幻想の始まり 4
「あとで君に色々聞きたいことがあるんだ。食事が終わったら、質問してもいいかな」
「はい、大丈夫です。私もたくさん質問したいことがあるのですがいいですか?」
「構わないよ。…君は何か訳ありに見える。だけど今は、とりあえず食べることを優先しようか。私達を襲ってこないところを見ると妖怪でも無さそうだし」
「妖怪…?本当に妖怪なんて居るんですか?」
「いるよ。時々この人里も襲われることがある。そんなに頻繁に襲われることはないけれど。それに私達は陰陽師だ。もし君が妖怪だったらということを考えてこの家で君を一旦保護することにしたんだ。防衛手段も攻撃手段も持っていない人の家で妖怪が起きたら最悪だからね」
「私も陰陽師よ。この人は師匠なの。私達二人いれば、百鬼夜行とかでも無い限りはなんとかなると思うし。あ、ご飯のおかわりいるかしら?お腹空いてるだろうし、たくさん炊いたから欲しかったら言ってね」
夫婦だと思っていた二人は、師弟関係だったようだ。
それにしても妖怪がいるらしい。この二人の陰陽師が何よりの証拠だろう。
ここに来るまでに妖怪に襲われなくて本当に良かった。
「夕食ありがとうございました。お陰で助かりました」
「いえいえ、簡単なものだったけれど」
「お腹が空いていたので…本当に助かりました」
「少し時間をおいたら質問させてもらおうか。君には色々聞きたいことがあるし」
「わかりました」
彼は体の汗を流しに行ったようだ。その間に彼女はすることが無かったのでせっかくだし食事の後片付けの手伝いをすることにした。
「私も片付け手伝いますよ」
「あら、そんな気にしなくていいのに」
「何もすることがないし、それに助けてもらったお礼としてさせてほしいです」
「じゃあせっかくだしお願いしようかな、ありがとう」
見たことの無い台所に彼女は少し戸惑いながらも一緒に片付けをしていく。
何時の時代なのだろう。ここらへんは古い時代のまま受け継がれてきた田舎のような場所なのだろう。
「おや、手伝ってくれていたのか、ありがとう」
「何もすることはなかったし、助けてもらったお礼です」
どうやら師匠の人がお風呂から帰ってきたようだ。ちょうど片付けも終わったし、いい時間だ。
三人で床に座って、話をする。日はもう落ちていた。
蝋燭を立てて、話が始まった。
「さて、君に色々聞きたいことがある。君は何処からここに来たのかな」




