狩盤地 ~戦闘準備~
俺たちは周囲の安全を確保した後、ある場所に向かいながら今後の行動方針について話していた。
「カルバンジーを狩る」
『いや、そう言うと思ったけど……それにしたって早くないか?』
「そもそも考えてみたら俺たちがここに連れてこられる前にあの女が言ってたんだよ「遊び場へご招待」って。つまりここはあの女にとって遊び場なんだろう、そしてここまであの狩りゲーの世界を再現してるってことはクリア方法も原作と同じと仮定すればカルバンジーを狩ることがここから出る事に一番近いって訳よ」
『……まぁそれしかないか』
荒地はどこか疑問を拭い切れない様だがしぶしぶ了承してくれた。
・・・・・
・・・
・
さて!そんなことを話している間に着きました!
ベースキャンプ!!!
ベースキャンプとは、
狩りゲーにおけるスタート地点でありBOXの中に様々な物資が置かれている場所。
つまり今の俺たちに必要なものが揃っている場所だ。
『さてさて、とりあえず何があるか探してみようぜ!』
「じゃあ俺は武器や防具で使える物を探すから荒地は素材の中から使える物を探してくれ」
『了!』
さて、あの狩りゲーのキャンプと同じなら武器は立掛けられてるはず!
そんなことを考えながらキャンプの中へ向かう
バサッ!
「あ?」
『えぇ……』
ベースキャンプの幕を開けた先には列で武器や装備、素材などが並ぶ白い空間が広がっていた。
「なんだ此処? あの狩りゲーにこんなの無かったはずだろ」
『でもこんなにきれいに並べてあると探すのが楽だな』
荒地の発言に自分が狩りゲーとの比較を強く考えていることに気が付き頭を一度切り替える。
「そうだな……だが俺たちはゲームのプレイヤーの様に持ち物を大量には持てないからな、何をどれだけ持って戦うか考えないとな……」
『うぅ……俺らの苦手分野だな』
そうなんだよな……
一つの方向性で納得できない質のせいであれやこれやと考えに耽ることになるんだよなぁ……。
「だけどテラーの話がまとまる二日以内。つまり明日中には帰ることを目標にしたいからな、カルバンジーを狩る事だけを考えて使えそうな物は入り口に集めるぞ」
『了!』
◇
俺は目の前に並んでいる武器を遠目で見ている、
決してサボっている訳じゃ無い、あまりにも多いので一旦頭の中で厳選しているのだ。
(纏肉化は纏肉を剝がすのに爆破属性が有効だったから武器の属性はそれにしたいけど爆発すんのか?)
この場所、というか世界はあの狩りゲーの世界観を現実に違和感のないように成り立っている。
だから爆発するにも原理が必要だ。
どういう原理で爆発するのか……
「試すか」
爆破属性の太刀を持ち、隣の列にある実際の戦闘で使うには重すぎる重装甲装備に斬りかかる。
バンッ!!!
重装甲装備が爆発によってバラバラに吹き飛ぶ。
「あぁ……これ爆発する原因は微生物か」
どういうことか説明しよう!
俺が今持っている太刀が鎧に触れるた瞬間に太刀の刃の色が変色し爆発したのだ。
っで刃の部分を『鑑定』してみると頭の中にこんな情報が入ってきた。
『鑑定』
《名称:爆発する微生物》
《性質:急な衝撃により爆発するよ(鞘に入れる際はこの子達は眠って無力化されるから安心してね♡)》
《生息地域:未設定》
etc……
こんな感じ、
てかなんで鑑定内容にコメントが書かれているのかすっごく気になるが……今はそんなことを考えている暇は無いし正直疑問が消えて助かる。
「てことで爆破属性の武器が使えるって分かったから爆破属性武器は一旦全部ひとまとめにするか」
ちなみに防具を選ぼうとしないのは重装甲だと行動に支障が出るしそれ以外の装備だと何故か露出が多い女性着しかなく、そんな中で今着ているボロ服よりもマシな物を既に選んでいるからだ。
「あれとこれと……あぁ……あとこれもか!」
そういえばここにある物もあの狩りゲーの物しか無いな……
まぁ今更だけど。
そんな事は置いておいて目の前に並べた武器を見渡しているとあることを思い付いた。
「これって――
『おぉい!!』
――……どうした?」
思考を中断させられたことに少しイラっとしたが、心を落ち着かせて荒地の方を向く。
『この素材見ろよ!これならカルバンジーの纏肉を引き千切る事ができるんじゃないか?』
荒地がそう言って何処からか持ってきた袋の中から取り出したものを見る。
「それは確か噛着クワガタだったか?」
『そそ、確かこれってバイトフックの掴む所に使ってる設定があっただろ!』
「あぁ! そういえばそんな設定あったな。確かに岩石とかに掴みかかれる牙力が有れば纏肉も掴めるだろうが……そうか、これも複数持って行けんのか!」
『そう! そう! 俺の集めた使えそうな素材はもう入り口付近に置いておいたからさ、今日はもうこいつで新武器作ってて良いか?』
「そんなことを一々確認する必要は無い!やってみたいと思ったならやっちまいな!!」
俺がそう指示すると荒地はスキップをしながら戻っていった。
「さて俺もそろそろ入り口に戻って明日の準備をしますか」
そういえば『鑑定』の内容はetcで簡略化してるだけで泰地の頭の中には大量の情報が流れています。
今まで章タイトルの二がカタカナで書かれている事が判明しました(*修正済み)
バイトフックはモンハンで言うところのクラッチクロウです。




