幻想の始まり 13
「え?」
彼女は予期してなかった。今までのように目の前で止まる攻撃ではないのは確かだろう。今までに無く危機感を覚える。光弾が一定の速度で自分に向かって飛んでくる。どの程度の威力のものかは分からないが危険だろう…。
光弾の速度は速いわけではない。が横に逃げるという選択肢は恐怖で彼女の頭になかった。
彼女は以前のように命の危機を感じていた。そして以前のように両手を前に突き出した。あの時感じた恐怖とまた同じ恐怖を味わっている。あの境界が自分の能力でないと信じたい気持ちもあったが、彼女は境界が開いてほしいとも思った。あの時のように境界が開かれなければ自分の身が守れないだろうから。
だけど今回は前と違い、あの時決めた覚悟を忘れなかった。それは全部をみるということ。本当に自分の能力ではないと自覚するために怪我をしても何をしても見なければ。
しかし手を突き出しても境界は開かれない。既に光弾は避けれない場所にまで来ていた。もう間に合わない。
その時目の前から黒い空間が空間を割くように現れる。
そしてその瞬間に大きな炸裂音が聞こえ、大きな衝撃が起きる。
彼女はいきなり何が起きたのかわからなかった。目の前で爆弾が爆発したかのような衝撃。それが空気を伝わり彼女にまで衝撃が伝わる。彼女はこの衝撃を肌で嫌なほど感じ取っていた。
衝撃を耐えている間、何故か映像が脳内に流れ込んできた。
小人と天邪鬼、面を被った付喪神、豪族達と聖人、三匹の妖精、僧侶と妖怪、動物達と二人の覚、竜宮の遣いと天人、巫女と神、死神と閻魔、二人の鴉天狗、宇宙人達と不死鳥、宴会好きな鬼、庭師と亡霊、メイド達と吸血鬼、白黒の魔法使い、紅白の巫女。そして広い楽園。
他にも様々な映像が脳内を流れこんでくるが、彼女は何もかもがわからなかった。この脳内に映る映像は何なのか。
だけど、不思議と嫌な気はしなかった。
むしろこの映像を見て、彼女はどこかわからないけれど嬉しいような楽しいような気持ちになっていた。




