表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/771

109話 ダンジョン1層 地底湖突破!




 「ようやく出口が見えてきたぞ」

 「ほんとですか!? どこです?」


 あれから数度のモンスターを迎撃しつつ、やっと地底湖から出られるという知らせを聞いてテンションが上がった。

 ここのモンスターいやらしいのが多すぎるんだ…。


 「天井に赤い光石が3つ見えるだろう? あの下が出口になっている。これでここの地底湖は終了だ」


 そう言われて天井を確認してみる。確かに赤い色をした光石が3つあるな。あれが出口の目印という事か…。

 しかし最後にあまり聞きたくない言葉を聞いてしまった。


 「『ここの』? 地底湖ってまだ通らなきゃいけないんですか?」

 「最短ルートを通るなら…だな。一応回避していけるルートもあるが、上ったり下ったりで時間がかかる。どっちに行くかはその時にまた決めればいい。

 ただ…次通る地底湖はここほど大きくないからまだマシだろう」

 「それは朗報ですね。

 うーん…小さい地底湖か回り道か…か。時間で考えれば地底湖通る方が早いのか。モンスターと戦闘が有るか無いかでまた変わりますかねぇ…」

 

 気分で考えるなら地底湖はあまり行きたくはない。今通ってきたばかりというのもあるが、ここで出てくるモンスターが面倒なんだよな…。

 

 あれから出てきたモンスターだが、キリウミウシという奴は広範囲に霧を発生させたのちに風の刃を飛ばしてきた。霧と切りから名前を取ったらしいな。

 視界を奪った後の真空破は見えない見えにくいとあって厄介だった。まぁ…その魔法で霧が一部無くなった先にいるという事で追撃は楽だったんだけどな。自分から居場所を教えてくれるし、移動が遅いという事もあって倒すだけなら楽な相手だった。


 (問題は霧を発生させた後に隠れる個体が居るのがなぁ…探す時間のが長かったわ)


 キリウミウシ以外にも油貝(アブラガイ)という奴も厄介だった。

 その名の通り油を出すのだ。水中から体の一部を出すと油をこちらに飛ばしてきやがった。もし火を使おうものなら周りの水面に浮かんだ油に引火して火に飲まれることになっていたはずだ。

 そして火から逃れようと水中に行こうものなら一緒に出てきたエッジタートルにスパスパ切り裂かれていたことだろう。こいつらが一緒に出てきたのは逃げ道を更に潰す為なんだろうか?


 (油撒いてる所為で水面を噴き上げる作戦も取りずらかったしな。

 とりあえず一番脅威でもあるエッジタートルを早々水圧カッターで処理できたから良かったけど…時間をかけてたら油が広がる面積も増えて面倒になる所だったぞ。

 たとえ直接的な攻撃でなくてもこれで火系のファイアーバットとかとペアで出てこられたらかなり困った事態になるわ…。最優先で処理しないとな)

 

 おまけに足を止めたら水トカゲが落ちてくる始末。引火の危険を鑑みてバーナーは使えんかったから水トカゲの処理に自分が動く必要があった。

 純粋な戦闘力という面ではあんまりだったが、いやらしいモンスターが多いという印象なんだよな地底湖は…。


 「モンスターを考えると小さくても行きたくなくなってくるなぁ…」

 「倒したモンスターの回収も面倒ですからねぇ。出来る事なら地面がある所がありがたいですよね」

 「石田さんが居なければ回収は諦めるか水に濡れる必要があったな。やはり地底湖は面倒な所だ…」

 「自分も斥候として動けんしな…正直足手まとい感が強い」


 やはり全員が全員不満はあるようだ。その時しだいではあるが回り道するのも選択肢としてありかなぁ…。

 今回の探索はこの地底湖だけで皆がお腹いっぱいという感じでもあるし、もう1つの地底湖は見送られる可能性が高いな…と、思いつつ出口に向かって進み続ける将一たちであった。





 「待った…最後の最後でモンスターが出口にいるぞ」

 「うへぇ…正直もう勘弁って感じですね」

 「出口の前かぁ…回避は難しそうだな」

 「最後まで通行の邪魔するか…ダンジョンボスでもあるまいに…」

 先頭の広田さんが出口前にモンスターが居るのを確認した。出来る事なら最後は穏便に行きたかったのだが…。


 「ヘビーアリゲーターだな、あれは…」

 「どういう奴ですっけ? 名前からしてなんとなくはわかるのですが…」

 「まぁ…名前の通りですね。重量級の鰐ですよ。噛む力がすごくてそれなりの大きさの剣や槍ですらバキッといきますね。防御より回避を優先しろと言われるモンスターです。

 遠距離攻撃はありませんが全身隈なく凶器ですよ。体重もかなりの物です。あれで水にも浮けるっていうんだから謎ですね。能力でも使って浮いてるんですかね?」

 「何ともパワーファイターなモンスターですね…。うん? 遠距離攻撃無し? ふっ…」


 出口前は既に水場ではなく岩の地面なのだが、何とも直接相対したくない相手だった。

 しかし遠距離攻撃がないという事で将一の口元に笑みが戻ってきた。


 「遠距離攻撃はなしってことでいいんですよね?」

 「ええ。体の届く範囲はかなり危険ですけど遠距離攻撃をするとは聞いていませんね。しかし遠距離から仕留めようにもあの出口前にスタンバっているのでは厳しくないですか? ここから仕留めれます?」

 「まぁ、できなくもなさそうですけど出来るならさっさと水場からは去りたい所ですね。

 と、いうわけで…こういう作戦はどうですかね?」


 遠距離攻撃がないという事なので安心して移動できる案を提案してみる。ここまで来て最初の案を採用できるとはね。

 最後の最後で自分とは相性が良いモンスターで助かったと、自然と胸をなでおろす将一だった。 





 「…ふむ、確かに攻撃されないならいけそうですね。幸い出口はあの状態ですし、既に視界にとらえてるからこそですが」

 「これ以上水場を行くよりはマシだろう。何より自分の案だ反対はない」

 「下は少し怖いが攻撃もされないとわかっていれば地面と変わらんか…」

 「道は作りますんで一気に行ってください。出来れば先に行って気を引いといてくださると助かります」

 「なら隊列は私達が先で、最後が石田さんという事で。道はよろしく頼みます」


 了解したと承ると、それと同時に壁際まで足場を作る。石橋をずっと作ってきただけあって足場作りはもう手慣れたもんだ。

 全員が石橋から壁伝いの足場へと移動する。準備はOKと確認した後、壁際の足場を一気に伸ばして出口までの道を作った。


 壁際に突如生えた地面から浮いてる足場。その上を浜田さん達が一斉に駆けだした。今更足場の耐久に不安を感じる者も居らず、全速力で出口まで走りぬく。

 その後を少し遅れがちに走る将一。やはり身体能力的に現役の軍人とは比べるべくもないのが現状の課題だろうか? まぁ、いわゆるバフというもので自身の素早さを上げればどうとでもなるのだが。


 そうしてしばらく走っていると、モンスター達もついにこちらに気が付き始めたのか近寄ってくる。


 「モンスターの注意を引くぞ! 各自撃てっ!」

 「「おおおおぉっ!」」


 出口付近まで走り終えた浜田さん達3人がモンスターに向かって銃を撃ち始めた。鰐の皮がゴツゴツして硬いのは知っているがまさか銃弾すら弾くとはなぁ…と、驚きながらも必死に足を動かす。

 3人の大声も相まってか、モンスターの注意は未だ走っている自分より浜田さん達の方へと向いている。脅威としてみなされていないのだろうな、今の自分は。

 

 しばらくして自分も出口まで走り切ると、そこからは自分の役割をこなし始める。


 「よしっ! 場所もいい感じだ!」


 注意を引いてくれていた3人の足元にヘビーアリゲーターが群がっている。

 地底湖に入ってきた時と同じく、こちらの出口も地面から少し高い位置にあったこともあってこの移動を提案したのだ。流石にこの高さは登ってこれまい。


 将一はヘビーアリゲーターの群れの外側を囲むようにして垂直な壁を作り出す。重量級という事だし、壁もいつもの3倍の厚さだ。これでこいつらの逃げ場は無くなったな。

 

 「ふう…無事にいけましたね。遠距離攻撃がないとそれだけで安心できます」

 「足場をこうして自由に作り出せるからこそですね。私達だけだと無理な作戦ですよ」

 「まぁ、自分達だけで潜るというようなことはまずしないがな」

 「軍の能力者もその時は一緒だろうが…その時もこうしてうまくいけるといいんだがな」

 高台の下に群れるヘビーアリゲーター達を覗き見ながら、無事地底湖突破を喜び合った。これでまた1歩地上に向けて近づいたわけだ。


 「さてと…では次の行動開始だ。広田は先行偵察だ、斥候役頼んだぞ」

 「了解」

 そう言うと広田さんはすぐに通路の奥に向かっていった。今まで斥候らしい斥候が出来てなかった反動だろうか。


 「私と深田であいつらの処理だ。石田さん、怪力の手袋よろしいですか?」

 「了解です。今出しますね」

 「おねがいします。それと弾頭だけ頼みますね。休みながらでいいので適当にその辺に出してってください」

 「わかりました」


 2人に怪力の手袋を渡すと地面に腰かけて少し休憩をさせてもらう。魔力的には問題ないが適宜に休んでおくのも大事だと学んだしな。

 それに地底湖を突破したのだし自分はもう良かろう。


 腰を落ち着けて、適当に休みながら浜田さんに頼まれた弾頭を作成する。後始末はこれでいいというのだから任せるとしよう。


 「深田は左手だ。確か両利きだったろう?」

 「問題ない、どっちでもいける。それに重量を全く感じないんだ。投げれないという方がおかしいな」


 2人して怪力の手袋を片手ずつ着けると、自分が作った弾頭を掴み取る。あれ200㎏で作ったけど普通に片手で持てるのがおかしいわ。怪力の手袋ってやばい代物だなぁ…。


 先端が鋭く尖った杭のような槍のような物を片手で持ち、狙いをつける2人。

 魔石は頭から下に行ったところにあるらしいので、頭と口の中間、腹の2カ所にぶっ刺してやれば後は自然と死んでいくという事だ。

 そりゃ頭付近にこんなものぶっ刺されば死ぬわな。


 「ふっ!」

 「おらぁっ!」

 「「ガァァァッ!!」」


 2人の足元からドスンッ! ドスンッ! と、続けざまに音が響き渡ると同時にモンスターの鳴き声が聞こえてきた。見えないから詳しくはわからないが、声からして2人の攻撃が当たっているのだろう。

 2人の様子から失敗している感じはしないのでうまくいってるのかね? とりあえず弾頭だけ作っておくかと量産に勤しむ。


 これで広田さんが戻ってくれば4人で魔石回収。まだ戻ってこないようなら待ちつつ魔石回収をするらしいので、今のうちに魔石を入れる袋でも用意しておくかと量産の片手間にリュックをあさり始めた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ