誰か、感服す
間が空いてしまいました…
なのに結局話があまり進まないという。
あと入れようと思ったわけでもないのにあるアニメのパロディが入りました。
「……………」
俺の目の前の少年(?)は、何も知らないはずであるNPCに「この世界は実はRPGの世界であり、自分達は何故かここに飛ばされた」という事実を隠しつつ弁解すると言う激務を俺に擦り付けた(さらにその激務を何一つ考えずにやり通す頭のキレを持っていながらである)、非常に罪の重い人間である。
そのために俺は彼に一撃、攻撃力を上昇させてからお見舞いした。
いくらなんでも死ぬことは無いだろうが、こうも無言だと心配ではある。
「……………」
……こりゃあ完全に気絶してるなぁ。水かけようか。いやそうだ、ここでは水は貴重な資源だった。こんなことに使うのは相応しくないな。
「……………」
「……………」
「………暇、リターンズ」
どうしよう。することがないぞ。皿洗うか。いやそれではアイスを粛清(?)した意味が無いじゃないか。いっそあんなことしなきゃ良かった……と後悔先に立たず。
…本当にどうしようか。
「…………フフッ」
…ん?今笑った?
「……物凄く痛かったんですけど。レベル上がった?特訓の成果だねぇ」
いつものアイスである。一息着きたい所ではある…が。
「そうだよ、お前が誘ったくせにあんま働かない上にその後ものほほんとしやがって。もう1発殴らせろ」
「はいはい、謝るから。落ち着こう。あの普通では気絶クラスのものをもう1発となったら昇天しかねない」
「普通……では?どういうことだよ?」
「ふふん、知りたい?これだよ」
「!?」
そう言いながらアイスが取り出したもの。それは橙色に所々紫色の線が入った、俺が使ったものとは反対に防御力を上げる実、だ。まさか隠し持っていたとは。
「…………」
「こういうのは常に二手三手先を読むものだよ」
「おみそれしました」
いやはや、アイスには勝てない。
「…んで、誰か」
「はいなんでしょう」
「ちょっとまずいことが起きている」
「ほう」
「……ような気がする」
「気がするだけかよ………あ、そういえば」
俺は一呼吸置いて話を続ける。
「さっきアイスを殴ろうとした時、何か物騒なこと言って無かったか?お前」
「えーと…なんて言ってたっけ」
「忘れたんかい。確か『このままだと二人とも死んでしまう』とか叫んでたような気が」
「あー…いやそれも推測なんだけどね?というか誰かのせいで話すのが遅れちゃったじゃん」
関係無い。俺は一発殴りたかった。ただそれだけだ。と言いたかったのだが、今はその『話』というのが気になった。
「…で、その話の内容とは」
「えっとねー…
セザルが、『メッセージの送り主の使い魔』である可能性、だよ」