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第13話 鬼包丁

「気付いたか。鬼殺しの称号は俺のモノだった!」


 声ではないな。太刀の刀身が振えて音を発している。

 ほぼ腕だけで浮いている状態だ。鬼の角の力か。

 だが、人間でないのなら綺麗にする必要はないな。


 ジュウゥゥドゴーーーーンンン!!!


 俺は水牢で侍の体を包むと電撃を流し炎をその中心に発生させる。

 名付けて「水牢電炎爆(すいろうでんえんばく)!」

 侍の体は砕け散った。後はのたうつ右手のみ。


 ギィィィン! ギィィィン! ギィィィン!


 およそ人体の立てる音ではない音を奏でながら俺の金棒が侍の右腕を砕いていく。

 これは一体何で出来ている?

 俺の体も刀に切られて肉を切る音は立てていなかった。

 鬼の体は極めれば金属を超えるのか。


 侍の右手を破壊しその太刀、鬼切断の刃に歯を立てる。

 硬い。そして抵抗しているな。

 だがその抵抗を押し通り刀身に歯が届くと旨味成分が垂れてくる。

 音を立てて刃こぼれが始まると濃厚な鬼の角の香りがする。


 これは間違いなく旨い。

 その刀身がへし折れると口に広がる力の本流。

 美味すぎる。もはや噛み砕く間もなく喉に流れる力の本流。

 これが鬼の武器。鬼の角を使った最高の素材。

 俺の次の目的が決まったな。


「ギャアアアア!!!」


 だが残った刀は硬いだけの普通の角だった。

 噛み砕く手間に対して旨味がない。

 もういらぬと喚きに根元を渡すとこの喚きだ。

 嚙み切るどころか歯が折れたらしい。


 偵察から戻った美味でもこれは噛み切れぬようだ。

 俺はガシガシとその剣先を噛み砕く。

 先の旨味の片鱗もない。

 いっその事抜け殻は武器に使うべきか。


「大餓サマ! 見てください! この刀!」


 どうやら歯は再生したようだ。それにしても立ち直りが早い。

 そして見てみると喚きの持つ刀の根元で人間を切っている。

 スッと音もなく輪切りになる。まるで骨がないかのようだ。

 

「大餓サマ! これを私に下さい! これで調理が進みます!」


 いらぬものだ。返す必要もない。

 それを聞くと先の反撃とばかりに刀の鍔に歯を立てる。

 そこに生まれたのは太刀改め鬼の包丁か。


「嘆きの鬼切断(オニタチ)包丁喚き! ここに誕生です!」


 包丁を構えてトトトトと人間を捌いていく喚き。

 人間の腕が大根の輪切りのように切れていく。

 しかも包丁が血を吸っているのか断面は奇麗だ。

 嘆きの弱い歯の代わりにこの刃というわけか。


「めしあがれ!」


 ふりかけ付きの輪切り人間が差し出されるが、柔らかすぎる。

 ふりかけどころかお茶漬けかこれは。

 こんな食い方では歯が育たないわけだ。

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