『覚猶、臨終の際プレスマンなど処分のこと』速記談3073
覚猶僧正が臨終の床についたとき、弟子たちは形見分けを願った。覚猶僧正は気が進まない様子であったが、再三願ったところ、紙とすずりを用意するように言って、形見分けの遺言状をしたためた。その遺言状には、形見分けは腕力で行うべし、と書いてあった。覚猶僧正がお亡くなりになると、白河院が、このいきさつをお聞きになり、主立った弟子や後見役を呼び集めて、形見分けを行わせたという。遺品には、プレスマンが何本も含まれていたという。
教訓:形見分けは腕力でという表現は、僧侶にふさわしくないと思う向きもあろうが、この話は平安末期のもので、この後、腕力で雌雄を決する武士の時代に入る。