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36粒目

食堂が休みの今日は、早朝から湖へ。

男が餌を付けた釣竿を渡せば。

「フン♪」

手本を見せてやると俄然先輩風を吹かせ狸。

「フーンッ」

色鮮やかなミミズが引っ掛けられた釣り針が水面に投げられると、

「フンッ!?」

『おっ?』

朝も早いお陰か、あっという間に釣り糸がピンと張り。

「フーンッ!」

背中が虹色に光る魚が食い付いている。

『おおっ!!』

「フンッ♪」

狼男も、見よう見まねで竿を振り、あっという間に魚を釣り上げ、

『これは楽しいな!』

湖畔に敷物を広げ、そこに座り見守る我と男を笑顔で振り返る。

「フンフン♪」

魚を焼く用意をしていて下さいと、バケツに魚を泳がせる狸擬き。

相変わらず主使いが荒い従獣である。

「君はいいのか?」

男に頭を撫でられながら問われたけれど。

「我は魚に怖がれるのか謎に釣れぬしの」

「そうだったな」

少しの間、1人と1匹の釣りを眺めてから、我等は魚を捌き焼く準備をする。


魚が入りきらなくなったバケツを担いでやってきた狼男にも、魚を捌かせみせるも。

『蛇より難しい……』

苦戦している。

「くふふ、すぐに慣れるの」

中身を掻き出し、フライパンと網で焼きつつ。

「フーン?」

「の、赤飯もそろそろ炊けるの」

湯気が吹き出してきた。

「フーン♪」

今朝は湖畔にて、焼き魚と赤飯とお茶での朝ご飯。

「フンフンッ!」

『美味いなっ』

朝からたんまりな食事をし、片付けを終えた頃には、湖畔の店も開き始め。

快晴の今日は、貸しボート屋も扉が開いている。


『おおお……おおおお……?』

「フーン……フーン……」

ボートには、先に我と男が乗り込み。

狼男が耳と尻尾を落とした狸擬きを小脇に抱え、恐る恐るボートに足を乗せ。

『見る分には楽しそうだったけれど、かなり覚悟のいるものだな……』

「フーン……」

ボートの床板に降ろされ、しばらくは4つ足を踏ん張っていた狸擬きも。

けれど、狼男が(あらかじ)め操り方を教わってた(かい)、オールであったか、そのオールを手に取り、

『よっ……』

湖面へ繰り出せば。

「フン……?」

元々腕に力があるため、その安定した漕ぎ方と、湖面を揺らぎなくスイスイと進むボートに。

森からの柔らかな風、水音、鳥が水面を掠める姿に。

「……フゥン」

狸擬きも警戒を止めて、ぺたりと我の足許に座ると、心地良さげに風に毛を靡かせ始めた。

狼男は、そんな狸擬きの姿に、ゆっくりとオールを動かしながら、

『釣りがとても楽しかった』

釣りを気に入った様子。

『道具を使うのが楽しい』

と。

海では大規模な漁をすると男が狼男に聞かせていると、建物のない向かいの岸にある、簡素な舟乗り場が目に留まった。

何かあるのかと眺めていると、

「フーン」

あそこの奥には、墓場がありますと狸擬き。

(ほうほう)

村の墓場であるか。

我等は墓場には特に用もなし。

ただ、

「フーン」

人気(ひとけ)はなく、少し先には美しい沢が流れておりますと。

のの。

ではザルを持ってもう一度来よう。

湖畔を大きく迂回しても良いけれど、ボートで突き抜けた方が早い。

墓参りが趣味だとでも言えば誤魔化せるであろう。

「……」

(さすがに無理があるかの)

むむんと唇を尖らすと、

「どうした?」

男に顔を覗き込まれた。

「の」

沢があるらしいと告げると、行ってみようかと男。

ぬぬ。

「あれの、墓荒しや墓泥棒に思われぬかの」

「墓荒し……?」

信じられない顔をされた。

この世界。

我が子を亡くした絶望で正気を失い、子の眠る墓を掘り起こす奇行はごくごく稀にあれど、墓荒しや泥棒は聞いたことがないと。

(そうであったの)

人間は善良の比率が滅法高い。

狼男の方が、やはり山で生きてきただけはあり、

『生きるためならば、そういう事もあるのだろうな』

理解が早い。

男が理解しがたいと言わんばかりに溜め息を吐いて煙草を咥えたため、斜め掛けしているポーチからマッチを取り出せば。

男は目を細めて、顔を寄せてくる。

煙草の先が赤く染まり、火を消してマッチ棒をポーチにしまうと。

『……』

狼男が、我等の一連の動きをじっと眺めていたため。

「?」

こちらも視線のみで、なんのと問えば。

『それは主に、レディのするべき行い、ええと“振る舞い”なのか?』

不思議そうに首を傾げて問われた。

湖畔の食堂でも、離れた街で給仕していた時も、人の男の煙草に火を点ける女たちをたまに見掛けたと。

狼男が見たその者たちは、皆、指先で火を点けていたのだろうけれど。

「ぬぬん。そうの、それは人によりけりかの」

男を見上げれば、

「そうだな。火を点けて貰うと、煙草がより美味く感じる」

と煙を吐き出す。

『……なるほど?』

「俺は、君に限りだけれど」

男の、我を見下ろす、その甘さを含めた微笑みに、

『……?』

狼男は、我の持つ、何かしらの力のためかと思案している様子。

「くふふ、ただの気の持ちようの話の」

我等の話に耳を傾けつつも、黙ってじっと湖畔の奥を眺めていた狸擬きは。

「フンフン」

「の?」

「フーン」

ボートを食堂側の岸に寄れせば、主様のザルをわたくしめが荷台から持って来られますがと4つ足で立ち。

「ふぬ?」

やけに気を利かせる意図は解らぬけれど。

「お願いするかの」

狼男に頼み、我等の働く食堂側に幾つかある、ボートの乗降口に近付けて貰うと、

「フンッ」

狸擬きはひょいとボートから岸に降りて駆けて行く。

森を散策したいのであろうか。

我の従獣である狸擬きは、我を乗せず、そして速度制限をこちらで指示せねば、

「フーン」

ザルを背負って一瞬で戻ってくる。

『早いな!?』

狼男が軽く跳ねる程度には。

「フンスン」

これくらい朝飯前であると狸擬き。

狼男に、対岸へ向かって貰うと、

「……よっと」

ボートから降り。

少し先の拓けた場所に、名の彫られた墓たちが並んでいる。

墓の中にいる者たちは。

「皆、静かに寝ておるの」

幾つか添えられている花は、少し萎れている。

「フンフン」

先に紫色の花が咲いているのですと、狸擬きの案内で向かえば。

「おやの」

「花の絨毯だな」

『優しい芳香だ』

せいぜい十畳程度の花畑か。

それでも、

「愛らしいの」

控え目さに好感が持てる。

(ふぬ)

花を摘み、3人と1匹で手分けして墓に花を供えてから。

「フンフン」

こちらですと案内されたのは、

「のの」

穏やかな水音の沢。

「大変に良いの」

せっかくだしと靴と靴下を脱いで、

「ふんす」

川に足を踏み入れ。


「あーずき洗おか、焼ーき菓子食ーべよか♪」

しゃきしゃきしゃき

しゃきしゃきしゃき

「あーずき洗おか、お魚食ーべよか♪」

しゃきしゃきしゃき

しゃきしゃきしゃき


ふふんふふん♪

ふふんふふん♪


スカートは捲り上げて纏めていたけれど、

「濡れてる」

男に乾かして貰い。

川沿いに沿って少し、でもなく、散策がてらのんびりと進んでみれば。

「落ち着くの」

人のいない森の中。

人の記憶も空気も残らぬ場所はやはり良い。

パッと見、鬱蒼としてなくもないから、村人も来ない様子。

もしくは、こちらは死者の管轄か。

『あそこに』

「?」

『花屋で、高い値が書かれて売られていた花が咲いている』

と、狼男が指を差すのは、

「のの?なんであろうの」

桃色の薔薇に似ているけれど、背は水仙程度か。

男も狸擬きも名は知らないと。

「ふぬ」

狸擬きと共に周りの土を掻き、根本からそっと引っこ抜いて行き、土を落として狼男に持たせる。

「どうするんだ?」

スカートの汚れを(はた)いて落とされながら男に問われる。

「せっかくだし、薬草屋へ土産として持っていくの」


ボートに乗り込み、ボートを返して薬草屋まで向かい。

店には入らず、建物を迂回し裏手の畑へ向かえば。

「あれ、こんにち、……わわっ、どうしたんですそれ?」

我等の姿でなく、狼男の持つ薔薇擬きを目に留め、畑から駆けてきた。

湖畔の奥に生えていたと伝えれば、

「あんな所にっ?」

「もう少し奥ですが」

良ければと男が伝え、狼男が差し出せば。

「いいんですか!?嬉しー!!」

貴重な花であるからかと思えば。

「男の人から花を貰うの初めて!」

いつも売る一方だから!

と根っこに泥付きでも大変に喜ばれた。

「お礼にまた食べに行きますねっ!」

どこに植えようかとはしゃぐ薬草屋に、ウキウキと訪問を予告されたけれど。

男が、自分達はそろそろ旅立つと話せば。

「えぇ?そうなんですか?」

そっかぁ、寂しいなぁと萎れかけた花の様にくたりと(こうべ)が下がるも。

「あ、そうだ」

おきあがりこぼしの様に頭がむくりと上がり。

「聞きたいことがありまして」

なんの。

「この村に、魔女の村の方まで行くって旅人さんが来たら、魔女の街の方に手紙を託そうかと思ってましてですね」

ふぬ。

「実際のところ、旅人さんに手紙を預けるのは、どうなんでしょう」

急に行き先が変わったりもありますよねぇと懐疑的な様子。

急に旅立つ我等の様な例もあるしの。

「旅人でも、行き先が変われば、組合に預ける預ける場合も珍しくないですよ」

「あー、組合かぁ」

この村にはなく、組合は隣街にしかないため、馴染みがないらしい。

男が、自分達はこれから街の方へ向かうから、組合にも同じ内容の手紙を預ければ、誰かしらが運んでくれるかもしれません、組合までの手紙を預かりましょうかと男。

「わはっ!?それは願ってもないです!あなたたちに預ける分を急いで書くので、出発前にうちに寄って貰えます?」

了解したと、抱えた花に頬擦りする薬草屋と手を振り別れる前に、

「そう言えば、なんでザルを?」

と、我の持つザルを不思議がられた。


「フーン」

村の中心部へ戻れば、空腹でありますと狸擬きが声を上げた。

朝が早かったお陰もあり。

「そうの」

「女将さんおすすめの店へ行ってみようか」

うちでは出さない料理が多いよと勧められた店は、飲み屋に挟まれた1角。

我等の働く食堂に比べると少し小さく、天井も低め。

こちらは2階が住居らしい。

「羊肉を挽き肉にしたものに潰したじゃが芋を乗せて焼いたものが売りだそうだよ」

グラタン的なものか、とても美味しそうである。

ラム肉も頼めば。

「フーン、フーン」

狸擬きは椅子の上に後ろ2本足で立ち、酒のメニューをバシバシ叩き、我ではなく、自身に若干甘そうな男に催促している。

「んん?……酒はご主人様の許可が降りてからだな」

男はそれでも曖昧に首を傾げ。

「フゥゥゥン……」

狸擬きが目を潤ませて、主様……、と我を見つめてくるけれど。

理由もなく昼酒など。

「駄目に決まっておろうの」

「フーンッ!!」

フーンではない。

「まぁ確かに、酒の進みそうなものばかりだな」

男が狸擬きの肩を持てど。

「フンフンッ」

そして狸擬きもそれに即座に乗れども。

「駄目の」

「フンッ!」

ドケチ様と言われても。

「何とでも呼べば良いの」

こやつに何を言われたところで、そよ風ほども響かぬ。

『酒に関しては、君より彼の方が強いな』

狼男の言葉に。

「フンフン」

そうです、酒癖悪(さけぐせわる)じ様とは違うのですと狸擬き。

(……ぬ?)

「の?」

今、何か言ったかの?

笑顔を作り、右手に力を込めると、

「フンフンフンフンッ」

何も言ってなど御座いませんと高速首振り狸。

「あぁほら、ジュースが来た、美味しそうだ」

先に運ばれてきたのはオレンジジュース。

大変に濃い橙色。

「ぬぬ♪」

口に含めば甘さも濃く、

“ビタミン”

と呼ばれるものが体内に染み渡るのを感じる。

「ぬー♪」

美味、美味と飲んでいると、どことなくでもなくテーブルに安堵の空気が広がるのは、気のせいではないであろう。

「あら?そんなに美味しい?」

店の若い女の給仕が、両手でコップを持ちジュースを飲み干す我を見て、クスッと笑って話し掛けてきた。

「の」

「おかわりいる?」

「の」

食事の前だけれど、男も止めず。

ごーくごくと2杯目を飲み干していると、料理が運ばれてきた。

男が取り分けてくれたじゃが芋とラム肉のひき肉を口に運べば。

「♪」

なんぞ、控え目に複雑な香辛料が効いて大変に美味。

「うん、美味しいな、ラムの挽き肉に合わせた味付けだ」

『とても美味いし、腹に溜まりそうなのがいい』

「フンスン」

これはビールか赤ワインですねと狸擬き。

続いてラム肉を焼いたが運ばれてくれば、狸擬きは、目を輝かせるより。

「……」

もそもそと、大層味気なさそうにフォークに刺した肉を口を運んでいるため。

(……全く)

「仕方なしの」

男に頼み、赤ワインを一杯頼んでもらう。

さすれは、

「フゥンフゥン♪」

わたくしめは主様に一生付いていきますと尻尾くるくるご機嫌狸。

そんなことを言われてもである。

「先日も伝えたけれど、それは必要ないの。お主とは、なんならその辺で解散しても構わぬの」

店の扉を指差せば。

「フーンッ!!」

わたくめはどこまでも主様に付いていきます!と傍迷惑な宣言狸に。

(こら)えきれない様に身体を揺らして笑う男と、

『君の言葉は、どれくらい本気なのか冗談なのか、見極める事が難しい』

と複雑な顔をする狼男。

何を言うか。

「本気であるの」

「フンフンフン!!」

主様は悪い冗談が過ぎる傾向に御座いますと。

なんの。

冗談ではないと言っておるのに。


ぽんぽんいっぱいの昼食の後。

腹ごなしに村の中をじっくり歩くのは初めてである。

「あれ、今日は店は休み?」

「おー、うちの店も見てってよ」

店で客として来ている者たちに、声を掛けられる。

我等の働く食堂へも卸しに来ている酒屋の前で、狸擬きが立ち止まり、

「フーン」

熱視線。

酒屋の店主がそんな狸擬きに気付けば、愛想良く手を振ってくれる。

「フンフン♪」

それに応え、ふらふらと中へ入ろうとする狸擬きを、狼男が小脇に抱え、

「フンッ!?」

サクサクと先を歩き出し。

どうやら狼男も、狸擬きの扱いが解ってきた様子。

お向かいの装飾品の店を覗けば、銀製品が多く、そう言えば村人も、あまり色の付いた装飾品は身に付けていない。

「お主は耳飾りのために穴を開けていないの」

我を抱っこする男の耳に触れれば。

「そうだな、ピアスは珍しいものではないけど、特にきっかけがなかったな」

くすぐったそうに肩を竦め、

「君くらいの年に穴を開ける習慣のある国もあると聞いたことがあるよ」

のの。

そんな幼き時から。

「魔除け的な意味でもあるのかの」

『耳に穴を開けるのかっ!?』

人の耳に付いている飾りを見て、どうやって付けているかずっと疑問だったと狼男。

『とても痛そうだな』

恐る恐る頭の耳に手を触れる狼男は。

「ピアスはともかく、銀はお主に似合いそうの」

『そうだろうか……?』

店を覗けば、安価なものから、ほどほどのものまで。

そんなに大きくない村の割りに、品揃えがいい。

耳に首に手首に指にと、銀の装飾品を身に付けた店の若い男が、

「うちは旅人さんたち向けでもあるから品揃えいいよ」

人懐っこく笑みを見せてきた。

ふぬぬ、土産であるか。

旅人の仕入れ分も含まれていそうである。

男も熱心に眺めながら、話を聞いているため。

我はその男の腕から降ろして貰い、銀の装飾品を眺めつつ。

「のの、あれが良さそうの」

革紐の先に凝った装飾の銀がぶら下がるネックレスを選び。

「屈むのの」

狼男を屈ませ、それでもつま先立ちでネックレスを首に掛けてやれば。

『……ど、どうだろう?』

「ふぬ。……あっちも試すのの」

幾つか付けさせて見たけれど。

困ったことに。

「ぬぬん、どれも似合うの」

そして、一番しっくり来たものは値もそれなりに張るけれど。

「やはり、これが良いの」

男に持って貰っている我の小遣いから代金を支払えば。

「フンフンフンフーンッ!!」

狸擬きが、

「フーンッ!」

わたくしめにもプレゼントをして下さいそれが従獣を従える主様の役目で使命に御座います!とその場で4つ足地団駄を踏み始め。

(なんの)

「酒を寄越せプレゼントを寄越せと、まるで歩く強欲の様な従獣であるの」

先輩風を吹かせるのであれば、その心の余裕も少しは見せてほしいものである。

それに、

「お主には蝶ネクタイやら革の小鞄なども選んでやっているであろうの」

「フーンッ!!」

それとこれとは違うのです!と、獣故の収集癖でもあるのか、尻尾まで立てて主張してくる。

ぬぬん。

ならばである。

(「小遣いで買えば良いであろうの」)

と口にしたところで、

「主様から送られたことに意味があるのです!」

と更に騒がしくなるのも目に見えているため。

「仕方ないの」

泣く子と癇癪狸には勝てぬものである。

狼男に選んだものと同系統の柄のネックレスを選んで、紐は長めにしてもらえば。

「フン♪フン♪」

毛の間からチラチラと銀の飾りが覗き。

鏡の前に椅子を運んでもらい、そこに飛び乗り鏡を眺め、大層ご機嫌な従獣。

『これも、いつまでも大事にする』

店を出れば、狼男の足取りも更に軽いものになり。

店を出れば再び我を抱き上げる男に、

「お主も欲しかったかの?」

問うてみれば。

「いや、俺は君に与えたい」

ぬぬん。

「良い心掛けの」

「君は夏服が少ない」

のん。

早速かの。

男の着せ替え人形になる覚悟を決めるも。

「うーん」

村の服屋では、

「うちの村じゃ、お嬢ちゃんに合う服はあまりないね」

難を逃れ。

湖畔の方へ戻り、街までは大した距離ではないと聞くけれど、旅立ちに向け、荷台の整理と整備。

男が狼男に車輪の構造などを教えつつ不具合の確認、我は狸擬きと共に荷台に上がり掃除。

「よいしょの」

湖に立ち寄りつつ、すぐに出るはずの村で。

食堂で迷惑をかけ、建物を直しがてらの模様替えに立ち会い、世話になり。

旅とは。

(何とも読めぬものの)


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