第45話 神球
「ギャアアアア!!! 熱すぎです! 大餓サマ!!!」
喚きの抗議を無視して俺は神だったものに炎の息を吹きかける。
そして金棒で叩く。
ギィィィン!というありえない音を立てる神の球体。
そして地面が溶岩の様に溶け出すと俺は水雷を呼び出す。
溶岩と神の球体の上に水を掛け、雷の膜で覆いその爆発を閉じ込める。
それが終わるとまた俺は炎の息を吹きかけ金棒で叩く。
黒い、元神だった球体は未だに健在だ。
この経緯はこうだ。
黄泉の神を名乗った人型を俺は間髪入れずに首を落とそうとしたが叶わなかった。
首がもげようともその繋がりは消えない。
そして頭を潰しても動き続ける。
手足を砕き、胴体を砕き、ただの球体になっても俺は潰し続けた。
それがこの黒い球体だ。
何よりも厄介なのはこの状態で生きているという事だ。
生きているという事は食えないという事だ。
流石の美味もこれには口を出してこない。
食べられる状態ではないからな。
黄泉の神がここまで頑丈なのは予想外だ。
流石は死者の国の神と言う所か。
俺の叩く金棒の音が変わっていく。
ギィィィン!からキィィィン!に変わりキーーーンに変わる。
その頃には手に平の乗るくらいだ。丁度鬼の核と同じくらい。
俺は金棒の仕掛けを動かすとタコ焼き機のような部分を解放する。
既に力を失った核を捨てると神の球体をそこに入れる。
そして力を絞り出す。
「ギャアアアア!!! 何なのですかコレは!!!」
俺の金棒からとんでもない量の怨念が垂れ流される。
あまりにも濃く、形を持つほどの怨念が水の様に流れ出す。
その水が俺の足にかかると怨念が染み込んでくる。
これはマズイ。
影では駄目だ。飲み込まれる。
「美味! 喚き! 俺の上に乗れ!」
俺の言葉に慌てて飛びつく二人。
美味は平気だが、喚きには怨念がかかってしまっているな。
俺は飛び上がると雷で自分を撃ち出し天井に張り付く。
そして金棒の現身を作り出し、地面に打ち込む。
後はこの力を現身の金棒から放出すればいい。
俺の金棒から流れ出ていた怨念が現身の金棒から流れ出す。
何という事だ。
力を奪われないように怨念を身代わりにするとは。
怨念に当てられて光明が消えかかっている。
もはやこれは呪いか。
俺は雷の力で宙に浮くと出口の穴目掛けて自身を射出する。
これは黄泉が黄泉の神の怨念で満ちるのが先か、
怨念が切れて黄泉の神が先にくたばるか。
今までの神とは別格だ。
とてもではないが食うのは無理だな。




