幻想の始まり 10
太陽の光で目が覚めた。鳥の囀りが遠くから聞こえた。
昨夜九尾に襲われたことが嘘のような静かな朝だった。
九尾は嵐のように村を襲い、傷跡を残していった。犠牲になった人もいるのだろうか。
それにしてもあの九尾は何がしたかったのだろうか。妖怪の気持ちなんてわかるわけがないのかもしれないが、本当に無駄に襲ってきただけなのだろうか。
九尾について考えていると、早く起き過ぎたのもあるし、妖怪に襲われたことによって緊張していたり、その前日は竹林を歩いていたりとしたせいで疲れが抜けきっていなかったせいかまた眠気が襲ってきた。陰陽師の二人はまだ寝ている。自分ももう少し、寝ていようかと思った。
そして二度目の起床。陰陽師たちはもう起きていた。朝と呼ぶには遅いし、昼というには少し早く感じるくらいの時間帯だろう。
「おはよう、起きたのね」
「おはようございます」
昨日は私に対して恐怖や疑いの目を持っていたようだった女陰陽師から挨拶される。昨日のような感情はもう持っていないようだ。
「昨日の九尾と退治した時、あなたの前に境界が現れて九尾の攻撃を飲み込んだのはびっくりしたわ」
いきなりその話をされる。今似たようなことを考えていたから、これから先の話が少し恐ろしい。何を言われるのだろうか。
「あれってあなたが自覚していたわけじゃないのよね?」
「はい、そうです。私はむしろ誰かがやってくれたものだと思っています」
「私の眼からしたらあなたがあの能力を持っているようにしか見えなかったけれどね。それでね、この事について師匠と朝少し話したのだけれども」
私は妖怪だと言われるのだろうか。自分ではそんなつもりは無いのに。あんな能力は使えるはず無いのに。
「少しあなたのこと実験してみようと思うの。あなたが妖怪だとしてもそれは構わない。人間に危害を加えないならば、何も問題はないわ。それに昨日の様子だと妖怪の肩を持つことはないでしょうし。それならば私達陰陽師もあなたを退治する理由なんてないし、共存していけるわ」
「実験…ってどんなことをするつもりなんですか?」
「まずあれがあなたの能力であるかどうかを確かめる。まずはそれからよ」
自分の身の潔白を示すためにも、彼女はそれに乗りたいと思った。
そもそも罪を感じているわけでも無いから、身の潔白というと少し違うのかもしれないが、人間であることを彼女は証明したかった。
妖怪扱いされて嬉しくはないし、多少の苛立ちを覚えていたから、自分が普通の人間として認めてもらうならばそれが一番早い。
「わかりました。ぜひお願いします」
「決まりね。じゃあ今から一緒に広場に行きましょう」
彼女は女陰陽師と男陰陽師に連れられて、周りは木で囲まれたある程度開けた場所に辿り着いた。
「少しだけ手荒な真似をさせてもらうことになるわ。昨日のように命を危機を感じなければ、もしかしたらダメなのかもしれない。できれば危害は加えたくないからあなたが傷つきでもしたらその時点で中止するわ。それだけは許してほしい」
確かにその可能性はある。仮に自分の能力だとしても危機的な状況にならないと、発動しないのかもしれない。誰かが守ってくれるにしてもそのような状況じゃないと助けてくれないかもしれない。
「わかりました。それでお願いします」
陰陽師二人はその言葉を聞き、少し安心したようだった。
その後陰陽師二人は距離を離し、昨日のように式神を出してきた。
後書きではお久しぶりです。Raです。
最近あまり後書きを理由があって書きませんでした。というより理由がなかったから書かなかったのですが。
以前は毎回毎回つけるものかなとおもって書いてたのですが、理由なく書くのも良くないかなと思ってやめました。
という訳で今回は理由があって書きました。
私のユーザーページ飛んでもらえればわかるのですが、Twitterで更新報告しています。
以前書いてた後書きのような書いた後の感想などもそちらで書いてます。
昨日知ったのですがこれってアクセス数などを調べることが可能らしく、私のこの東方の世界観に関してやりたい放題書いてる文章を意外と多くの人に見てもらえてることを昨日知りました。見てくださってる方々本当に有難うございます。
それで、もしここの小説から私のことを知った人などはTwitterアカウントのほうを知らない方もいるのではないかと思いまして、一度ここで書くべきかなと思いました。
更新報告とかもそちらでやっているので、情報が早くなるかもしれませんし。
という訳で私のTwitterのアカウントのURLをここに書いておきます。もし何かあれば是非どうぞ。ユーザーページにもURLが貼ってありますが、この機会なのでここに書いておきます。
https://twitter.com/Ra_TohoSS
意見や感想などもこちらでも受け付けてます。誤字報告などもぜひぜひお願いします。
では。 Ra




