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オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第0.5章 秘匿の箱庭
3/65

庭と案内人

(綺麗だなー)


そんな感想が自然とこぼれるほどの絶景に立ち尽くしてしまっている。


「新しい子ですね」


急に下から女性の声が聞こえ、驚いて横に飛びのいてしまった。


「あら、ごめんなさい驚かしてしまったみたいね。私の名前はユウコ、種族は人と(さとり)と蛇の合成獣(キメラ)なのよろしくね、あなたのお名前を教えてくれない?」


アオイ(ぐぁおいぃ)


(あっ、忘れてた)


お淑やかな喋り方でそう尋ねられたので素直に答えようとしたが今の自分が人ではない事を頭の中から抜けて変な唸り声になってしまった。


「アオイちゃんって言うのね、よろしく」


⁉︎⁉︎

(なっ、何で分かったんですか?)


声にはできなのについそう考えると……


「言ったでしょ、私は覚を含んだキメラなの、ほら覚って知らない? 相手の心の声が聞こえる妖怪」


(知ってます! だから会話ができるんですね!)


「えぇ会話できますよ」


にっこりと笑顔で教えてもらえた。


(じゃあユウコさん色々聞かせてください――


俺はユウコさんに色々なことを聞かせてもらった


ここは【庭】と呼ばれている実験体の生活スペースであり、かなり広く様々な環境が揃っているらしい。そんな環境の中で実験体は自由に生き研究者たちはそんな実験体の行動を観察して記録しているらしい、その目的まではユウコさんも知らないらしい。


ちなみにユウコさんは実験体の中でも特殊な立場らしく、この【庭】の中で新しい子が来たときに案内する役割を受け持っているらしい。


「まだ聞きたいことがあるかもしれないけど案内しなきゃいけないから流石にこのぐらいにしましょう」


まだ気になることはあるがユウコさんにも仕事が残っているかもしれない、これ以上時間をかけない方がいいかな?


「ありがとう」


俺は感謝されながら、移動し始めたユウコさんの後ろを追いかける。


「アオイちゃんは何の種族のキメラなの?」


(ドラゴンってことは分かるんですけど……)


「え!? じゃあまだ研究者の人たちに教えてもらってないの?」


(はい)


「普通はある程度の知恵がある子たちは種族を教えてもらってからこの【庭】に来るはずなのよ、研究者たちにとってわざわざ隠す必要性が無いはずだし、むしろ伝えて成長の方向性を間違えさせないようにするはずなんだけど……」


ユウコさんはどうやら真面目に考えてくれているようで……


「考えても仕方ないでしょうしこの話は保留としましょう」


(あっ諦めた)


意外とそんな事なかったようだ。



その後は仮拠点として少し前に亡くなったドラゴンと鷲のキメラの巣を教えてもらい、そこに泊まることになった。


縁起が悪い気がするがユウコさん曰く使い主がいなくなった場所を同じ種族が使うことは案外よくあることらしい。


正直言えば清潔感もクソも無い事に文句はあるが、まあそこら辺はこんな体だと自覚した時点で諦めた。


そのままユウコさんは残りの仕事があるらしくそのまま何処かに去っていった。


(疲れたから今日はもう寝よう……)




___________________________


「ユウコ! 新入りはもう寝たのか?」


「ええ、念のために安眠効果のあるお香を焚いておいたから明日にはストレス無く動けるはずよ」


「ハハハハッ! 明日が楽しみだな」

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