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オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第1章 呑郷の森羅
27/65

出発の時間だ!

「で……どういう状況?」


『いや……どう説明すればいいか…………』


『面白いだろう?』


『「面白く無い!」』

ってか困惑してるわ!


『アハハ!面白い反応!』


『んがぁ~頭ン中から勝手に喋んな』


どうやら百足阿羅地(ムカルアラチ)は『寄生』の同一化を利用して俺の持つ『反転』で『反転:寄生』で同一化の逆である分離をして俺の魂と一緒に存在している。


寄生の反転は試してたがこの効果は一人じゃ試せなかったからなまだ効果が試せてない『反転』効果があるかもしれないな。


「ていうか『念話』で聞こえてくる声が同じだから少しは差をつけて欲しい」


『ンなこと言われても……あっ!』


そういえば、


「これでいいか?」


「何それ!?」


「空気を体中に入れて『反転:狂声』を使って声として出すんだよ」


ただスキルを二つ使うから一つだけで会話が済む『念話』の方が楽で良いんだよなよな。


『っでいい加減俺を放っておくのやめてくれない?』


放っておいてるんじゃないぞ、無視してるだけだ。


そっちの方が嫌だよ!


「わ!?」

「きゃ!?急に叫ばないでよね!」

『シシシ!面白い反応』


この野郎驚かしやがって。


だって面白いことは好きだろ?


「んがあぁ!」

「だからせめて説明してよ!」

「こいつが頭ン中で喋って来るんだよ!」


「へぇ……なんかキモイね」


「直球過ぎる!もうちょいオブラートに包んで言ってくれ」

『そうだそうだ、もっと優しく言えー』


「「お前は黙ってろ!!」」


『おぉ!息ぴったり』


めんどいな……


「いい加減この話題も終わりにするぞ、これ以上はマジで疲れる」


「同感」


『えぇーもっとかまってくれよぉ』


「どうせお前には質問したいことがあんだよ、だからそんなかまってちゃんする必要は無いんだよ、ってかキモイからやるな」


俺と同じ声だからかまってちゃんされると俺がかまってちゃんしてる図を想像して気持ち悪ぃんだよ。


「さて……なんて呼ぼうか」


「え!?そこ?」


「しょうがないだろう、こいつはあくまで俺の一人格になってるんだからな!想像してみろよ自分で自分に質問する図を!互いに同じ名前だからどっちが喋ってんのかわかんなくなるだろう?」


「うっ!確かに……」


『それなら俺の名前は荒地(あらち)って呼んでくれ俺の元の機体(身体)の名称が百足阿羅地(ムカルアラチ)だったんだしお前の泰地(たいち)って名前のオマージュになってて良い感じだろう?』


それはオマージュなのか?

まぁ良い名前だしいっか。


「オッケーじゃあそれを採用!」


「もしかして泰地よりネーミングセンス高いんじゃないの?」


なんだと!でも良いもんだ、荒地(こいつ)泰地()なんだから実質俺のネーミングセンスも高いことになるな!

うん!


『なんか今すげー暴論が発動した気がする……』


気のせいだろ。


「そんなことより、荒地よぉさっきのいきなりの戦闘を放棄したことや何故ここに居るのか教えてもらおうか」


『暴論について避けやがったな!、そんなことする人には何も教えませーん、あっかんべー」


ブチッ


「おっし!じゃあオロチ出発するぞ」


「え!?良いけど百足阿羅地(ムカルアラチ)はどうする?置いてく?」


そうか……確かに百足阿羅地(ムカルアラチ)は規格外の耐久性があるし武器としては強いが……


『はーい!僕持ち運ぶ方法に検討があるよ!』


「持ち運べない以上は置いてくか無いな」


『あれ?聞き逃した?持ち運ぶ方法あるよー!』


「さっ進むとするか、いい加減この洞窟から出たいしな」


『ちょっ無視するんじゃない!』


「流石に可哀想じゃない?」


「なにがだ?」


『流石に悪質だと思います、裁判だ!裁判を起こせ!』


うるせぇ


「そんな顔するぐらいなら無視するのやめたら?」


「どんな顔してた?」


「顔に「うるせぇ」って書いてある様に見えたわ」


どんな顔だよ……


『ねぇ~話すから無視しないでー、説明するから~』


「私としても百足阿羅地(ムカルアラチ)は持って外に行きたいんだけど……」


2:1か……しょうがねぇ


「わかったわかった、もう無視しないから気が変わる前に話せ」


『了解!じゃあまずは何故戦闘を中断した理由は俺自身が消えたくなかったからだぜ!』


あーまぁそれなら納得できるな。


『っでここに居た理由は……よく思い出せないんだよなぁ』


「はぁ?」


『しょうがないだろう、俺だって目が覚めたら此処に突き刺さってて状況が理解できなかったんだよ』


「じゃあ何で私の蛇を殺したの?」


『だって呼びかけてもガン無視しやがったし……』


まぁあんときはまだ『念話』を持って無かったから伝わるわけ無かったんだけどな。


それオロチ(こいつ)に言って良いか?


やめてくれなんか嫌な予感がするから。


「そう……まぁアンタにっとってもこの状況は異常だったんだししょうがないって事で許してあげる」


『ありがてぇ、感謝する』


「そっちの話がついたようだし、どうやって百足阿羅地(ムカルアラチ)を運ぶ方法について話してもらおうか」


『良いぜ!俺が『形態変化(けいたいへんか)』を使って百足阿羅地(ムカルアラチ)百足(ムカデ)形態にして移動する、もしくは1メートルに縮小してお前が持ち運んでくれ、

ただし!総重量は変わって無いから物凄く重いぞ』


なんだよその実質一択の二択は……


「それなら百足(ムカデ)で移動した方が速そうだし頼んだ」


『あぁでも疲れるからたまには運んでくれ、この先少なくとも数万キロはあるから』


数万キロか……



?数万





はぁ?!


「ちょっ今数万キロって言ったか?」


『おぅ言ったけど?』


「少なくともって言ったよな?」


『言ったな……』


何さも当たり前の事のように言ってんだこいつ、数万だぞ!四万キロで地球一周の長さだぞ!

見てみろよオロチの思考を止めた顔を!

驚きすぎて棒立ちになっているじゃないか!


「あぁ!もう!うじうじしてても時間は進む!起きろオロチ!出発だ!」

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