向いてるわよ。これ以上ない天職かもっていうのに」
「う…確かに…」
「それと、今まで言わなかったけれどその格好はここの世界ではちょっと浮いてるわ。いやちょっとどころではないわね。この中からどれか服を貸してあげるからそれをあなたのものにしたら?」
「ありがとう…どれにしようかな…?」
「この橙色とかどう?あとこの藍色のは?」
「うーん…私に合う色じゃないわね…あ、この紫色のやつにしようかな?」




