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本格的な生活

まさかの2000文字。

そして話が全く進んでねぇ。



次回こそは話に進展があると思います。

たぶん、きっと、おそらく。

「…まさかここが軽工業を営んでるなんてなー」


俺はその言葉と共に体をベッドへと沈ませる。時刻は只今…午後6時くらいだと思われる。アイスは俺達2人の夕食の準備中。セザルは最初「作ってあげましょうか」的なことを言っていたが、アイスが自分で断ったらしい。そんな彼は今は例の小物作りに励んでいるのだろう。


「なんか俺だけ暇だ……」


罪悪感に襲われる。暇というのも楽なものではない。アイスのPCの中に入り込む……って壊れてるんだった。


「…散歩にでも行こうかな」


なんか暇→散歩とかわざとらしくて嫌だな。しかし何もしないよりは良いし、村の偵察などもしていきたい。簡単にはいかないとは思うが。



小屋の外に出る。すぐ隣にはセザルの家。母屋というと何かおかしい気がする。そこから砂地の道が続き、各々の家へと繋がっている。うん、ここらへんはRPGっぽいな。


でも宿屋は無い、ショップは……武器屋や防具屋はあるかも知れないが、アイテム屋とか需要がまず無い気がする。それを言ってしまえば武器防具もこの村で需要があるとは

限らないな。皆素手で狼を仕留めてはいないだろうが。


防具は後々でいいと考え、武器屋を探した。さすがに最初のモンスターくらいは一撃で倒したい。


…何故か最初に泊めてもらう家を探した時より村が広がった気がする。アップデート?いやこれオンゲー違う。

もう何回目なのか分からない作者からのRPGうんちく。作者のゲーオタっぷりは異常です。



ん、ここが武器屋…というより鍛冶屋か。ドア周りが暖炉の火のおかげなのか暖かく、カンカンという音が響いてくる。おお、金属加工。まあそんなものを買うほどの余裕……



あ。






「最悪な災厄だ……」

果たしてこれが災厄なのか。否、不注意である。


このRPGの中なのかRPGまがいなのか分からない世界の森の中に放り出されてから、多少苦難はあったものの寝泊まり先や食事などは困らない状況ではあった。よってお金を使うことなど全く考えていなかった。まあセザルがいい人過ぎたってのもあるが…


そう。未だに俺は「この世界の通貨」というものを知らないのだ。そんなものモンスタードロップであるだろ、というのは一昔前の話。野生の魔物や獣がお金を持っていたところで何に使うんだって話になるわけだ。


さて、今から夕食まではあと10分程度だろう。日は完全に暮れ、いつ点けたのかあるいは何かの魔法なのか、少ない数ではあるが民家の近くに灯りが灯っている。村を回ってみるような時間も無い。




よって。




「ベッドにダーイブ!」


「何してんの」


うお。いつのまにかアイスが。


「……やっぱり加工食品や調味料は無かったねー。さすがに塩はあったけど。砂糖は最近値段が上がって買いづらいんだと」


「…やけに細かいな」


「いや僕もビックリしたよ。ゲーム内の食事とか誰が考えたと思う?それと、魚類もこの近くには海が無くて無理。冷凍保存しようにも魔法だと効果時間のせいでダメだし本物の氷はコスト的に難しいだって」


「…ほんとに細かいな」


「ここ置いとくよ?」


そう言ってアイスは料理の乗った皿を近くの木箱(?)に置いた。


「あれアイス食べないのか?」


「いや、PCの修理しなくちゃね」


あーそうか、そうだった。


「では、お先に……」


…と俺は皿の上にある……狼肉?狗肉?を頬張る。へー、「食べる」行為だとか感覚だとか全く現世界と変わらないなぁ(まぁそれを言ってしまえばなんで現世界で俺が食事出来るのかという話になるわけだが)。うん、思ったより美味い。


メニューはいたってシンプルで、その狼肉と野菜炒め。あ、キノコも添えてある。セザル曰く、ここらへんの森ではごく一部の植物しか育たないので野菜は街で買ったものらしい。本当におかしな村ではあるが、このままの生活なら悪くも無さそう……って何を考えている。俺は出で立ちのせいか、何かと他人事のような考え方になってしまう。まあそんなことはどうでもいいか。まだ俺にはやることがあった。


カタッ、と俺はフォークを木のプレートに置く。皿洗いくらいは自分で出来るというかアイスの所に来た時いつもやっているのだが、今はそんなことはどうでもいい。


「ごちそうさま」


「はーい。お皿戻そうか?」


「いや、大丈夫だ」


アイスはこちらに振り返りながら俺に声をかける。その間に俺は、例の革ポーチの中からあるものを出す。



それは、赤い色に白い線が縦に伸びた種。セザルから教えて貰った、攻撃力を一時的に上げる種である。


「食後にはやっぱりこれだよな」


「へ?」

アイスは首を傾げる。まだ意味が理解出来てないようだ。


「分からないか?」


「いや、種の効果自体は分かるけど……あ」


そして右手に持った種を口の中に入れ、同時に噛む。少し辛いが、これが力を上げる成分、と推測だけ。


さて。


一歩、二歩。アイスの至近距離にまで迫る。無表情で。そして右腕を振り上げた瞬間、アイスは全てを理解したようだ。血の気が失せていくのが俺の目からでも分かる。


「いや待って待ってこの世界だと僕死ぬかもしれないしそうするとPCを直すことも出来なくなってさらにこのままだと二人とも死んでしまうことも」


「問答無用!」


アイスの いのちごい!


しかし だれかには きかなかった!


「ぎゃあああああああぁぁぁぁ」

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