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オルタ・エボリューション  作者: 鬼河壱
第0.5章 秘匿の箱庭
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{死}火山の試練 其の一

突然だが独り言を聞いてもらいたい


ほんの少し前、俺はユウコさんと一緒に死火山の麓でまでやって来ていたんだそしたらユウコさんが……


「ここから先は一人で元火口に行ってくれない?私が居るとあそこの子たちは私の『行動操作』の射程外に逃げて行っちゃうから」


(というかユウコさんはすぐ『行動操作』なるスキルを使うのが怖いんですけど……)


みたいなことを考えながらも俺は火口を目指して飛んでいたんだ


っで!元火口付近の上を飛んで周囲を確認していた時、いきなり下から炎に包まれた岩が飛んできたんだ

一応避けれたけど不意打ちで飛んできたことに驚いて空中で体制が崩れると背中が急激に熱くなってそのまま意識を飛ばしてしまったんだ。




はい回想おわり……

現在私は樹木に引っ掛かっております。


『ユウコさん助けて~』


………………


はいそうですよね、ユウコさんの心を読むスキルも俺の『念話』も距離に限界があるって分かってましたよ!

とりあえず状況確認、背中どうなってんだ……って!翼まで火傷になってんじゃん、


俺は『再生』を何度か使って体の傷を治して体にまとわりついたツルや枝を振り払い樹木の下を確認しながら降りる、空からじゃわからなかったがここの木デカいな俺の全長とほぼ同じだ。


さてと……さっきの炎に包まれた岩が飛んできた原因を探らない事には安全に飛ぶことができないって事で冒険の時間だ!


そう意気込みを入れた瞬間――


ドゴォォォン!


――近くで巨大な何かが落下した。


ちょ!流石に急すぎるだろ!?今意気込みを入れたばかりでまだなんの計画も立てられてないのに!


俺が混乱し迷っている間にも時間は進む、時間が進むという事は変化が起きるという事……


ドスン!ドスン!


力強い足音と共に地面が揺れる。


ドスン!ドスン!


力強い足音が近づいて来るにつれて周りの温度が高くなってきているのを感じる。


ドスン!ドスン!


力強い足音が近づき周囲の樹木が燃え始める。


ドスン!ドスン!ゴポッ!


力強い足音以外に気泡が破裂する音が聞こえるようになる。


ドスン!ゴポッ!ブジュッ!フショァァ……ボッ!


視界の先で木が溶けながら燃え上がる。


ドスン!ドスン!


ついに視界の中に足音の正体が入るそこには巨大な(竜である俺よりは小さいが)亀が甲羅に火山を背負っていた……、


どう考えても登場するのが速すぎませんかねこういう大きいサイズのは最後の方で試練の壁とかで出てくるタイプのヤツだろ!!


『ちょっと待て!話!話をしよう!』


Karorororo


『あっ……返事が無い聞こえるのは唸り声だけのようだ』


karo?karararara


火山亀が唸り声を変えると背負っている火山が噴火し始め噴石が飛び散る


やっべー、無差別で飛ばしてるけど飛び散る範囲がデカすぎて俺の巨体じゃ避けれない上に噴煙のせいで呼吸がしずらい……何でこんな時に風向きが敵に回るんだよ。

とりあえず翼で噴煙を逸らすだけでも……クソ…噴石が邪魔だ、このままだと流石に死ぬ可能性もある……被弾覚悟で飛ぶか?いやそれだと噴煙で窒息死しちまう……だとすれば選択しは二つ、


1:この場から離れる

正直今すぐ選んでそのまま逃げたいです。


2:あの火山亀を狩る

選びたくないけどあのユウコさんが考えた育成プランならこの火山亀を狩ることをこの死火山での目標に設定する可能性は十分にある、ならば()片付けよう……というかどの道このクソ亀がいつまでも追いかけてくる気がしてならんし、今後が心配だから狩る!


そう決めた俺は行動を速くした、

噴煙を吸わないように四肢で体を支え、頭を地面スレスレまで近づけ

力強く地面を踏ん張り

火山亀目掛けて走り出した


Kuroro!?……Bubobobobobo!


火山亀はこちらの行動に気が付いたのだろう口から噴石と同質のものを俺目掛けて飛ばし始めるそれを俺は

真っ正面から受けきる(・・・・・・・・・・)


Bororororo!?!?


こんなクソ亀でも驚愕した時は声で分かるもんなんだな、そんなことを考えながらも俺は四肢を止めずにクソ亀目指して走り続ける。


火傷、裂傷、失明ぐらいはしているだろう……だけどそんなもの(ケガ)は後で『再生』で治せば良い…………

そう……今はこのクソ亀を殺す事だけ考えて動け!暑さで体が悲鳴を上げていようともクソ亀を殺せば安心して涼めるはずだ。


頭がまともに機能しないことによる神経の麻痺があったからであろう、葵は正式名称城山大亀(ヒュージクラートル)の首筋に喰らい付いた。


Bobuoooooo!!!


城山大亀には知能は無い、だが城山大亀は生存本能と直感が優れていた

その上で城山大亀は自身に噛みつく巨竜を本能で狂っている(意味不明な)存在だと認識しスキル『熱体(ねったい)』を使い自身の身体を燃え上げこの巨竜を己の身体から引き離そうとした、


普通の生き物なら逃げる、もし逃げ遅れたのなら熱に耐えきれず焼け死ぬはずだっただろう

そう普通なら(・・・・)……


葵の身体を構成する竜としての因子は産みの親の特性を引き継いでいる。

そしてその親はどちらも熱に強い、とはいえ葵はまだ幼体であるため1,300度から1400度の溶岩は耐えられないが『熱体』によって発生する600度程度ではその身体を溶かすことはできない。


だが熱で意識を飛ばすことはできる、いやこの場合はできてしまったと言うべきだろうか。


既に葵には意識が無い、

そして意識を飛ばす前の葵は「このクソ亀の首を嚙み千切る」という事だけを考えていた

つまり今「首筋を嚙み千切る」という命令を受けた身体が停止を指示する意識なしで動いているため葵に逃げる、やめるという選択肢はないのだ。


Bbobobovovovovovovo


城山大亀は必死に足掻く

生きる為に死を回避する為に、

そして気付く『噴火』による噴石はこの巨竜の身体を傷つける事ができている

ならば……


Vooooooo!


城山大亀は『噴火』を強めマグマを背中から噴き出させる、噴石の熱で傷つける事ができる、ならその噴石を熱していたマグマをぶつければ噛みついているこの熱に強い頭も溶かせるはずと直感で感じ行動に移したのだ。

ユウコさんがついていかなかった本当の理由は葵がスキルを手に入れるのが遅いのは自分という安全装置(死なない理由)があるせいだと考えたから。

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