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東方物語集  作者: Ra
幻想の歴史 始まりの物語
17/56

幻想の始まり 2

「まだ夜は明けないのかしら…」



彼女はまた歩き疲れ、また岩に座っていた。

もう今は疲れるだけなので、夜が明けるまでは動かないことにしたようだ。

筍は土が付いているし、この状態のまま食べたいとも思っていなかった。



きっと太陽が登ってから動けば良い。そのほうが自分のためになる。

今焦ると体力の消耗にしかならないとわかった。夜の竹林を舐めていた。



不安ではあったが、真上を見れば満点の星空を見える。今までに見たことの無い星空の美しさに彼女は感動を覚えていた。空気が澄んでいるということなのだろう。



満月はただただ、地上を照らす。その中で星も綺麗に見えている。大小関係なく、全てが生きているようなそんな感覚がした。



不安を感じながらも、全てが美しいこの世界に魅力を感じていた彼女は、自身の体力のために、夜明けまで寝ることにした。

ここならば、獣もいないし、命は別状が無いだろうと思い、寝ることにしたのだった。



寝ないとなぁなんて思いつつ、星空の美しさを見ていたかった彼女は、岩の上で仰向けになりながら、星を見ていた。

そのまま眠気が、彼女を包み込むのにそう時間はかからなかった。








彼女が起きると周りは明るくなっていた。

体力はある程度回復したが、何か食べなければ空腹は満たされない。

分からなくてもいいから、取り敢えず起きて、竹林を抜けなければいけない。少し急ぐような気持ちで立ち上がり、前方に向かって歩き続けた。



立ち上がった時、岩の上に自分の書いたメモを落としたことには気づかなかった。







彼女は数時間のあと、竹林を抜けた。

達成感もあったが、空腹感もあった。



近くになにかないかなぁとか思いながら、見ると人里が見えた。古そうな家の作りになっている。あそこは凄く田舎なのかなぁとか思いながら、その方向に歩き続けた。

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