表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第2章 吐露した万象
36/65

狩盤地 ~戦場の謎~

「どんぶらこ、どんぶらこ、河から流れてきた泰地くん」


さて……この河長いな、かれこれ30分ぐらい流れ続けてるけど一向に変化が無い、

というかこの景色さっきも見た気がするな。

あの崖の上にあるムキムキな巨大樹、同じポージングの形をしてるのがいくつもあるとは思えない。

もしかしてこの河ってループしてる?

あり得る、ゲームの世界を現実にしたんだ法則が歪になっててもおかしくない。

だが、どうやって……まさか!


『荒地!』

『? どうした、こっちはもうすぐ巨大トラップが出来上がるとこだぜ』

『作業を中止して俺の言う事を聞け』

『?なんかよく分らんけど、(りょっ)





本体からの『念話』が切れた、

もうちょこっとで完成だったってのにいきなり移動を命令されるとは、検証する理由も『納得したいから』って……

まっ面白そうだったから良いけど。


噛着(ごうちゃく)クワガタで作った自作バイトフックのおかげで5分とかからずに目的地に着いた。


『おい! 言われた通り変な巨大樹のそばまで来たぜ』

『OKそっから河が見えるよな』

『あぁ……見えるぞ』

『そっから河の流れに逆らって進んでくれ』

(りょっ)


河の流れに逆らうってそんなことして何になるんだ?

本体は一体何を考えてるんだか。


『? 何の音……だ!?』


大きな音が聞こえた俺が視線を向けるとそこでは泰地が大剣で波乗りをしていた。



いや……俺も大道芸をしてたから下手なことは言えないかもしれないけどさ、

巨大な獣(カルバンジー)に追いかけられている状況でそれはおかしいって。


『荒地ィ!! あっちに進め!!』


いや……その状況で命令されても困る。


従うけど。



・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・



オリジナルの命令に従って河上方向に移動していると聞き覚えのある音と共にオリジナルの声が聞こえて来る。


『ヒャッハー!!!』


??????

え!? さっき波乗りで流されて行ったよな?

何で前から来てんだ?


『荒地ィ!!』

『それどういう状況だ!!』

『いやぁ、あまりに暇だったんでテンションを無理やり上げて楽しんでる』

『お前……後ろに怪物が居るの理解してんだよな?』

『理解してるぞ、さっきからちょくちょく攻撃入れてるけどそれ以上の速さで纏肉(マニク)が魚を呑み込んで回復するからほとんど意味をなしてないんだよ』


攻撃はしてるんだ。

あ……見えなくなった。


『とっ……とりあえず進むか』


リアクションするの疲れてきた。





「ふむぅ……なんとなくこのループの原因が分かって来たぞ」

『そりゃあ良かった……』


まず大前提に基礎となる常識を捨てる、次に今までこの世界で起きた現象を考えるとベースキャンプの中にあった外見と中身が合わない異空間が思い付く、つまりこの世界ではさっきまでいた場所と別の場所が繋がってることは不思議じゃないんだ。

……どうやって繋がってるのかは不思議だけど。

まあそんなことは気にしても意味が無いから置いといて、簡単に説明するとこの世界はステージの端と端を繋げた円状になってるんだ。

更に簡単にすると地球を一周すれば同じ場所に来る、ってのが短い間隔で起きてるって事。


「さあ! 謎解きができてスッキリしたし、そろそろカルバンジーの方に集中するとしますか」


大剣で波乗りしている俺の後ろではいまだに波を作り出している原因が河底を踏みしめながら迫ろうとしている。

正直ゲーム時代のこいつを知ってるからこんな()め技みたいなことが出来るとは思って無かった。

ていうかコイツには諦めるってコマンドは設定されてないのか?

いや……確かにゲームの頃はHP低下で逃亡はなかったけど……あっ!! 

そうだ、その代わり戦闘行為による移動はめっちゃしてたわ。

あぁ……納得、納得…………じゃねぇ!!!


「いい加減現状維持には飽きたんだよ!!」


叫んで自分を鼓舞する。


『おぉい! 俺の事忘れてない?』

『荒地!! さっき作ってたトラップはどの段階だ?』

『いやお前………(はぁ)…後は噛着(ごうちゃく)クワガタを射出部に繋げれば完成だぞ』


なんか絶妙な間にため息が聞こえた気がするが……

まあいいか。


『じゃあそれを設置したら教えてくれ、その後俺が合図を出したら百足阿羅地(ムカルアラチ)を持って跳びかかれよ!』

(りょっ)



「おっし! それじゃあ完成までの間遊ぼうぜ脳筋猿」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] メビウスの輪...? にしても、カルバンジーもこれまた面倒な動きを...。 どうやって倒すんだこれ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ