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オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第2章 吐露した万象
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廃創竜郷 ~地図と服~

「ここの道は途切れてる……」


私は荒地と離れてから職員室と書かれた部屋で地図を見つけ、その地図がどれほど正確な物なのかを調査をしていた。


ただ、結果から言ってしまうとこの施設はかなり酷い崩壊の仕方をしたのか地図の内容からかなり変化している。


ほとんどの場所は崩落による階層の変化だけなのだが、

どういうわけか地図には地下の左下に描かれていた実験室が地図で二階右上部分の位置に在る職員用休憩室に物理的に『突き刺さって』いたり、

地図的には左下の別棟にあるかつて私が仲間と過ごしていた被検体用生活寮の中心部分がゴッソリと抉れ、

そこにあったはずの部分が何処にも無くなっていたりで、

調べた範囲だけでも地図として4割は意味を無くしている。


私の目の前に在る壁も本来なら廊下が続いている場所であり、地図の通りならこの先に出入口があるはずなのだ。


「はぁ……これで良いのかな」


私の口から不安が零れた。

勿論探索をすることは脱出する為にも必要だと分かってる。

けれどあのテラーが何の考えもなしにこんな事をするとは思えない。

それに、わざわざ私をこの施設の在る空間に送った意図も分からない。


「はぁ、分からないことだらけ……休もう」


寝そべった時の冷たい床って気持ち良いなぁ。


「ていうか、そろそろこんなボロ布じゃなくてちゃんとした服が着たい……でもそんな贅沢を言ってられる状況じゃないしなぁ」


手元の地図を開き地図にある目次の様な数字と共にズラッと書かれている施設の名前に目を通す、その中にある〖4⃣:職員用住居〗という名前に視線が止まる、

その施設の番号を地図内の数字に照らし合わせて探すとその施設は二階右下から繋がっている別棟だと分かる


右下の空間は他の部分と比べて異常な崩壊が無かった、それならこの職員用住居も無事なはず。

もし繋がってた部分が残っていたなら……


そこまで思考が巡ったオロチは起き上がり、頭の中で現在地から職員用住居までのルートを導き出す


「……みんな死んでるなら(あさ)っても良いよね」


良いよね、少しぐらい自分の欲望に従ったって。


そんなことを考えるオロチの顔は楽しみを抱える無邪気な少女であった







「……期待外れ」


順調に職員用住居へとやって来た私は女性部屋の中で落胆していた、何故なら女性物の着れる物は見つかったのだが無事だった物は白衣しかなく、なんなら下着も無いのでとてもではないが単体で着ようとは思えない。


「そもそも経年劣化で普通の服がダメになってることぐらい予想できたじゃん! 私のバカぁ」


白衣を束ねた塊の中に顔を突っ込んで(もだ)える、その余波で周りの形が残っていた椅子や机が崩れるが少女は気にしない


「でもまあ白衣だけとはいえ衣類を見つけることはできたし後で改造すればいっか」


そうして気を取り直したオロチは服装については代用案を思い付き、自分のせいで起きた惨状に申し訳なくなって飛び散った破片を片付ける


「というか荒地はどこら辺に行ったんだろう、〖資料保管庫〗には居なかったし……」


地図に載っている部屋で見に行ってないのは〖資骸置き場〗。

だけどあそこは理論だけの資料だったり、色々あって中止された計画の資料しか無いから長居をする理由は無いはずだけど。


「……心配だし視に行こうかな?」





…………まさか私を置いて先に脱出してないよね?

オロチが見つけた地図はテーマパークのパンフレットみたいな説明の仕方をしている。


オロチたちの初期地点は地図的に言うと左上。

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