プロローグ
小説1作目です。
こんなペースでいいのか……
「よし、今回の仕事終~わり!」
とあるマンションの一部屋に、そんな声が響く。
声からすると、その主は男性のようだ。しかし、その声はかなり高い。青年、いや、少年としてもおかしくないのかもしれない。
ちなみに、今は25:30である。近所迷惑もいい所だ。
彼は先程まで、自宅で勤務中だったのだ。
最もこの世界では、自宅勤務は当たり前のようなもの。
PCごしにリアルタイムで相手と連絡が取れるので、わざわざ一定の場所に集まる必要性が無いのだ。
彼の仕事内容はと聞かれても上手く答えられないのだが、
とりあえず情報を介した仕事である。
といっても、自分達が住む世界でいうレベルではない。
彼らは、彼らの世界や自分達の世界___つまり異世界同士を繋げる情報を扱い、世界の調和や安定を保っている。
かなり規模が大きい話で信じられないだろうが、実際にそうなのである。
彼らの存在はあまり面には出ていない。
いつもは別の顔で日々を過ごしている。
何かの手違いで、悪徳な方々へこの情報が渡ってしまったらと思うと、彼らの世界からすると異世界人の自分でも身震いがするほどである。
さて。
まず紹介しよう。
自分の名前は、
………………。
ここで言葉に詰まる。
正式な名前がまだ決まっていない。
産まれて、というより
生み出されてからもう6年ほどの歳月が立つが、未だに変な呼称で呼ばれている。
笑わないでくれ。
自分の呼称は………
………《誰か》だ。
6年前、自分は彼____アイスという___に生み出された。
情報データから人間をつくりだす技術を彼は身につけていたのだ。
しかし、これは普通に考えて違法行為。
彼のような職業に就いていたとしても、政府からの了承が得られなければこのようなことをしてはいけない。
彼は当時まだ小学二年生。
この職業には、確かな彼の潜在能力と親の推薦でもあって就いている。
なにしろ、自分が生み出されてから初めに聞いた言葉が
「君、誰?」
である。ある程度の知識や感情はプログラム____というとロボットみたいであるが____されているので、答えることはできた。
「…君によって生み出された何かだが?」
「でも人だよ?何かじゃないじゃん」
「じゃあ、誰か」
「分かった、決まり~」
思わずツッコんでしまう所だった。
そもそも、なんで自らが生み出した対象に自分の名前を考えさせるのだろう?
そして、次に彼はこういった。
「僕の裏の人に会ってきて」と。
裏の人というのは、俗に言う(?)
パラレルワールドに値するものと考えていい。
自分の情報をデータに戻し、その世界へと転送された後、
彼の裏の人と会った。
……作者だ。
意味不明な点、誤字等ありましたら、
ご指摘して頂けるようお願いしますm(__)m