表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/54

第15話 銃声

「ギャアアアア!!!」


 それは喚きの喚き声から始まった。

 もんどり打って倒れる喚き。

 

 ギィィィン!


 俺の方にもそれが飛んでくる。

 だがそれはいつもの金属音で遮られ落ちてくる。鉛球だ。

 これはマズイ。鉄砲だ。

 俺の体はそれを遮り、跳ね返した。


 俺はすかさず風の盾を出す。分かり易く土埃を巻き込んでいく。

 その間も鉛球が俺に当たるが全て遮って地面に落ちる。

 この風の盾はこのギィィィン!を相手に聞かせないためだ。

 折角の獲物が向こうからやってくるこの状態が台無しだ。


 鉛球を跳ね返す鬼など誰が相手にする。


「残念だったな。俺の風の盾があれば鉄砲など効かんぞ」

 俺はうそぶく、決して俺の体が鉛弾無効など言う事はないぞ。

 安心してかかってこい。

 俺の言葉に呼応して二体の鬼侍が現れる。どちらも刀だ。


 ギリィィィ!

 

 鬼武器で切りつけられた俺の体が今まで聞いたことのない音を立てる。

 これは掠っただけだがまるで傷が付く様子がない。

 マズイ。鬼武器まで無効化している。

 これがバレたら人間達が逃げ出すぞ。


 俺は金棒で鬼武器をいなしながら避ける動きを余儀なくされる。

 だが鬼侍の一人は気付いている。

 鉛弾が風の盾ではなく俺の体で遮られていることに。

 近くにいるためギィィィン!の音がまる聞こえだ。


 致し方ない。

 俺は気付いた方の頭を叩き割ると鬼武器に歯を立てる。

 これが一番早い。

 鬼侍の体は今の俺と同等の硬さだからな。


 鬼侍は後一人。一人なら楽だ。

 風の盾越しに戦いギィィィン!の音を聞かせない。

 その間も俺は自身の体に穴を開け流血を表現している。

 大丈夫だ。お前たちの攻撃は効いているぞ。


「全員前に詰めろ! 近づいて撃て! 相手は手負いだ!」

 

 なんという神采配。俺は左手を前に出して後ずさる。

 旨味を出し終えた鬼武器をポリポリと噛み砕きながらほくそ笑む。

 俺の左手が遂に血を吹き出し下がる。

 もうお前たちの勝ちは確定だぞ。


「ギャアアアア!!! 大餓サマァァァ!!!」


 嘆きの鬼包丁喚きの声が後押しする。こいつは天才か。

 下がる俺に詰める人間。

 俺は前に踊り出ると大量の水を風の渦で回転させ巻き上げる。

 名付けて「多水風渦回転(たすいふうかかいてん)!]


「大餓。トドメは任せて」

 俺の影から美味が出てくる。影潜りの逆活用だ。


 あとは鬼侍のみ。返す金棒で刀ごと本体を叩き潰す。

 今ので鬼武器にヒビが入ったな。これは粗悪品か。

「大餓サマ! それを私に下さいませんか! 角と交換です!」

 構わんぞ、と告げると旨味の流れ出した鬼武器に歯を立てる。


「ギャアアアア!!!」

 

 いつもの喚き声に目をやると今回はその旨味に絶叫だ。

 流石に鬼武器二本は食い過ぎかと喚きに渡したが、そこまでの旨味なら惜しい事をしたか。


 


Tips

鬼武器

鬼の角を加工したであろう武器。詳細不明。


鬼侍

鬼武器を持つ侍。鬼武器と同化して体の強化が行える。もう人間ではない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ