表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/41

第4話 非常食

「貴様も鬼か」


 何とついているのだ。

 (ご馳走)がそちらからやってくるとは。

 俺は金棒を振りかぶると鬼の頭を吹き飛ばす。

 この方が角が手に入りやすいだろう。


 しかし・・・

 なんだこれは。臭いぞ、この角。

 鬼の匂いしかしない。

 試しに齧ってみるが不味い。


 そういえばガキが何か言っていたな。

 活かさず殺さず飼いならして人間を喰うと。

 なるほど。人を喰った鬼だけがあの美味い角を発現させるのか。

 これからは人を喰って太らせた鬼だけを喰おう。

 

「おとう!」


 声に目をやると倒れた緑鬼に縋るガキ鬼が居る。

 こいつも人を喰ってないな。泳がすか。


「あんた!」


 そしてもうひと鬼。これは妻か。

 こっちは人食いだな。

 俺は金棒で首を飛ばす。

 やはりだ。良い匂いがする。

 人をたんまり食った鬼の角だ。


 一口齧る。

 美味だ。人の美味しさを凝縮し濃厚な熟成を重ねた角。

 これは人間(ごはん)と一緒に味わいたい所だが致し方ない。

 鬼の体がおかずになればいうこと無しなのだがな。


 俺は今しがた手に入れた力で炎を出すと鬼の遺体を焼いていく。

 死んだ鬼は臭くてかなわん。


「なんで焼くの?」


 ん? 逃げんのか?

 人無し鬼など殺す価値もないのだがな。


「臭いからだ」


 俺は答える。


「うん。臭い」


 ほう。わかっているじゃないか。

 しかし人肌鬼か。いつぞやのガキもそうだった。


「ねぇ。美味しい匂いがする所。あーしは知ってるよ」


 ほう。親を殺されてこれか。これは見込みがある。

 それにだ。

 こいつに人を喰わせれば美味なる鬼の角を人間(ごはん)と共に味わえる。

 首を持ち歩くよりも確実だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ