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オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第2章 吐露した万象
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心の中 ~《垣根》の内側~

武野泰地の前世の容姿イメージは「美人でかっこいい長身女子」にしています。

性別「男」だけど。

水の中に沈んでいる様な不可思議な感覚の中、俺は身体を奪った偽物とテラーの戦闘を『疑似五感』で観ていた。


偽物はなんだかよく分からない力を使って創った()を超える武具を光速で渦巻かせ、テラーから距離を取って攻撃している。

対するテラーはそんな武具の竜巻に呑み込まれながらも衝突する武具を全身に纏う龍鱗で弾き、何らかの『スキル』で宇宙空間を飛びながら偽物との距離を縮めている。


これだけを観れば拮抗しているようにも見える。


だが、テラーは戦闘開始から現在まで弾いた武具の破片が当てる以外に偽物に対して攻撃らしい攻撃をしていない。

これは決してテラーが近づくことすらできずにやられているというわけではない。


光速(・・)で移動する武具を弾く力に耐え……その嵐の中を自由に動く身体。

カルバンジーにすら力負けするこの身体でそんな力の持ち主の(こぶし)を受けきれる訳がない。


多少の傷や身体の一部欠損程度なら『再生』で全快する事ができる、だが『再生』を持っている上でテラー妻は魂の欠片を残して死んでいた。

それは断片的な『再生』では身体を治せても十全な中身(タマシイ)が無ければ死ぬときは死ぬという証明だ。


そして、テラーの中を数万キロの移動していた時に休憩ついでにオロチの蛇を借りて実験したことだが、(中身)身体()が無くなれば分解され最終的に空気中に散り散りになってしまう。


テラー妻の断片が残っていたのはテラーの身体の中で何かしらのスキルか何かで守られていたからだろう、だが今は守られていない。


テラーが偽物に攻撃する為にはテラーの周りを常に光速で動き続ける武具の嵐を抜けなくてはいけない、そして抜け出したとしても周りを新たな武具の嵐で囲まれる。

その為には嵐を抜け出した一瞬で偽物に攻撃をしなければいけない。


光速(・・)で動く物体を押しのけて移動するのだ、抜ける為にもそれ相応の勢いが必要だ。


万が一そんな勢いでこの身体に衝突した場合、身体は一片たりとも残らないだろう。


俺の(意識)を残せていたとしても身体を『再生』させるために必要な「細胞」が残らなければ『再生』できない。


「さて……俺はどうしようかな」


主導権を取り戻そうと力んでみるが俺の魂(テラー妻の身体)纏わり付いた(被せられた)この拘束具(鬼面)のせいで何もできない。

スキルも偽物に何個か持っていかれた。

今の俺にはテラー妻の魂を治療する事ぐらいしかできない。



少なくとも俺はそう考えている。


『他にもできる事が在るだろう』


何処からともなく冷静な男声が聞こえ、その方向を見るように意識(カラダ)を動かす。

そこには「威」と言う言葉が似合う女体……前生の俺の身体と造形が同じであろう『何か』が居た。


「だr―――」

『俺が『誰』なのか、それは『俺』が外からの侵入を拒むこの空間に居る時点で理解(わか)っているだろう?』


冷静な男声は、まるで俺自身ですら知らない『俺』の事も知っているかのように断言する。

そして俺も理解した。

コイツも『俺』なのだと。

そして俺にはまだ(・・)コイツの意見を聞く責務(・・)が在る。


「……じゃあ聞くが、俺に何ができる?」

『仲間を呼べばいいだろう』

「『念話』は無理だぞ、あれには射程距離が在るからな。それに今の俺は縛られている、持っていかれなかったスキルだろうとほとんどは使えないぞ?」


身体は主導権を奪われ、スキルはまともに使えない、魂は縛られた。

もしテラー妻の魂を完治させたとしても、おそらく偽物から主導権を取り返すことはできない。


俺にできる事なんて何も……


『……なぁ《オリジナル》、オマエまさかだとは思うが『このまま主人格から降りよう』なんて考えてないだろうな?』


…………。


『できない、できないと駄々をこねて、やれることが無いと決めつけて抵抗しない。オマエはもう理解……いや、思い出したのだろう? 自分に『打開できる力』が在ることを』


…………。


『だがソレをしないのh「もういい、黙って『◼️◼️』」


俺は目の前に居る存在の言葉を遮った。

スランプ+プロットの再編+リアル忙しい+体調不良+新しいゲーム楽しい+新しい設定の採否+データの消滅、といった理由で投稿ができませんでした。

申し訳ないのですが、もうしばらく投稿が不定期になるかもです。

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