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オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第0.5章 秘匿の箱庭
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{死}火山の試練 其の四

あれ……またこの部屋?


俺はついさっき見た夢と同じ部屋である事を確認して目覚めるまでの間に少しでも思い出を楽しむことにする、

そして前回の口論とは違い今回は二つのテレビを使って狩りゲーで盛り上がっている友と兄(二人)を観る


「泰地罠置け罠!HP10%切った表示出たから捕獲するぞ!」

「できるか!纏肉化(マニカ)してるやつは討伐しかできないってクエストに出る前にチュートリアルに出てただろうが!」

「そんなん直ぐ飛ばしちまったよ!」


その後体力が減った事により動きが速くなったモンスターに翻弄されながらも泰地が太刀のカウンターし続ける戦法によってなんとか討伐に成功する。

尚、その間に兄は二回ほど倒れていた。


「ほいっ、今度は葵の番だぞ」


兄はコントローラーを俺に投げる


「わわっ!急に投げないでよ/■■/、じゃあ何狩る泰地?纏肉化(マニカ)したカルバンジー?」


これは過去の記憶なので俺の意思とは関係なく身体は動くし会話もする。


(というか兄の名前が思い出せないって冷静に考えるとかなりやばい状況だよな……)


「カルバンジーはマジのクソモンスだからやりたくねえんだよ……」

「分かってるって、じゃあ纏肉化(マニカ)キュラトニルやろ!」

纏肉化(マニカ)してるのは確定なのな……」


たしか小学生時代は普通のモンスターの動きを大体網羅しててつまんなくなってたんだよな、今考えると小さい頃の時間の使い方ってやばいな。


懐かしく思いつつも俺は少し違和感を覚えた


(なんかさっき見た夢よりも長くないか?)


夢の中に居る時間をゲームのクリアタイムで確認するともう二十分は経過している、さっきみた夢は十分もいなかったはずなのに既にその倍の時間をここで過ごした事になる


流石にそろそろ焦った方が良いよな……まあそんな事を考えたところで俺に何かできるわけでもなくただただ時間が過ぎていく


一時間経過

狩りゲーで何度かクエストをして遊ぶ


二時間経過

流石に飽きてきて別のゲームを始める


三時間経過

外が暗くなり始め泰地が帰っていく



流石に長ない?三時間という普通に長い時間を夢の中で過ごしたのは前世を含めても初めてじゃないかな?


「葵!そろそろ姉貴が帰って来るからテレビの位置戻すの手伝え」

「はーい」


そう言えば小学生の頃はテレビを別々の部屋から動かして一緒にできるようにしてたなぁ。


俺は思い出に耽りながら勝手に動く身体に身を任せて自分が起きるのを待つ


「さてと、そろそろ飯を準備しとくか」


中学の頃から、両親が共働きとなった我が家では/◼️◼️/が基本的に料理してくれる。


俺はやらない、過去に大失敗を起こしたから。


ドタドタドタドタ


「ただいまー」


俺は大きな音を立てながら扉を開けて入ってきた姉の方向を見た、



その瞬間、

ビシリ、バキリと音を立てながら空間が崩壊し始める


あぁ……また顔を確認できなかった…もしかして俺が忘れてしまったから見れないのかな……





ドスン!ドスン!ドスン!


「グルゥ?」

「あ!葵ちゃん起きた?」

『えーと…とりあえずおはようございますユウコさん』


あれ?なんで俺寝てたんだっけ?


「何言ってるの?城山大亀(ヒュージクラートル)と戦って疲れてそのまま倒れちゃったんじゃない!」

『あれ?そうでしたっけ?』


なんか違ったような……


ドスン!ドスン!ドスン!


「そんなことは置いといて、葵ちゃんは今後竜の身体で二足歩行するの禁止ね」

『ふぇ?』

「これ以上は二足で動き続けていると成体になった時に竜の身体が自重に耐えられなくなっちゃって潰れちゃうぞ~」

『ふぇ!!』


そんな軽い感じで言うことじゃないですよねそれ!しかも目を覚ましたばっかりなのに衝撃的過ぎて目がバッチリなっちゃったんですけど!!


「寝起きで倦怠感に襲われたままでいるよりはよかったじゃない」


そういう問題じゃないんですけど……


ドスン!ドスン!ドスン!


てか……

『いま俺は何に背負われてるんですか?』

「?何にってさっきまで葵ちゃんが戦ってた城山大亀(ヒュージクラートル)よ!」


いや…そんな笑顔で言われても困惑するんですけど……

さっきまで殺し合いをしてた相手に背負われるって……


「で!今は活火山に向かって移動中ってわ~け♡」


『あれ?死火山の方の試練はどうなったんですか?』

「あぁ……それはねぇ……」


ユウコさんは頬をポリポリとかきながら気まずげに答えてくれた




曰く、本来の試練の内容は城山大亀(ヒュージクラートル)の野生種の群れの討伐であったらしい。


曰く、その野生種というのは俺が戦った王種と比べるとかなり小さく小型(さっきの氷山亀は近衛種で野生種とは別)でそれでも種族の特徴である山を背負っており普通に生物として強く試練の相手としてはちょうどよかったので選んだらしい。


曰く、王種が襲い掛かって来たのはその群れの王にもうすぐ代替わりする予定だったらしく親亀が知能の発育の為に群れの外を見る機会を与えたことによって本来の縄張りの外に出た王種の幼体が空を飛行中だった俺を見つけて迎撃したのだと。


曰く、試練の目的としてはあらかた達成しているので「さっさと次の試練に行っちゃおう!」っと考えたらしい。


ちなみにユウコさんが来たのは俺が空を飛んだ後に噴煙が上っているのが見えたからだそうだ。


(何だろう急ぎ足で事を進めすぎな気がする、ユウコさんは何を焦ってるんだろう……そしてこの人は俺に何を隠してんだろう……)


「というか話がそれちゃったから戻すよ!ほら立って立って!」


俺はユウコさんに急かされながら火山亀の背中を降りる、そして城山大亀(ヒュージクラートル)とはここでお別れらしくそのまま城山大亀(ヒュージクラートル)は戻っていった。


「さてと!じゃあ葵ちゃん四足で歩いてみて」

『わっ……かりましたぁ!』


正直癖をいきなり変えろと言われても難しいんですけどね……

まあ今後に影響するというなら直さないわけにはいかないんだけどね。


そうして俺は四足で歩いてみる


『意外と歩きやすいですね』

「そりゃあ本来の動かし方だからね」


それじゃあとユウコさんは「パン!」と手を鳴らす


「エキドナちゃんの所に出発しましょう!」

ここで一旦葵視点を終わらせます。

次の投稿は泰地視点の最新話にさせていただきます。

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