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3話 衝撃の事実!




 「んん…ここは?…」


 女神様に力を授けられ、異世界に飛ばされた将一。

 意識が再び戻り目に入ってきたのはまた青空だった。


 「やっぱり倒れてたか。なんとなくそんなことになる気がしてたけど…。で、ここが異世界か?」


 将一は倒れている態勢のまま頸を左右に振る。次に視界に入ってきたのは山と草っぱらだった。少なくとも大地と空だけの世界でなくて安心した。

 無事転移したんだなと思い体を起こす。

 しかしそこで目に入ったモノに再び驚かされた。


 「異世界ってこんな古民家みたいな建物あるのか…。地球でも見たことあるけど築何年だこれ?」

 

 体を起こし目に映った古民家の姿に、まるで昔テレビで見た田舎の家のようだと思い起こされる。

 こうして見ていても仕方ないから、実際触れて調べてみようと立ち上がった。その時、ふと違和感を覚えた将一は腕を前に伸ばし見てみる。


 「体が…若返ってる…。まるで昔の自分だ…」


 自分の腕を確認すると、続いて腹回りや足も触って確認してみる。

 実は将一、20歳までは普通の体格をしていたのだが、仕事によるストレス、不規則な生活等いろいろあって体の筋肉も落ち脂肪に変わり、全体的に少しぽっちゃりしてきていたのだ。


 そんな体の事もあり20歳ぐらいの体格を希望して若返りを頼んでみた。無論、剣や魔法の異世界で生きていくなら不健康な体より健康な時の体の方がいいと思ったのが1番の理由ではあったのだが。

 将一は自分の体の変化というわかりやすい部分を確認して、無事に異世界に来れたんだなぁと実感する。

 

 「若返り頼んどいてよかったよかった。おおー、体が軽く感じるー。昔はこうだったんだよなぁ…あんな暴飲暴食やっちまったばっかりに。はぁ…」

 将一は腕を回したり、体の柔軟を確認したりしながら過去のストレス発散についてもう2度としないようにしようと今の体を見て思った。

 

 「いやー、この体になっただけでも転生できてよかった。魔法の力の方はよくわからんけどこの分なら期待できそうだ。

 で…ここどこなんだろう? 異世界の情報なんて知らないけどずいぶん人里から離れてるっぽいな」


 将一は一通り体を確認すると次に周りを見てみる。

 どうも自分が倒れていたところは森の中にある一軒家の前だったらしい。

 古民家の横の草畑はずいぶん手が入れらることがなかったのか、草が伸び放題ですごい状態だ。

 家の前は石畳で舗装されているおかげで道がわかるが、修繕が必要と感じるほど罅が入っている。


 「どうも長いこと人が住んでいないところだったみたいだな。まあ、いきなり村の中で倒れていたとかよりはよかったか」


 そう言って将一は石畳の道が続いている方向に進んでみる。

 やはりこの石畳も見た目通りかなり劣化しているのか、歩くたびに罅が増えるような音が足元から聞こえてくる。

 少し歩き、草で見えなかった曲がり角まで来て先を見るとどうやら石畳はまだ続いているようだった。

 

 「それにしてもほんと、ずいぶん草が伸び放題なところだなぁ。このまま石畳歩いていくと森の中まで行くんじゃないのか? どれだけ人がいなくなって経てばこうなるんだろうか」


 とりあえずその先には進まずいったん倒れていたところに戻ることにした。

 再び戻ってくると今度は古民家の方に目を向ける。こちらも人が住まなくなってずいぶん経っているのだろうと思わせるほどボロボロだ。


 「流石に以前見たのはこんなボロボロじゃなかったけど、異世界にもこんな家があるんならどこか住む場所決めたらこういう家もいいな」


 ボロボロになってはいるが、家は結構大きくこの草ぼうぼうの庭? も含めたらずいぶん立派な田舎暮らしができそうだと感慨にふける。

 異世界に来て懐かしい物を見たからだろうか、今まで住んでいた地球でこんな暮らしができたらなぁという思いが頭を過った。


 そんなことを思いながら観察していると、ふと玄関だろう所に挟まっている紙になぜか目がいった。

 これだけ家がボロボロで草も伸び放題であり、時が経っていると思われる中、その真新しい紙はとても目立っていたのだ。将一は不思議に思い、近寄って手を伸ばした。


 「なんでこれだけこんな新品みたいなんだ? 雨風にさらされてたらもっとひどいことなってそうだが…。というか紙の品質結構いいな、地球のと同じぐらいじゃないか? てっきり売り家の張り紙かと思ったけど違うな」

 将一は不思議に思いながら手紙をひっくり返す。するとそこに書いてあった文字に驚かされることになった。


 「石田将一殿へ…ってなんで自分の名前が…。神様からなんだろうけどなんで今更?」


 紙を裏返したらまさかの自分の名前宛であったため、すごく驚かされはしたが心当たりはあったので疑問に思いつつも動揺はすぐに収まった。

 それにずいぶんと薄いがどうやら手紙だったようだ。裏側の止めてある部分を自分宛ということではがしてみる。


 中を見てみると、どうやら数枚の紙を半分に折りたたんだ物が入っていた。ずいぶん薄っぺらかったから開けてみるまで1枚しかないものと思ってたが…。

 

 「さてさて、いったい何が書いてあるのやら」

 将一は手紙を取り出し、開いて読み始める。



 『いきなりこのような手紙があった事さぞや驚いたことでしょう。直接会うこともできず、このような挨拶になって申し訳なく思います。

 まず最初にこれだけは言わせていただきたく。

 今回は私の所為でこのような目に合わせてしまった事、誠に申し訳なく思っております。ご迷惑をおかけいたしました事を心より謝罪いたします。』


 「これって…地上に手出した神様の事じゃないか? え? じゃあこれ書いたのあの神様ってことか? 手紙で謝罪とは流石に予想外なところから来たな…」


 手紙の上の方から読むと謝罪文が書かれており、差出人(神)がすぐに分かってしまった。

  驚きはしたが将一は再び手紙に目を戻した。



 『今回このような手紙を出したことにはいくつかお話があるからです。

 いきなりで申し訳ありませんが石田さんの異世界行きは私が変えさせていただきました。

 理由としては、異世界の文化は現代の地球に比べだいぶ低いため、特に衣・食・住の格差がすさまじく、現代人の石田さんにはストレスがかなりかかるのではないかと思ったからです。』


 「……はぁっ!? えッ!? どういうことっ!? ここ異世界じゃないのか!? いや、確かに衣食住が悪いとストレスかかるけどさぁ! ほんとどうなってんだっ!?」


 謝罪の後は何の話かなぁ…とそこまで気負うことなく読み始めるが、そこにはしょっぱなからなんかすごいこと書かれており、将一は顔を手紙に近づけ目を皿のようにして再び読み始めるのだった。




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