豆腐を移動販売するクジャクの話
☆ピージャック
豆腐料理の移動販売をする個性的豊かなクジャク(オス)
<料理>
ゆし豆腐、湯豆腐(付け合わせ色々)、湯葉の刺身
<販売>
豆腐、湯葉、豆乳、豆腐ドーナツなど
冬空の下。
慣れない仕事に疲れ帰り道を歩いていると、
プーパーという懐かしい音がどこからか聞こえてきた。
近寄ると小さなトラックが止まっている。
近くには図書館がある。
運転席から降りてきたのは一匹のクジャクだ。
クジャクの毛って冬にはこんなにモフモフするものなのか。
器用に豆腐を売ったり、料理をしたりしている。
大学生の青年「なんか、なんかすんごくうまそう!!」
「あらぁ、アンタいい男だねぇ。」
え、男の人の声!?なんてゆーか、本の中に出てきたバーの店長みたい。ママって言うんだっけ?
「それはどうも・・・ありがとうございます。」
「まぁまぁ、好きなもの選んじゃってよぉ!
特別に安くしとくからさ!」
しかも商売上手だ!!!
「じゃあ、ゆし豆腐お願いします。食べてきます。
あ、ドーナツも一つテイクアウトでお願いします。」
ドーナツは帰ったらおやつにしよう。
「ハァーイ!!!」
そして元気だなぁ・・・。
「あのー・・・豆腐一丁お願いします。」
その時、僕より少し歳上のサラリーマンの男性がやって来た。
「ハァーイ!!!」
あれ?この人、僕よりずっとイケメンなのにさっきみたいに言わないんだ。
イケメンなサラリーマンが去った後、
ゆし豆腐を食べながら聞いてみた。
「さっきの人、すごくイケメンでしたね。」
「そうねぇ〜、でも、きっと心は女の子よ。」
「え!!どうして分かるんですか?」
「分かるのよ、アタシもそうだから。」
「ええ!!!」
「ね!変よねアタシって!!」
「いや、そんなことは・・・。」
「もう大変だったんだからぁ。クジャクたちの村から追い出されちゃうし、ある日突然人間の言葉話せるようになっちゃうし。困っちゃうわよねぇ。」
「追い出すなんて酷い・・・。」
なんでそんかケラケラしていられるんだろう。
「仕方ないわよ。自分と違うものを排除しようとする。
人間も鳥も変わらないわ。」
「どうしてそんなポジティブでいられるんですか。」
「どうしてかしらねぇ。最初はそりゃあ泣いたわよ、
腹も立った。でも嘆いても怒っても何も変わらない。
喋れるようになって人間と出会って、お店やったら楽しそうって言われてね。
実際やってみたの。そしたらなんだか楽しくなってきちゃったってわけ。」
「凄い・・・。」
僕だったら悲しくて命を経っちゃうかも・・・。
だけど、話をしているうちに
最後には僕まで楽しくなってきちゃって。
また会いたいなーなんて思うくらいには気に入っちゃったみたい。
ゆし豆腐、美味しかったな。




