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アルテミスの夜空の下で  作者: 焼きだるま
7/11

幕間1

 それは、拓也と涼宮も知らない。もう一つの物語――


――――幕間1――――


 私の名前は花橋桜、中学二年生だ。


 私のお兄ちゃんは、友達が居ない。いつも、部屋で本を読んでるか、私とゲームをして遊んでいる。

 高校生に上がってもそれは変わらず、遂に三年生となっていた。しかし、私も人のことは言えなかった。


 今日も私は、お兄ちゃんの友達弄りを適当にしつつ、暇なのでゲームで遊べと言った。


 リビングのテレビに、ゲーム機を繋げてコントローラーを持ってくる。私は、兄と同じく友達が居ない。でも、家族にそのことは言っていない。


 心配はさせたくないから、友達が居ないと思われたくないから、なんて可愛い理由で私は黙っている。そして今日もやることがなく、兄を捕まえていた。


 勿論、毎日兄と遊んでいるわけではない。たまには友達と遊んでくる、と嘘をついて家を出る。でも、行くあてなんかない。幸い、母は私が誰と遊ぶか、なんて聞かない人間だったので、適当に家から離れたところで時間を潰していた。


 公園、ゲームセンター、雑貨屋、レコードショップ。色々回るけど、金はそこまで使えない。私は、真の暇人であった。坂の上にある広場から見る夕焼けが、唯一の楽しみだった。


 住宅街の向こうに、茜色の海が見える。沈み切るまで見ていたいけれど、遅くなると母に怒られる。仕方なく、少しだけ眺めると私は帰ることにした。


 家に着く頃には、日は沈み切る直前で、いつもこのタイミングで私は帰ってくる。それが日常なので、誰も、何も言わない。今日も私は、一日を何もせずに終えるのだった。



 最近、兄がおかしい。一番初めにあった異変は、4月だった――

 帰宅してすぐ、兄は用意をして外へと出ようとしている。あのお兄ちゃんが、自ら外出をしようとしているのだ。


「お兄ちゃん…十回くらい頭でも打った…?」

「失礼な、お兄ちゃんは昨日、自室の壁に三十回は頭を打ちつけたぞ」


 その日以来、滅多に外出しない兄が、最近はよく外出をするようになった。遂に薬でもやったのだろうか。その謎を解明するため、調査隊は適当な理由をつけて、兄の謎を探ることにした。


 リビングで寝転び、兄の帰宅を待つ。


 10分経過〜


 20分経過〜


 30分経過〜


 1時間経過。


 本当に暇になってきた。

 兄の帰る時間がわからない。このチャレンジは無謀だったか。あと5分で帰ってこなければ諦めよう、そう思っていた時だった。

 玄関のドアが開く音がした。兄が帰ってきたのだ。


 寝転んだままの姿勢で、私は兄へ向けて言う。


「お兄ちゃん、私となんかで遊べ」


 兄は、少し疲れている様子だ。運動不足が祟っているのだろう。


「中学生なんだから何かしら自分で遊べばいいだろう」

「暇なんだよ」

「友達は?」

「友達は?」


 質問を質問で返すのは、私がよくやる手段だ。こうしたからかうのが楽しい。そして、自分の話を回避できる。


「質問を質問で返すな。居るわ、ちゃんと」

「えっついに薬やった?」

「やってねえよ、何で遊ぶんだよ」


 しかし、兄は面倒くさくなったようで、普通にゲームを遊ぶことになってしまった。結局、本来の目的を忘れ、私は暇の悪魔に負けてゲームに熱中した。


 友達の居ない私にとって、兄とゲームをする時間はとても楽しい。友達と遊ぶ時もこんな感じだろうか、でも、私には友達の作り方がよく分からない。


 昔、お婆ちゃんにだけ相談したことがあるけれど、私には難しそうなことだった。


 昔から、私は空気を読むのが苦手だった。お陰で、私は自然と友達ができなかった。それ以降、私は自分から友達を作ることに疲れてしまった。


 それでも――いつかは家族にもバレる。目を逸らしてもいられなくなる。少しだけ、焦りはあった。


 格ゲーで遊びながら、そんなことを考えていると、兄が突如――謎の質問をしてきたのだった。それはまるで、答えを求めているようだった。


「美しい世界は、どこで見れると思う?」


 何か、兄なりに考えていたのかもしれない。しかし、私が知っている限りの美しい世界は、坂の上にある夕暮れの広場。茜色のあの海くらいしか、私が答えれるものはない。でも、それを知られて広場に来られては、私の数少ない嘘出の楽しみが消えてしまう。友達と遊んでいないのがバレてしまう。


「外でしょ」


 私は、その場凌ぎで適当に答えた。うん、間違ってはいない。


「そうだね」


 兄はそう言った。聞く相手を間違えた、と言ったような顔をしていたような気もする。



 今日も私は、嘘出をしていた。しかし、いつも同じ場所は飽きが来てしまう。たまには別のところにも行ってみよう。しかし、町の中は割と歩き尽くしている。そうだ――海へ行こう。


 そう決めると、私は海の方へと歩き出す。いつもは、広場から遠くにある海を見ていたけれど、今日は近くから見よう。


 海沿いを、私は歩いていた。潮風が私に流れてくる。冬の寒さは、いつの間にか去っていた。海沿いを歩いていると、郵便局が見えた。


 坂の横にある郵便局、その目の前には海がある。少しだけロマンチックに見えるような。私はそのまま、郵便局を通り過ぎ、更に向こう側へと歩いていく。


 海に来たこと自体はあるが、ここまで来たことはなかった。海沿いを歩いていると、公園が目の前に現れた。


 公園に入ると、私と同じくらいの年頃の子が、ブランコに揺られ座っていた。少し、寂しそうだ。なんとなく、私は話しかけてみた。本当になんとなくだった。


「こんにちは」


 すると、相手も挨拶を返してくれた。


「こんにちは」

「何してるの?」

「何にもしてない。ただブランコに揺られてるだけ」


 ブランコが揺れると、軋むような音が聞こえた。それは、案外不快な音でもない。


「あなたは誰?」


 その子に聞かれ、私は自己紹介をした。


「へぇ!桜ちゃんか!良い名前だね!――私は綾奈紫秋!よろしく」


 さっきまであった、少しだけ寂しそうな雰囲気は、いつの間にか消えていた。少しの間、隣の席に座り、私たちは会話を楽しんだ。そして分かったことがあった。


 秋ちゃんは、私と同じで、家族に黙って嘘出をしていること、友達が居ないこと、兄ではないけど姉が居ること。境遇が似ていることに、私たちは驚きながらも、とても会話は弾んだ。


 家族以外でここまで人と話したのは、一体――いつぶりだろうか。私たちはすぐに意気投合した。



 気が付けば、公園から見える海は、茜色に染まっていた。楽しい時間はいつも、あっという間に過ぎてしまう。私たちは連絡先を交換すると、家に帰ることにした。


 初めての友達という訳ではない。幼稚園の頃には居た――はずだ――


 しかし、久しぶりの友達ができたことは、とても嬉しいことだった。その日の気分が凄く良かったのを覚えている。


 あの日以来、私たちは二人でよく遊びに行くようになった。いつもの嘘出は、いつの間にか嘘じゃなくなっていた。


 二人で、町の色々なところを回った。一人ではつまらなかったのに、二人で行けばそれは楽しかった。不思議なものだ、会話をする相手が居るだけで、世界はこんなにも美しくなる。


 なるほど、美しい世界とは、ここにもあったのだ。その日は、服を買ったりもした。オシャレはある程度しかしないが、友達と居ると、オシャレをするのも少し楽しい。


 そしてまた――楽しい時間はあっという間に過ぎる。家へと帰った。何やら、兄は既に帰っていたらしく、部屋に篭っていた。私は特に気にせず、自分の部屋へと行き、クローゼットに買ってきた服を入れた。


 翌日、秋ちゃんは用事があるそうで、私は家で暇をしていた。どうやら、兄も何か用事があるようだ。なんともつまらないものだ。友達は多く居た方が良いそうだ。友達100人できるかな、という歌があった気がする。でも、多いと誰かとは疎遠になるし、全員と均等に関わるのは難しい。友達は必要量で良いと思う。


 それでも、一人だけしか居ないというのは、どうやら退屈な日ができてしまうらしい。仕方がないので一人でゲームをした。


 小学生の頃、クラスに馴染めなかった私だったが、兄の時とは違い、虐めが起きるようなクラスではなかった。ただ単に空気の読めない子、それだけであった。お陰で特に悪い噂もなく、私は中学生になった。


 中一に上がっても、仲の良い友達はできなかった。私が話せるのは家族だけだ。家族は、互いのことをよく知っている。だから、会話も詰まらずに話し合える。でも、友達で互いを完全に理解し合うのは難しい。疲れていた私も、わざわざ話そうともしなかった。だから、私はいつまでも兄としか話せなかった。そして、兄も私としか話せなかった。


 だから、あの時は驚いたんだ。家に帰るや否や、兄は母に向かって鱒釣りがしたいと言い出した。

 私は、その会話を階段のところで隠れるように聞いていた。隠れていたつもりはないが、何故かそんな感じになっていた。


「母さん」

 兄は、キッチンで夕食を作る母に話しかけた。

「友達と…四人で鱒釣りに行きたいんだ」

「お婆ちゃんもかい?」

「いや、だから友達と」


「友達……?」


「あんた…遂に薬を…」

 口に手をやり、驚いたようにする母。私も、口に手をやり驚いていた。やはり、薬をやってしまったのか――しかし、兄はしっかりと照明をした。

 スマホには確かに、連絡先があったらしい。私からは見えないが、母の喜びからそれが察せた。


 これは――チャンスだと思った。

 私には、秋ちゃん以外に遊べる友達が居ない。ならば、お兄ちゃんの友達とやらに、私も友達として混ぜてもらおう。我ながら完璧な計画だ。


 すると、私はタイミングを見て、兄と母に、私もついていくと言った。


 無事に成功し、私は久しぶりの鱒釣りに行くことになった。本当は、秋ちゃんも連れて行こうか悩んだ。だけど、秋ちゃんはその日用事があるらしく、来れないことが判明してしまった。


 元は秋ちゃん以外の友達を作るためだ。秋ちゃんが居なくても友達を作れることを、私は証明してみせる。そして、仲良くなっていつか、秋ちゃんにも紹介するんだ。


 鱒釣り当日――車の中は、兄の友達でいっぱいになっていた。夢ではないことを確かめると、私は、上手く会話に入り込もうとした。

 すると、柳沢さんが私を上手く会話に入れてくれた。気が付けばみんなで楽しく会話をしていた。兄だけが置いてけぼりを喰らっていたのが、なんとも笑えてしまう。


 鱒釣り場に着くと、私は慣れたようにいつもの場所へ向かう。鱒釣りにはよく来ており、私も久しぶりとは言えど、どうすれば良いかは分かっていた。


 佐崎とかいうやつも、鱒釣りには一度来たことがあったらしい。佐崎の父親は、割となんでもやるような人だそうだ。


 私は、みんなで鱒釣りを楽しんでいた。涼宮だけは、一人ウロウロしながら何やらメモを取っていた。人を観察したり、自然を見たりしてはメモを取っている。そういう趣味なのだろうか。



 昼食後、鱒釣りの続きをしていると、兄が突然、私に竿を渡してきた。この時、二刀流の桜が生まれたのは言うまでもない。そして、二刀流の竿は見事、同じタイミングで二匹の鱒を釣り上げた。


 佐崎と柳沢さんはそれを見て、うおー!と言いながら拍手をしていた。見たか、これが二刀流桜の実力だ。ひれ伏すが良い。


 なんてことを考えていると、兄と涼宮が、向こう岸で何かを話しているのが見えた。鱒を網に入れ、餌を付け直す。釣竿を投げた時には、会話は終わっていたようで、兄はなんだか満足そうな顔をしていた。


 何か良いことがあったのだろう。友達と言っていたのは、本当だったのだろう。仲が良いようでなによりだ。



 帰り道、私たちはグループチャットを繋げて、家へと帰った。兄は疲れて眠ってしまったので、私が母の手伝いをした。


 料理が出来上がったので、私はソファで眠っている兄を起こす。


「お兄ちゃん!」


 しかし、これが中々起きない。仕方がない。ここは最終手段だ、許せ、兄の臓器達よ。


「起きろー!」

「うぐっ!」


 腹の上に、私はダイブした。兄はすぐに起きた。


「やっと起きた」

「やっと起きたじゃねぇ、もっと他に良い起こし方は無かったのか?」

「股間を潰すとか?」

「雄としての生命が絶たれるので、やめて下さい」

「じゃあよかったね」

「何も良くなんてな…良い匂いだ」


 魚の美味しそうな匂いが、兄の鼻にも届いたらしい。


「だから起こしたのさ、飯だぞ!」


 仕方なく、体を起こす兄を尻目に、私はおばあちゃんを呼びに行った。


 鱒フライは、頬っぺたが落ちそうなくらいに美味しかった。すぐにグループチャットに送った。みんなも、色々な食べ方をしたみたいだ。


 翌日も、兄は外へ出て行った。流石に疲れがあったので、私はその日ゆっくりとしていた。



 秋ちゃんとは、定期的に会っては遊んでいた。秋ちゃんも、ゲームはするらしく、一緒にゲームをしたこともあった。


 夏休みに入り、私は秋ちゃんから、とあることを聞かされた。それは――最近お姉ちゃんが変なのだそうだ。安心したまえ秋ちゃん。家のお兄ちゃんも、中々に変だ。


 しかし、この状況もとても似ている。やはり、私たちは似たもの同士なようだ。


 私は、あの時のことを話した。すると、恋をしているのではないか?という、面白い話にも発展した。


 二人で想像しながら、確定もしていないことを話し笑い合った。翌日――兄が、あいつらとゲームをして遊ぶことを聞くと、私もついていくことにした。


 場所は柳沢さんの家だった。そして、私は驚いた。その場所は、郵便局横の坂の上だったからだ。ここへは、いつも秋ちゃんに会いに行く時に通りかかる。世間は意外と狭いのかもしれない。


 柳沢邸には、既に二人は到着しており。家に入ると、何のゲームをするか決めることとなった。柳沢さんはゲームをよくするらしく、大量のカセットやゲーム機が置いてあった。一つくらい貰ってもバレないほどだ。


 さて、ある程度遊んでいると、飲み物やお菓子が欲しくなる。生憎と、柳沢さん家の物が切れていたらしく、ゲームで負けたものが買いに行くことになった。


 やったのは、格闘ゲーム。勝ち数の少ない者が、負けというルールだ。このゲームは兄ともよくやっていた。私の無双は目に見えていた――はずだった。


 しかし、この佐崎という者、これが割とやり込んでいた。扱いの難しいキャラを、当たり前のように使いこなしている。ランク帯はトップでもおかしくはないだろう。私でもそこまでは行ったことはない。


 柳沢さんも割とやり込んでいた。佐崎ほどではないが、私と接戦を繰り広げた。


 涼宮はエンジョイなようで、兄とは割と互角であった。それでも戦い方を理解しており、兄の癖を見抜いての勝利を収めた。


 無事、兄がその係となり、私は濃いめのカルピスを要求した。菓子は兄なので、適当に私好みのものを買ってきてくれるだろう。


 さて、兄に買いに行かせている間も、私たちはゲームを続けた。みんな、互いに遠慮のない話をするので、私も話しやすかった。空気を読んだ話は苦手な分、遠慮のない会話は私好みだ。


 そんなこんなで、気が付けば兄が戻ってきた。

 柳沢さんが出迎え、テーブルに置かれた袋の中を私は見る。


「お兄ちゃん、カルピスが薄めのになっているぞ」

「濃いめの売ってなかった」

「仕方ないなぁ」


 私は寛大なので、兄を許すことにした。佐崎と涼宮はコーラ、彼女はオレンジジュース。その日は、一日中ゲームをして過ごしていた。


 翌日、私は風呂から上がると、兄に空いたことを伝えようとした。一階から何度も呼びかけるが、反応はない。こういう時は、兄が何かに気を取られているか、寝ている時だ。仕方がないので、バスローブだけ巻いて部屋に行ってやる。


 ドアを開けると、兄は何やらチャットに夢中だったようだ。相手は柳沢さんだろうか。


「風呂空いたよって言ってるじゃん」

「おっおう」


 何か、チャットを相手に一つ送ると、兄は礼を言って風呂に向かった。私も着替える為に風呂場へと戻る。


 フルチンの兄を風呂へ見送りながら、私は着替えると歯を磨き、自身の部屋へと戻る。すると、秋ちゃんからチャットが来ていた。


「お姉ちゃん、好きな人が居るらしい」


 なるほど、それは変にもなる。


「良いじゃん。相手は誰」

「わかんない」


 どうやら、相手が誰かは話してくれないらしい。


「探るしかない」


 そう書くと、秋ちゃんは「だな」という言葉のついたスタンプを送ってきた。


 ある日、兄が彼女の夏休み勉強会へと呼ばれた。私もまだ手をつけていなかったので、この機会に私も付いていって参加することにした。


 柳沢邸へと辿り着き、勉強会が始まる。順調に進んでいたが、急に兄が変なことを柳沢さんに聞き出した。


「僕は友達?」


 ふむ、どうやら秋ちゃんの姉同様、家の兄も中々の重症だ。


「何々、もしかして…私に恋しちゃってる?」

「お兄ちゃん、そゆのは二人きりの時に聞きなよ」


 私もツッコんでやると、兄に黙れと言われてしまった。私は笑いを堪えれないまま、仕方なく便器に集中することにした。


 しかし、気が付くと場は、少し気まずくなっていた。兄が、耐え切れなくなり菓子や飲み物を買ってくると言うと、一度家を出た。私と柳沢さんは苦笑いしながら、勉強会の続きをすることにした。


 兄が戻ってくる前、秋ちゃんからチャットが来た。どうやら、それっぽい男の人とキスをしていたそうだ。姉をストーカーするとは、中々にやる妹だ。結局、相手が誰かはわからなかったそうだが、その男はどこかへ行ってしまったという。


「フラれたな」


 可哀想なことだ。


 そんなやりとりをしていると、兄がなんとも言えない表情で戻ってきた。その後も、あまり集中はできていないようだった。こちらの重症さもなんとかならんものか。


 家に帰っても、何やら誰かと相談でもしているらしい。もう素直になれよ、兄よ。



 翌日、兄からまた出かけることを聞かされた。今回は私を誘っているようだ。どうやら、私が付いてくることが当たり前になっているようだが、しかしながらその日私は、家族が留守なので丁度いいと、秋ちゃんの家で遊ぶ約束があった。


 せっかく兄が誘ってくれたが、今回ばかりは残念ながら私は行かない。せいぜい頑張るんだな、兄よ。



 この時、私が行けば変わっていただろうか。それは、分からない。いや、きっと変わっていないだろう。きっと――

 あとがき

 どうも、焼きだるまです。

 幕間がクッソ長くなって草生えてます。ご安心下さい。幕間1ということで、まだ続きます。では、また次回お会いしましょう。

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