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656話 ダンジョン2層(ソロ) 地底湖へ行ってみよう




 「うしっ! こんなもんか!」

 最後に残ったアイアンゴーレムをゴーレム達に任せて2戦目は終了した。倒し方的には1戦目の時とあまり変わっていない。ゴーレムが相手だと武装の2つが牽制用になるし仕方ないな。

 

 「3戦目は操縦者の能力の方もそれなりに使ってみようかな。そうなると出来る事もかなり増えるからテストをするってなると大変だけど……」


 操縦者が風の他に何の能力を持っているかで戦闘方法も大きく変わる。流石にそれ等を試していくとなると何戦もする必要がある。この辺りは自分で飛行ゴーレムを手に入れた後で試した方が良いかね?

 ゴーレムに倒したモンスターを集めさせながら3戦目の想定を行う。とりあえず自分で使えるとなってる土と水から試していくか。

 ひとまずスライムが湧くまでは解体でもやるかと入り口付近へ移動する。また待ってる間に他のPTが来たりするかな?


 解体を始めてしばらく時間が経った。慣れてきた事もあってか、バットとラットの解体も終わり続けてロックゴーレムへ取り掛かろうとしていた。

 

 「また1時間ほどしないとスライムは湧かないのかねぇ? この工程が早く済むとその分戦闘をする回数も増えるんだけどな」

 鑿で石を割りつつ部屋の内部へと視線を向ける。ボス部屋に石を割る音だけが静かに響き渡っている状態だ。1人で黙々と解体するのはやはり寂しい。それと少し飽きてきた……。


 「解体は後でまとめてやろうかな……どうせ夜とか暇な時間もあるだろうし」

 夕飯を食べた後なんかは時間も出来るはず。寝るまで実戦テストをするのでもいいが流石に同じ相手ばかりというのも飽きてくる。明日は流石に3層へ行くか。


 「ちょっと別の所の様子でも見て来ようかね。えーっと……人が居なさそうな所は……っと」

 素材を空間魔法へ仕舞うと探知で2層の状況を調べる。2戦目前に調べた時よりも人増えたか?


 「帰還するPTはあんまりいない感じかね? 1層から上がって来たPTの方が多いとか?」


 もう数時間するとお昼だ。ずっと泊まり込みのPT以外はこの時間に帰還するという事はあまりないだろうな。

 その逆に3層へ向かうPTはどれほどいるかと今自分が居るボス部屋近くに目を向ける。そこまで近くという事は無いが、だんだんと近づいてきているPTは何組かいるようだ。ただ目的がボス部屋(ここ)なのか宝箱の出る通路なのかはまだはっきりとしない。とりあえずしばらくの間鉢合わせるという事は無いだろう。


 「転送されて近くにやって来たとかでもない限りはだけどな。

 3戦目までに会う事は無いかね? 2戦目の間にもっと来てるかと思ったけど予想外に近づいてないな?」


 しばらくは2層で様子を見るPTが多いのだろうか? 確実に1番人が多いであろう1層から来た直後だと2層でも満足出来てたり? 転送された場所がボス部屋から遠いからもっと近くに転送された時に3層突破を考えるとかかね?

 ともかくボス部屋で戦闘を考えている自分としてはこの状況は有難い。近くに別のPT来ないのであれば特に気にすることなく3戦4戦と挑み続けられるしな。

 

 「まぁ、それもまずはボスが再び湧かないと始められないんだけどな。

 で、だ……それまでにやっておきたかった地底湖の調査でも出来たらいいんだけど……おっ? この場所なんか良さそうだな」

 探知で現在の状態を調べると近くに他の探索者の反応はなくモンスターの反応もそこまで多くは無い。モンスターなんかはもっといるかもと思ったのだけど地底湖で戦闘をしているPTは意外といるんだろうか?

 

 「通路や広場でモンスターを見かけない所為で地底湖まで足を延ばしてるPTもやっぱり居るって事かね? まぁ、PTの能力構成次第ではそこまで苦でもないだろうしな」

 田上さん達のように全員が飛べるPTだったり飛行班が豊富で牽引して地底湖を飛び越えられるPT、風と水の能力者で構成されたPTなんかは地底湖の移動もなんてことは無いだろう。


 「全員水の能力を持っているPTは耐水もバッチリだし一番安心して移動出来るかも。濡れはしないけどモンスターとの戦闘はあるか。そう考えると全スルー出来る飛行班PTの方が一番いいか?」


 空中にも居ない事は無いがほとんどのモンスターは水の中だ。天井付近を飛んでいれば大半のモンスターは避けられるはず。

 それはそれで天井にぶつかった水球なんかをかぶる恐れはあるが全員風の能力持ちであれば風の守りで何とかなる。移動性能は他の能力よりも優れているし通り抜けるだけならやはりこれが1番か。


 「基本そういったPTが地底湖で戦闘をしてるのかね。まぁ、なんにせよこの地底湖が一番都合がいいか」

 スライムが部屋を掃除するまでまだ時間もかかるだろうし気になっていたこちらを見ておくかと考える。一応スライムの湧きがすぐだった事も考慮してセンサーを仕掛けておく。これならば地底湖に居てもすぐに気づけるだろう。


 「よし、ちょっと地底湖の調査に行ってきますかね」


 転移する準備もOKと早速向かう事にした。

 視界が変化するとそこは薄暗く、先程よりも寒さが増したようなそんな地底湖が目の前にあった。なんか久しぶりに来たような気もするな。


 「最後の来たのは討伐班をしてた時か。軍の人達と一緒に筏作って向こう側まで渡ったっけ」


 室田さんや広田さん達と会った時だ。3層の攻略も結構前に感じるな。

 地底湖の出入り口である高台から内部を見渡す。とりあえずこちらの陸地部分にはモンスターは無しと。どうせなら感知蟹が居たら倒しておきたかったんだけどな。

 夕飯の食材には別のモンスターを使うかと思いつつ高台から降りる。水トカゲが湧いてたらそっちでもいいや。


 「もしくは岩ダコでもいいな。地底湖は結構美味しいモンスターが多いから自分としては嬉しい方なんだけどね」


 今日の夕飯確保のつもりで反応のする方へと向かう。ひとまずモンスターを倒してしまうか。

 そしてこちらでも飛行ゴーレムを出してその背に乗った。水中からの攻撃にもこれで安心感が出るな。


 広場と同じく地底湖も飛行ゴーレムを動かすには十分な広さがあった。顔の部分にライトが仕込んであるようなのでそれのスイッチを押し水面を照らす。このライトを強力にしたら目くらましでいいかもしれないな……。

 対向車のヘッドライトを見て眩しい思いをした事がふと脳裏に過った。ゴーレムに仕込めるサイズのライトとかある意味武器にならんかね? 

 暗闇に慣れているモンスターからすると強烈な光は意外に効きそうだ。人にとってもそれは同じ事なので注意は必要だが有りな気がする。 


 「他のゴーレムもそうだけど強力なライトを装備させるのは良さそうだな。単純に明るさも増すし。

 飛行ゴーレムなんて飛びながら照らすわけだから地上にいるモンスターだって見やすくなるだろ。照明係としても役立ちそうか」


 その分目立つだろうしモンスターからも狙われる確率は高まるだろう。しかし囮も兼ねていると考えれば尚更有りではなかろうか。それが飛行班の重要な役の1つでもあるのだ。

 強力なライトを使う事も飛行ゴーレムのメリットの1つだ。洞窟エリアでの光の重要性は今更言うまでもない。飛行ゴーレムが使われるようになれば光源の確保と戦闘にもかなり貢献できるだろう。


 頭部に付いているライトを点けたり消したりしつつこれも報告の1つと頭の片隅へ置いておく。

 イカ釣り漁船ではないが明かりでモンスターをおびき寄せようと反応のする所に向かってライトで照らす。探知で確認するとしっかりこちらを捉えたらしい。一直線に向かってきていた。

 

 「さて、相手はなんだ? この速さ的に岩ダコではなさそうだな」


 先程考えていた感知蟹や水トカゲでもない気がする。水中か空中かも不明なのでまたもやバットと言う事もあり得る。流石にバットは夕飯にはしたくないなぁ……。

 ひとまず天井付近まで移動し様子を見る。バットならば水上ギリギリまで下りてみよう。風で水中に沈めたらそれで弱ったりしないかな?

 天井付近に来ることで見る方向を下に限定する。とりあえず水上も見えるのでこれで何も居なければ水中確定だが……。


 「もうそろそろ見えるな……。ああ、うん……こういう時の予想は当たるか」


 ライトに照らし出されて一番最初に見えたのは予想通りバットの群れだ。数はそんなにいないから対処はボス部屋の時よりも楽かな。

 しかしそれにしても数が少ないと思った。反応ではもう少しいるはずだが……。

 そう思いバットの更に向こう側を見る。すると水上で動いている影を捉える事が出来た。


 「あれって空針水黽? 残りはあいつらか。どっちも夕飯には向かないじゃん……」


 モンスターを見つける事には成功したがなんだか少しだけがっかりする羽目になった。こうなったら更に奥に居る反応に期待するしかない。   

 ともかく飛行ゴーレムの実戦テストにはなると気持ちを切り替える。しかしあの空針水黽って飛行ゴーレムで体当たりでもしたらそれだけで片がつきそうな見た目してるよな。

 




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