二人の秘密を封ずるための 11
博麗神社の鳥居を見つめるメリー。名前を見ているようだ。
「博…?」
「はくれい神社 ね。博識の博に綺麗の麗ね。普通こんな熟語見慣れてないからちょっと読みにくいかもね。それにしてもここの神様は美容と勉学の神様なのかしら。ぴったりじゃない」
「そんな簡単な理由で名前ってつけるのかしら…?確かにそういうこともあるだろうけど…」
歩きながらメリーは話し続ける。鳥居はとても寂れていたが神社もまた寂れている。殆ど信仰心なんて集められていない、悲しい神がここにはいて、神社の名前も蓮子に忘れられていたようだし、悲しい神社なのだろう。
メリーは神社に対して悲哀を感じていた。
弱い風が吹いていて一層その哀愁を漂わせる。
「あと貴方の体調も治してもらわないとね。今は大丈夫?」
「なんかここまで登ったらちょっとスッキリした。神様が見てくれてたのかな。心配かけてごめんね」
「いいのよ。体調が一番大事よ。お賽銭入れて念には念を入れないとね。あ、五円玉は持ってきた?」
「あっ…お財布の中にあったかな…ない…」
「仕方ないわね。私の五円玉貸してあげる。貸してあげるんだから返してね?貴方と私にこれからも共に末永くご縁がありますようにってことで。」
「うん、ありがとう蓮子」
「メリーはお賽銭を入れてからどうやって参拝やるのか知ってる?」
「二拝二拍手一拝でしょ?それは知ってるわよ」
少し不満そうに、でも少し得意げにメリーは答えた。
「意外と知ってるのね。でも本当は二拝四拍手一拝だったらしいわ。そして今でも出雲大社ではその方法で行われているらしいわ。他にも場所によっては八拍手とかもあるらしいし」
「へぇ…それは知らなかったなぁ」
「色々な歴史があるせいね。まぁでもここは二拝二拍手一拝でいいと思うわ。一応わかってるから大丈夫だと思うけれど、お手本として私が先にやるね」
蓮子がお賽銭を入れる。
カタッ…チャリーン パン パン
「こんな感じね。じゃあメリーもどうぞ。」
「はーい」
蓮子がメリーの後ろに下がる。見守るようにメリーを見ていた。
メリーがお賽銭を入れる。それと同時に少し風が強く吹いた。
カタッ…
五円玉が賽銭箱にぶつかる。
五円玉が転がりながら賽銭箱の暗闇に入っていった。
お金が落ちて鳴るはずの音は聞こえなかった。
入れる瞬間少し強く吹いた風は止まった。
風に撫でられて、聞こえるはずの草木のこすり合う音は不自然に急に止まった。
メリーは何かがおかしいと思いながら周りを見る。
メリーだけが動くことを許されていた。
時間が止まっていた。
とりあえずここで止めたかった。ここまでは今日書いてしまいたかった。
やっとここまで来たって感じですね。やっととか言いながら、書いたページは10ページ程なんですが。
リアルの時間を考えるとちょっと長く感じますね。夏休みになればもうちょっと更新速度あげたいです。
逆に言うとここまで来てしまったか という気持ちもあります。
もうこの話も終盤ですね。
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