廃創竜郷 ~避難~
何故投稿がこんなに遅れたのかって?
それは私が書いた文に納得できず二週間かけて書いた2,000文字を消して新たに文を書いてたからさ!
荒地は焦っていた
世界の天井を突き破り外の世界に戻って来れたのだが周囲に泰地はおらず百足阿羅地と白衣を着た黒髪女性が出した魔法陣があるだけ。
その白衣を着た黒髪の女性が出した魔法陣は反応せず、狩りゲーの世界に戻る手段が無くなりオリジナルである泰地を助けに行けない。
その上『念話』も繋がらず、オリジナルの気配を感じ取れないので状況が分からない。
不安要素だけが積み重なって来る。
だが、ただじっとしている訳にもいかない。
オレは百足阿羅地を背負い、魔法陣が描かれている地面を持ち上げてテラー達がいる方向へ走る。
『どっちかが知っていれば良いんだ……』
◇
『おい何があった! 泰地はどうした!』
オレがテラー達の下に着くとテラーが近づきながらオレに質問を投げかけて来たのでさっきの状況を細かく説明する。
「そんな……じゃあ泰地はこの絵の中に閉じ込められたって事!」
『娘っ子よそれは違う、この絵は恐らくただの出入り口だ』
「じゃあもう一度入れば―――」
『試したけど反応無しだったよ、一応『鑑定』や『寄生』でこの魔法陣がどんな物なのかを調べてみたけど『鑑定』には情報は無いし『寄生』してもただ削って描かれているだけみたいでその魔法陣そのものが何かである訳じゃ無いみたい』
『待った、これはただ削られているだけなのか!?』
テラーの言葉にオレは首を縦に振って肯定する。
『ならばお前たちが別世界に行った直接的な原因はこの絵ではない』
『どういうことだ?』
『我が知っている**の中に新たなモノを創り出す力を持っている*がいる、恐らくお前たちが出会ったという女性がそいつの関係者なのだろう、でなければただの絵でしかないコレに世界の出入口という力があった事に説明が付けられん』
確かにそんな力を持っている存在が居るなら辻褄が合うが……
「それじゃあもう泰地を助けることはできないの!」
『……そいつがこの絵の出入り口としての力を消していた場合……そうなる』
テラーの返事を聞いたオロチは瞳を震わせはじめ、その瞳に涙が溜まり始める。
「そんな……まだ、負けっぱなしで……騙すリベンジすらしてないのに……」
『…………』
『…………』
オロチが泰地とどういう関係なのか、俺は細かくは知らない、
オレとテラーは泣き崩れたオロチにどうフォローを入れればいいのか分からず黙ってしまった。
《規定の状態へと昇華しました、これによりスキル項目に【強欲】を追加します》
『えっ……』
そんなシリアスな思考の中、突然スキルの入手を告げるアナウンスが頭の中に響いたことに驚き『念話』を漏らしてしまった。
だがこれは吉報だ
今俺は何もしていないのにスキルを手に入れた、それはスキルを共有しているオリジナルが生きているという事だ。
すぐさま二人に伝えようとするがそれを理性が急ブレーキを入れて止める
この情報を手に入れたところで俺達にできることが変わった訳じゃない、アイツが自力で脱出するのを願う事しかできない。
オレには何も…………
『―――!!! 娘っ子! 荒地! 今すぐ我の口の中に逃げろ!!』
突然テラーが叫び声を上げて俺たちを巨龍の口へと突き飛ばす。
テラーの突然起こした行動に理解が追い付かずテラーの顔へ視線を向けると、
テラーはなにか覚悟を決めるような表情をしていた。
『なにを―――』
オレは突き飛ばされながらテラーへ疑問を飛ばそうとした瞬間、テラーの人型は崩れオレとオロチはテラーの口の中に呑み込まれた。
◇
『ここは何処だ?』
吞み込まれた中の様子は洞窟ではなかったみたいだ、どこかの研究施設の中かな?
見える限りボロボロで色んな所が崩れてとてもじゃないが人の気配は無い。
ていうかテラーの体内は洞窟だけじゃなかったのか。
っと! 今はそんな事より状況確認だな。テラーのあの行動の理由は分からないが俺たちに『逃げろ』って言っていたから敵襲か何かだったのか?
「ここは……」
『!? 知っているのか?』
俺の質問にオロチは首を縦に振る
「ここ、私が創られた施設だよ」
ちなみに本来なら今回の話は武野泰地の過去について書こうと思っていた。




