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異世界勇者は役立たず  作者: 時安 荒苦
6/22

この世界の話

寝たけど間に合いました。なんでしょうねこれ。なんとも言えないこの気持ち。でも昨日よりかなり時間に追われて書きました。あとのことは後書きで書きましょう。

「さて……さっそく話をはじめたいところなのだが、このままでは君が不便だろう。そこに座るといい。」

そういった王様の指差すところには、いつの間にかひとつ軽い装飾が施されたイスが置いてあった。

さっきまであんなものあったかな……?と疑問を持ちながらもそのイスに座る。……ちょっと距離あるな。

「あぁ……すまない、ちょっと遠かったね。もうちょっと近づけるとしよう。ちょっと立ってもらえるかい?」

王様に言われるがまま席を立つと、不思議なことにさっきまで座っていたイスがひとりでに動きだし王様との会話に最適な距離まで近付いていった。

さすがにいきなりイスがひとりでに動きだしたら驚きもするが、一応は王様の前なので反応は最小限に留めておいた。

「……ひっ……!」

全然最小限じゃない

「どうだい?驚いてくれたかい?」

まるで自分がそういう反応をするのをわかっていたかのように王様が聞いてくる。

自分は言葉を返すことが出来ずに、ただ王様のほうを向き頷くことしかできなかった。

その様子を見た王様は嬉しそうに

「そうかいそうかい!やはり聞いていた話の通りのようだね!」

だれから聞いていた話なのかはわからないが、ここでさっきのことを聞いても良いだろう。

「あ、あの……今のは……?」

自分がそう聞くと王様は嫌な顔をせずにハッキリと教えてくれた。

「いや、昔の勇者について書かれた古い書物では今までの勇者たちの世界にはどれも一切魔法がないと聞いていてね。それで今回の勇者殿もそうなのかと思って、少し驚かさしてもらったよ。悪いね、君にとっては少し心臓に悪い光景だったかな?」

魔法。そんな異世界ならば当たり前のような言葉に少し心を踊らせた。

この世界ならば当たり前のことなのだろうが、なぜ今まで1回も使っているところを見なかったのだろうか。もし便利なものならどんどん使っていけば良いのに。

そして、さっきのイスにはどんなふうな魔法をかけてあったのかを聞いてみた。

「あ、あの……さっきのはどんな……?」

「さ、さっきのは!イスを別のところから瞬間的に移動させたのと、さっき見た通りイスを移動させるものです!」

なぜかさっきまでずっと黙っていた姫様が質問に答えてくれた。

正直、そんなざっくりで良いのかとは思うけど、一応は合点がいった。

「まぁ……そこまですごいものでもないけどね?こちらではただの基本の応用とも言える魔法さ。君もすこし習えば簡単な魔法ぐらいたくさん使えるようになるよ。」

自分でも魔法が使えるようになる。

そんなこときっと彼らにとっては当たり前のことなんだろうけど、そんな当たり前が自分にもできるかもしれないと思うと、高揚感がどこからか現れてくる。

「さて、少しお遊びが過ぎてしまったね。本題に話を戻そうか、勇者殿?」

「あ、はい。そ、そうですね。」

いきなり魔法の話になってしまっていたが、もともとそういう理由で話はじめたわけじゃなかったことを思い出した。

もともと確かこの世界のことと、この国のことと、そして世界を脅かす魔王の話を聞くためであった。

「とはいえ、話すのに時間がかかり過ぎてはこれからの予定に支障が生じるだろう。少し簡潔になってしまうのは許してくれないか?」

「全然大丈夫です。むしろそちらのほうがありがたいぐらいです。」

顔を合わせながらそう返した。

これからの予定は一切聞いていないのだが、まぁそういうことならば簡潔に話を聞くのも悪くはないだろう。逆に複雑すぎる話を聞いて頭がこんがらがったら困るし。

「では話を始めるとしよう。質問があったらその都度聞いてくれ。できれば質問は区切りのつくところで聞いてもらえるとありがたい。」

「……はい、わかりました。」

「……では、始めよう……

まずは世界についてだね。この世界はとてつもなく広いと言われている。世界の隅々まで見ようと冒険をした探検家が地図をあまり埋めれなかったぐらいにね。もちろんそれは世界が広いだけではなく、その人がわざわざ厳しい道を通っていったのも原因だとされている。その探検家は早死にしてしまったらしいからね。今世界のことをすべて把握することはとても難しく、なによりも困難なことだとこの国では思われている。」

「あの、それは魔法でどうにかならないんですか?」

「悪くはない質問だ。けど、魔法だって万能じゃないし、なにより我々の魔法技術はそこまでの発展はしていない。この国ではあまり魔法の発展には力を入れてはいなくてね。他の、それこそ世界の裏側にある国がどれぐらい発展しているかはわからないがすくなくとも我々よりは多彩な魔法を使うことだろう。もしかしたら一方的に存在を知られているかもしれない。それぐらいこの国の魔法技術は未熟だってことさ。」

「……なるほど。よく、わかりました。」

「理解が早くて助かるよ。でも、わからないところがあったら遠慮なく聞いてくれ。

次に、この国について簡単に教えよう。まず、先に言った通りあまり魔法の発展はしていない。しかし、皆それで不便を強いられている訳ではなく国民がそれぞれを支えあって生きている。そして、その国民を守るために存在しているのさまざまな騎士団がこの国の戦力さ。もちろんただの騎士団だけではなく、魔法が使えるものを集めた魔法師団もいくつか存在している。大きな戦いになったら、騎士団と魔法師団が力を合わせて戦う感じさ。」

「あの……失礼だとは思いますが、それで戦力は足りているんですか?」

「確かに言葉だけだと心配になるかもしれないね。けど、心配することはないよ。騎士団の一人一人がかなり洗練された猛者の集まりであるからね。それに魔法師団もいくら魔法の発展が遅れているとはいえ、彼らの使う魔法があるとないとではだいぶ違う。それに今は歴代で最も強いと言われる騎士が率いる騎士団もあるんだ。簡単なことでは負けはしないはずだが……」

止まらず喋り続けた言葉を止めたあと、あの話に会話は進んでいく。

「……魔王が相手では話が変わってくる。奴はどんなにこの世界で強い者がいても、簡単にそれを打ち砕いてしまう。どれだけ技術を磨いても、奴はそれすべてを踏みにじる。だからこそわたしたちは魔王相手には君のような……勇者に頼ることしかできなかったのだ。」

……勇者。

今でも実感がわかないその言葉に、プレッシャーがないわけではないが、あの姫様の話を聞いたあとだとどうにもやるしかないと腹をくくってしまう。

「話を最後の物にしよう……魔王の話に。」

「……お父様」

そのときいつの間にかあったイスに座ってだまっていた姫様が、口を開いた。

「その話は……わたしにさせてくれませんか?」

その言葉に王様は困惑する。

「いや、しかし……この話をするということはあのこともお前の口から言うことになるぞ。それでも良いのか。」

あのこと、とは姫様のお母さんの話だろう。結局さっきはミンカから聞いたものであって姫様から直接聞いたものではなかったし。

そして、そのことに一瞬言葉を止めるものの姫様は言葉を返す。

「……構いません。これは、このことは、どうしてもわたしの口から彼に伝えたいのです。」

「……わかった、好きにするといい。けど、無理はするな。」

王様は彼女に折れたのか、発言の権利を彼女に譲った。

「では、魔王についてはわたしからお話します、勇者様。」

「あぁ、は、はい。」

突然のことに見ていることしかできなかったが、それでも彼女の言葉にはさっきまでとは違う何かが籠っていた。

「ではお話させていただきます……魔王について。

魔王とは、突如この世界に現れた存在です。どこから現れたのか、なぜ現れたのか、何一つわかっていません。ただひとつわかっていることは、一度倒しても数百年の間をあけて復活することと、魔王を倒すことができるのは現時点で異世界から召喚された勇者のみ、ということです。今までの魔王は、大きな被害を出す前に、歴代の勇者が倒されて来ました。しかし、今年は……」

そのあとに続く言葉を彼女が言えるのか。自分がこのとき思っていたのはそれだけだった。

「……こ、今年は、今までの、歴史のなかでなかった、見せしめとして、わたしの母……お母様が、魔王によって、殺されました。国民の前で、わたしの……まえで……」

また泣きそうになりながらも、彼女の口からちゃんとその事実を聞くことができた。それだけでもう、なにも言うことはなかった。

「もういいよ、クレア。よく頑張ってくれた。少し休んでいるといい。」

王様にそう話かけられると、彼女は大きな息を吐き目をつぶって黙った。

「……そういうことだ、勇者殿。話はだいたい分かってくれただろうか?」

王様が自分に語りかけてくれる。

「は、はい!だいぶ、この世界についてのことがわかりました。」

そう自分が返事をすると、王様は微笑み、

「そうか、それなら良かった。では、そろそろ次の予定の時間だろう。クレア、あの場所に案内してあげなさい。」

……次の予定知らない。

「……はい、お父様。では、勇者様、こちらにどうぞ。」

……ここは思いきって聞くしかない。

「あ、あの!次の予定とは……?」

「……クレア?話してなかったのか?」

「…………わ、忘れて、ました……」

顔を真っ赤にして手で顔を抑えて彼女は王様の問いに答える。

そして、王様は仕方ないといった感じで自分の問いに答えてくれる。

「これから勇者殿にどんな勇者としての才能があるか、別室で調べさせていただきます、勇者殿。」

勇者としての才能。確かに自分も気になっていたことがようやく分かるのか!

そういった気持ちとともにまだ顔を赤くした姫様についていく。

……一体、自分にはなにができるのだろか…………

その不安と期待に入り交じる感情を抑えて、一歩一歩、踏み出すのであった。





……自分になにもないと内心、わかっていながら、それを認めようともせずに。

今回の話をまとめると、前回の後書きの最後に書いたように世界観の簡単な説明ですね。

で、本編関係なくなるんですが前書きに書いたように寝たんですよ。で、間に合ってるんですよ。日曜日なんだったんだ……?

個人的には小説の内容そのものは22時締め切りにしてて、そのあと一時間ぐらいで余裕もって誤字・脱字修正する予定なんですけどわりと守れてないっていうか、なんか締め切り過ぎたほうが書くの早いんですよね。最初から書けやってなるんですが。

ちなみに今回世界観について主人公が質問する部分があるんですが、あれ実質わたしの質問です。自分で自分の世界観に質問してます。わけわかんないです。自分でわかってない。

今回も長くなってきたんでここで後書き終わります。

いつも通り誤字・脱字などがありましたら教えていただけたら助かります。

ちなみに次回はちょっと本編とは関わり薄いっていうか、1話みたいな感じです。全部が終わったあとの話です。

本編ばっかりだとね、わりと自由にかけないっていうかまだ明るくできない状況ですからね。そういう番外みたいなところで明るく見せる作戦です。

というわけで明日の話はちゃんとサブタイに番外って書くんで見ても見なくても大丈夫です。

ではまた明日。

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