Q:異世界で最強になれた理由は何ですか?
それは特に変化もない日だった。
変化が、ないはずの日だった。
にもかかわらず、変化した。
それは何ゆえだったのか。
理由は今でも解らない。
分かるのは1つだけ。
今俺が居る世界は。
魔法の有る世界。
剣が強い世界。
理想の世界。
俺は言う。
それを。
言葉。
理。
。
「ステータス!!!!!!!」
叫んだ言葉は、形を為す。
それは、本質を表すもの。
【ステータス】
個体名:神崎 勇詞
性別:男
種族:地球系人族
年齢:地球換算:17
レベル:15
HP:?
MP:?
AP:?
平均物理攻撃力:?
平均物理防御力:?
平均魔法攻撃力:?
平均魔法防御力:?
平均速度行動力:?
〈スキル〉
〔初物喰らい〕
備考:現在異世界移動中につき、ステータス不明。
「…………」
なっ、なんじゃこりゃーーーーー!!!!!
(注:喋れない)
────────────
さて落ち着け俺よ、今思いきり馬鹿にされた気もするが、落ち着いて考えよう。
俺なら出来る。
神崎勇詞17才。如何にもな格好いい名前且つ、キラキラはしていない。お母様感謝しています。貴女が父親をはっ倒してくれなければ、私はグレていたことでしょう。名前負けしてるとは言われますが。主人公みたいな奴、うちのクラスに居るし。
事の始まりは、午後の授業。
学校の中でも人気の高い、世界史女教師佐藤先生のゆるふわボイスを聞きながら、大半の生徒が睡魔と戦争を重ねている頃。
軽い地震で全員が覚醒し、ざわざわと会話をし、佐藤先生が注意の声を上げようとした時だ。
床が、壁が、黒板が、窓が、天井が。
この教室と言う箱の内側が、規則正しい模様に光だした。
この俺の、乏しい知識の感想としては、魔法陣、そう呼ぶべきだろう。
数学的に言う魔方陣ではない。あれはあれで、美しさは有るものの、こちらは正しく、幻想的、否、幻想の魔法陣だ。
基本は円、幾つもの円と、四角三角が絡み合い、ルーン文字のような模様とも文字とも取れる、その形が魔法陣に複雑さと美しさを与える。
発せられる光は、全てを埋め尽くすような白。
太陽のような透明ではなく、正しく白、その1色である。
最初に強く瞬き、一度魔法陣が目に見えて把握できるほど弱くなり、徐々に強くなっていく。
視界は純白に埋まるとき、俺は叫んだ。
心のなかで。
無駄にモノローグでカッコつけながら。
その結果が。
スキル〔初物喰らい〕ってなんだよ!
効果が解らないよ! いや解りそうなものだけど、これは理解したくないよ!
というか夢見て悪いか、異世界め!
なんで男子高校生の秘密がステータスに表れてるんだ。
それに、ステータスがマジで出た。想像したのと違うけど。特にスキルな。
レベルも有るけど、なにこの項目。
ハテナ? あっ、備考。なにまだ移動中?
確かにまだ視界は真っ白、というか体感覚がない。パニックしないように、こっちに意識を集中してるけども。突っ込みどころ多いけども。
あっ、ステータスは頭のなかに、ディスプレイみたいなもので表示されてる感じで。
みんな同じなのかな。それにみんな大丈夫かな。
俺は修行を積んでるから、多分異世界転移だろうなー、っと割りと呑気に、割りと突っ込み目に、そして思索を巡らせることが出来てるけど。
俺の前の席に座っている、眼鏡が特徴的な彼なんて、かなりアワアワしているし。
…………んっ!?
視界が、晴れてきているのか?
まだ純白に近いけど、転移が終わりかけているのかな。
しかし、前の彼。我らがクラスの軍師。立石君にも、スキルは有るのかな。
さてさて、彼にはどんなスキルが有るのかなぁ(ゲス顔:イメージ)
うーん、こう、なんか、御決まりの、スキル〔鑑定〕とか、ないかなー。
それも、物語の最終局面とかで出てくるような、全てを見抜くことが出来、全てを理解できる、そうだな、言ってみればスキル〔究極鑑定〕みたいな?
なので。
(我は究極鑑定を望む!)
言ってみた。(注:思ってみた)
────スキル〔究極鑑定〕を獲得しました。
…………マジで?
──────────
物凄くビックリしたけど、とりあえず使ってみた。
立石君に、スキル〔鑑定〕!
【ステータス】
個体名:立石 孝太
性別:男
種族:地球系人族
年齢:地球換算:16
レベル:18
HP:1400
MP:36000
AP:100
平均物理攻撃力:180
平均物理防御力:190
平均魔法攻撃力:360
平均魔法防御力:320
平均速度行動力:90
〈スキル〉
〔軍師たる定め〕
〔思考超加速〕
〔情報処理能力上昇〕
〔知力関係補助:極大〕
〔頭痛耐性:極大〕
〈称号〉
〔クラスの参謀〕
備考:ステータス欄はある程度の四捨五入補正済み。
………くっ、我等が軍師め。カッコいいスキル持ちやないか。俺だけ? 俺だけ外れスキルパターン?
しかも称号持ってるじゃないの。確かにみんな思ってたけど。うちのクラスの主人公の親友だし。
羨ましいぜ、このクソ眼鏡。眼鏡軍師キャラじゃないか。ステータスは魔法よりみたいだけど。俺よりレベル高いし。
俺のステータスなんて。
【ステータス】
個体名:神崎 勇詞
性別:男
種族:地球系人族
年齢:地球換算:17
レベル:15
HP:150
MP:150
AP:150
平均物理攻撃力:150
平均物理防御力:150
平均魔法攻撃力:150
平均魔法防御力:150
平均速度行動力:150
〈スキル〉
〔初物喰らい〕
〔究極鑑定〕
〔軍師たる定め〕
〔思考超加速〕
〔情報処理能力上昇〕
〔知力関係補助:極大〕
〔頭痛耐性:極大〕
…………ファ!?
っとイカンイカン。なんか漏れかけた。
どう言うことだ?
このスキル郡、究極鑑定は良い。マジでゲットできた不思議な奴や。
そのあとの4つ。これは、軍師:立石のスキルだぞ?
っと、視界が徐々に晴れてきてる。考えたいのに……!
そうだ!
スキル〔思考超加速〕MAX使用!
…………うをっ!?
頭が結構痛い!? 頭痛耐性の極大持ちでか!?
MAXなんて調子にのってみたせいか。その代わり、視界の純白はじわじわ減るだけ。時間の猶予はかなり増えた。
……というか頭痛耐性無かったら死んでるぞこれ。
ん? ステータス画面に、違和感が……。そうか! 鑑定出来そうだ!
スキル
〔初物喰らい〕
個体名:神崎勇詞が異世界転移時に獲得したスキル。
名は体を、性質を表すと言う。
うっさいわ!
くっー、なんかこう、外れスキルに隠された力とか無いん? 究極鑑定さん!…………ファ!?
〔初物喰らい〕
究極鑑定画面。
1、初めての物を喰らう度に強化・経験値を取得できる。食せる物に限る。味付けにより、カウントが変わる。
2、初めての異性を喰らう度に強化・経験値を取得できる。これ以上は夜想曲が響き渡る。
3、スキル所有者が初めてスキルを使用、発動する様を、〔初物喰らい〕の所持者が視認することにより、そのスキルを得ることが出来る。
3+、鑑定系スキルとのシナジー効果有り。鑑定画面にて、スキル所有者が使用したことの無いスキルを閲覧することにより、そのスキルを得ることが出来る。また、スキルの破棄は出来ない。
対象者を鑑定し続け、対象者がスキルを取得、スキルが生える様を確認することにより、パッシブ関係のスキルをも獲得できる。
とりあえず、初物喰らい先生、生意気言ってすいませんでした!
なんかおかしな部分もあったけど、凄まじい性能、マジで生意気言ってスイマセン!
めっちゃ頼りになります!
他のスキルも確認するか。
スキル
〔究極鑑定〕
個体名:神崎勇詞が異世界転移時に、魂の奥底から望むと言う偉業を達したため、形を為したイレギュラースキル。
あらゆる鑑定系スキルを内包する。スキルの使用は、スキル所有者の認識に依存する。
認識に依存? それで最初は働かないのか。ちゃんと確かめておかないとなー。
イレギュラースキルって、なんやねん。俺、魂の奥底から望んだっけ? そんな高尚なものじゃないよ?
スキル
〔軍師たる定め〕
1、軍師に関わるスキルを獲得することに補正が入る。
2、軍師に関わるスキルに関して補正が入る。
3、スキル所有者にスキル〔思考超加速〕、スキル〔情報処理能力上昇〕、スキル〔知力関係補助:極大〕
む? 説明がない? 俺個人が獲得したスキルでは無いからか?
つーか、これパッシブじゃないか?
なんで取得出来た?
スキル
〔思考超加速〕
思考速度を加速するスキルの上位スキル。その加速係数は高い代わりに、その負荷は莫大。
〔情報処理能力上昇〕
あらゆる情報を処理する能力が上昇し、負荷が軽減する。
〔知力関係補助:極大〕
知力に関わる能力、スキルへの補助。
極大の為、補正範囲は幅広く、効果も高い。
この3つもパッシブ。軍師たる定めによって獲得できるスキルか。究極鑑定さんの力なのに、やけにアバウトだな。
…………いや、違うのか? アバウトなほどに、効力が高いのか?
俺のスキルのように、隠し効果が有る訳じゃ無いみたいだしな。
スキル
〔頭痛耐性:極大〕
耐性系スキルの1つ。
頭痛を軽減し、頭痛による行動阻害を軽減する。
究極鑑定画面。
1、頭の痛みに関わる全てに対する耐性。人間種では、首から上に定義される。主に脳に関わる。ある程度、精神にも効果がある。
2、耐えるだけでなく、頭痛に関する事柄を癒す作用を持つ。ただし、回復系能力には及ばないが、癒える可能性が0ではなくなる。
3、頭、脳が喪失しても、ある程度の猶予を持ち、行動できる。その間は魂で思考する。
うわ、マジかよ。思考超加速に対するだけじゃなくて、なんか凄いぞこれ。というか究極鑑定さん凄いぞ。
しかし、何故だ。何故、パッシブが取得出来た?
頭痛耐性なんて、すぐに働き始めるだろうに。
まさか、まだ、スキルが使われていない……?
もしかして、もしかすると、突飛な発想だが。
未だ異世界転移の途中で、ステータスが確定しきってないから、まだ使っていなくて。
俺はステータスと叫ぶなんて言う厨二病だったから、立石君が思考超加速なんてスキルを持っていたから、今ウダウダ出来る。みたいな?
としたら、今が、今だけが猶予か!
思考超加速した俺、偉い! 立石君、偉い!
あと頭痛い!
とりあえず、誰か、誰か見えないか!
俺の席は一番後ろ、そして真ん中。
見ようと思えば見えるはず。しかし、思考超加速してるし! まだ純白に埋まってるし!
体感覚は、すんごくじわじわ戻ってきてるような気がしてるけど、超加速中だしなー。
立石君の他に! 見える人は!
居た!
立石君の隣も視界内だ!
うちの高校は男女居るし、半々の割合だけど、席を二つくっ付けたりせず、それぞれの机が有る状態。故に、男女がバラバラで、カタマるところも有れば、バラけるところもある。
どこぞの主人公野郎は周り美少女で固まるくじ引きの不思議を起こしてたけど。
とりあえず、我らが立石君の隣は、体操部の工藤だ。立石君が君づけなのは、軍師だし、尊敬してるからだ。思考超加速あざーす!
ステータス傾向とかは後で良い!
スキル欄を見せろ!
スキル
〔身体操作の極み〕
個体名:工藤蓮哉が異世界転移時に獲得したスキル。
1、身体の全てを思い通りに動かすことが出来る。
2、柔軟性や敏捷性等が人体の限界まで拡張される。それによる負荷は軽減される。
3、武術系スキルとのシナジー効果有り。
おお、かなりの良スキル。こう見ると、本人の資質とかがスキル獲得に繋がってるのか?
俺のスキル名……。いや! 俺のスキルは、一見外れスキルに見えたけど実はチートスキルだった。パターンだ! マイナスないし、強いんだ!
自分のスキル欄を確認……、よし思考超加速中でも獲得出来るな。
次!
工藤の逆隣、クラスのキモオタ、名称不明!
名前忘れたけど、コイツ確か、高レベルのキモオタだ。人の良心とか踏み躙る癖に、良心とかないのかよ! とか言う、人に何処までも迷惑しかかけない系の、人類のグズ、らしい。
いや、話したこと無いし。
話したことの有る良いオタクは、オタク戦隊の四人だしな。
…………あいつらなら、ヤバイスキル持ってそうだ。
とりあえず、一応見とくか。
スキル
〔鼓動〕
…………ん、まさかコイツ。外れスキルか?
見た目だけ外れな、チートスキル?
究極鑑定さん、出番です!
スキル
〔鼓動〕
心臓が鼓動する。
鼓動するほどに熱くなる。
さあ! どうだ!
究極鑑定画面。
1、心臓の鼓動、心拍数により経験値を取得。安静・睡眠時では、ほぼ通常の経験値テーブル。
心拍数が上がれば上がるほどに、経験値テーブルは指数関数的に上昇する。
2、心臓の鼓動を止める攻撃を無効化する。心拍数が上がることによる負荷を無くし、身体の負荷をも軽減する。
3、心臓の鼓動回数による寿命計算が変化する。心臓の寿命による自然死はほぼ無くなる。
おい。おいおいおい。
こりゃ、やっべーぞ。経験値チート系だ。
通常鑑定では、ふざけたスキルとしか思わないが、実質凄まじいな。しかも、普段では気づけない仕組み。
超・緊張状態において、真価を発揮するタイプのスキル。正に逆境に強いスキルじゃないか。
…………ヤバい。ヤバいぞこれ。
身体操作の範囲、これは、心臓をも含む。
そして、この、スキル〔鼓動〕を持つ、今の俺が、心臓の心拍数を限界まで上げたら、どうなる!?
ちょっぴりとだが、体感覚は、有る。
そしてスキル〔身体操作の極み〕は、この状態でも発動する。
何故、心筋を動かせるかは知らないが、ハートをビートする! ビートする程にヒート!
間違ってはいなかった、通常鑑定。
そして、心臓の心拍数を上げても問題は出にくい。心臓は保護されている。
血流速度が上がっても、頭痛耐性による保護が有る。
情報処理能力上昇と、身体操作がシナジーを起こし、身体の隅々、毛細血管に至るまでを操作できる。
それを思考超加速で行い、知力関係補助が有るためスムーズに進む。
まさかの3人のスキルを獲得しただけで、凄まじいチートだ。
経験値が、じゃんじゃん入るのに、身体への負担は小さい。
毛細血管のダメージを減らす操作をしているし、眼球は頭部、頭痛耐性の範囲に有る。
さあ、思考超加速による体感30秒!
レベルは!?
【ステータス】
レベル:75
上がってる! あっ、究極鑑定さんなら経験値の流れも経験値テーブルも見える。そのぶんずっこけ増したけど!
さあさあさあさあ。
テンション上がってきた!
前の3人に感謝! 席替えに感謝!
男クセーとか言ってた俺、謝れ!
はい! ごめんなさい!
一人遊びは終わりにして、誰が見える。
眼球も操作できるが、負担はかかるか。治るけど。どっからエネルギー来てるんだか。
むっ、斜め前に居る、宮前さんが見える!
何故か部活動に力を入れてるこの学校には、弓道部が有る。その弓道部に所属している、宮前さんだ。
主人公ハーレムの取り巻きで、お姉さまキャラだったか?
他人の女性など狙っても意味無いし、興味ないし、ネトラレ系はダメだからな。
しかし、今は貴女に興味が有る!
個体名:宮前 詠那
スキル
〔弓を射る者〕
弓術系スキル効果有り。弓術系スキル獲得に補正有り。弓術系スキル効果に補正有り。
〔無手なれど弓師也〕
MP、APを消費して、弓、矢を生成出来る。
その出来は、消費した量に応じる。
〔弓師たる眼〕
弓師に必要な視覚系スキルを保有。
代表的なスキルとして、〔視力上昇〕〔視力保護〕〔遠見〕〔天眼〕〔透視〕〔予測視〕等。
宮前さん、あざーす!
特にスキル〔弓師たる眼〕!
これが今の俺に必要だった!
これで!
これで!!!
クラス中のチートスキルを得られる!
おお! 見える!
頭痛いけど、見えるぞ!
おっ、オタク戦隊。
こいつらきっと凄いはず。
後は主人公ハーレムだな。こいつらが多分、本来の主人公のはずだ。
さあ、オタク戦隊四人のスキル、見せてチョーダイ!
【ステータス】
個体名:小田 正和
スキル
〔スキル融合〕
2つ以上のスキルを融合し、新たな上位のスキルを創ることが出来るスキル。
このスキル保持者は、自力でスキルを獲得することが困難となる。
究極鑑定画面。
魂の契約を結んだもの、例:奴隷のスキルを対象とすることが出来る。複数の奴隷の、複数のスキルを対象に出来る。
融合したときに生まれるスキルは、因子別に分けることで、スキル自体の力は別れてしまうが、複数のスキルとすることが出来る。
【ステータス】
個体名:織田 長信
スキル
〔スキル強化〕
スキル〔スキル強化〕以外のスキルを強化できる。強化には、一時的強化、永続的強化が有る。
このスキル保持者は自力でスキルを獲得することが困難となる。
究極鑑定画面。
魂の契約を結んだもの、例:奴隷のスキルを対象とすることが出来る。
魂の絆が深くなれば、強くなれば成る程、強化係数は指数関数的に上昇する。
【ステータス】
個体名:太田 輝
性別:女
スキル
〔スキル覚醒〕
素養の有るスキルを覚醒させることが出来る。このスキル保持者は自力でスキルを獲得することが困難となる。スキル覚醒による効果でも困難。
究極鑑定画面。
魂の契約を結んだもの、例:奴隷を対象とすることが出来る。
対象のスキルを覚醒させ、スキル強度を跳ね上げることが出来る。代わりに酷く消耗し、一時的にスキルを使用不可能となる。これは時間経過により回復する。
魂の絆が深くなれば、強くなれば成る程、覚醒確率、覚醒時のスキル強度は指数関数的に上昇する。
【ステータス】
個体名:王 託
スキル
〔詳細鑑定〕
詳細に鑑定出来る。
〔契約を繋ぐ者〕
魂の契約を結ぶことが出来る。
〔時は金なり〕
時間を、所属する世界の通貨に替えることが出来る。
時間とは、行動不能時間(眠りとは違い、回復は出来ない。意識は有るが、状況は分からない)の享受。寿命の変換。
魂の契約を結んだもの、例:奴隷の時間を変換することが出来る。但し、スキル保持者よりも変換効率は低い。
金を寿命に変換することも出来る。但し、変換効率は非常に低い。
うっお、こいつら、とんでもねぇスキル郡だな。つーか、一人女だったのか……、似たような顔してたから気付かなかったぜ。何故男装してるし、正しくキラキラしてるし。
これは、オタク戦隊のオタリーダーが、契約したり、奴隷を買うお金増やしたり、買う奴隷を選び、その奴隷を他のオタク戦隊の隊員達が強化する流れか?
こいつら全員、戦闘スキルは無いわ、ステータスも低いわ、だが、そのオタク知識と、異世界適性を考えたら、すぐに化けるぞ。
そして、スキルを弄くるスキルに、特殊スキルゲットだぜ。下位互換あったけど。
よーし、次は目当ての主人公野郎だな。
じっくり、思考超加速しながら見てやるぜ。
大分進んでるけど、まだ余裕有るし。
実は一度全員見てたりしてるから、取りこぼしは無いけども。
…………そろそろ、独り言というか、独り思いが激しいな。殆どセリフやないか?
【ステータス】
個体名:新藤 奏多
性別:男
種族:地球系人族
年齢:地球換算:17
レベル:42
HP:42000
MP:21000
AP:21000
平均物理攻撃力:4200
平均物理防御力:3150
平均魔法攻撃力:4200
平均魔法防御力:3150
平均速度行動力:4200
〈スキル〉
〔勇者の運命〕
勇者であることを義務付けられた者が得るスキル。勇者系スキル獲得及び補正。
〔神童の才覚〕
あらゆる物事において、異常なまでの適性と成長を成す。
〔勇者武術〕
スキル保持者が望む武術が形となる。元々武術を修めている者には、更なる効果がある。
〔勇者魔術〕
スキル保持者が望む魔術が形となる。創造力が強ければ強いほどに強くなる。
〔勇者覇気〕
味方に勇気を、敵に恐れを与える。
敵が仲間になりやすくなる。
〔運命の愛し子〕
スキル保持者は、怒濤の運命を辿るだろう。
究極鑑定画面。
ラッキースケベを発動する。
その際、大きく運命が動くことがある。
〈称号〉
〔神童〕
〔ハーレム野郎〕
〔みんなの主人公〕
うっはー!
すっげーわ、流石はみんなの主人公、新藤君!
つか神童持ちじゃん。洒落なの? ねぇねぇ? 洒落なの?
でーもー、でもでもでもでも、俺も持ってますー!
……………。
ヤバい、ヒートしてるぞ俺。テンション上がる効果も有るのか、鼓動。
色んなスキル有るなぁ。
スキル組み合わせて使ってみたら、うちのクラスの奴等だけじゃなく、ここに居る王族とか兵士とか、この国の冒険者とかのスキルも手に入ったしなー。
スゲーわな、スキルシナジー。
そして、オタク戦隊達から貰った、スキル干渉系スキル。
これを使いまくって、スッキリとしよう。
でも、一人だとキツイなー。
なので、アドバイザーを用意しよう!(急展開!)
やっぱり、異世界転移つったら、脳内とか、魂とかに居るアドバイザー欲しいでしょー。
あの有名な作品みたいに。いっそ、参考にしてまうか。
まずは、鋳型となるスキル。
クラスのぼっち、皆藤のスキル。
スキル
〔友は創るもの〕
ナニかに意識を作り出し、友とすることが出来る。
意識は、スキル保持者の無意識に依存する。
これを元にして、様々な魂系スキル、情報系スキル、サポート系スキルをもぶちこむ。
良いのが有るのさ。
佐藤先生こと、ミオちゃんが持ってたスキル。
スキル
〔助言するもの〕
ナニかから、情報を得ることが出来る。
ダレかに情報を与えることが出来る。
これも鋳型に出来るかな。ちなみにミオちゃん、戦闘系ではなく、サポート系スキル充実してた。流石はミオちゃん先生。そして究極鑑定さんが余計なことしてた。こらっ、だめ! 夜想曲が流れちゃうから! 黙っときましょ!
さーて、マゼマゼ。グルグル。
カッコつけるか。
我、汝に望むは、永遠に寄り添う存在也。
我が為に、汝となりて、我が力となってくれ。
その為ならば、我は汝を何処までも頼りとし、愛し抜くことを、誰よりも我自身に誓おう。
願わくば、汝もまた、我を愛してくれることを。
…………はっず! かなり恥ずかしいこと言ってら!
─────スキル〔貴方と生きる者〕を獲得しました。
?:恥ずかしくなんか有りません。私は嬉しかったですよ。
!? 今のは、スキルの声か!
?:YES、マスター。私は貴女のそばに。
おおう、聞かれてたか。でも、きちんと生まれてくれたか。事態は把握してるか?
?:YES、マスター。把握は完了しています。現在、スキル統合の準備中です。
マジで仕事早い。有りがたいぜ。
?:こちらこそ、頼って頂けると幸いです。
よし、じゃあ、スキルの前に名前つけるか!
必要だし、俺がつけたい!
?:マスター。ありがとうございます。名前が有れば、より、貴方のものになれそうです。
うっ、恥ずかしいなるようなことを。
真面目に考えるか。
…………よし、お前の名前は〔ユエ〕だ!
サピュイエから取った。
ユエ:寄り添う。マスター。ありがとうございます。私は、ユエです。
────スキル〔貴方と生きる者〕が覚醒、及び変革。固有存在〔ユエ〕となりました。
ん!? ユエの声で聞こえるぞ!
ユエ:干渉しました。私のスキルに、世界へと干渉する因子があったため、可能となりました。
凄いな!
よし、次は、スキル統合しまくるぞ!
ユエも意見出してくれ。一緒にやるぞ!
ユエ:YES、マスター!
──────────
この間、実に0.01秒!
体感として数時間である!
いざ!
ステータス!
ユエ:YES、マスター。
【ステータス】
個体名:神崎 勇詞
性別:男
種族:地球系人族/世界未定固体
年齢:地球換算:17
レベル:9999?
HP:∞
MP:∞
AP:∞
平均物理攻撃力:∞
平均物理防御力:∞
平均魔法攻撃力:∞
平均魔法防御力:∞
平均速度行動力:∞
〈スキル〉
〔ユエ〕
貴方の愛しき私。
私の愛しき貴方。
貴方の全てを支えましょう。永遠に、何処までも。
〔スキルを探究する者〕
1、獲得したスキルを、記録、再現、消去、付与、融合、分離、覚醒出来る。
2、他者の確認したスキルを獲得できる。奪うことも可能。付与も可能。但し制限有り。
3、このスキル保持者にスキルの限界はなく、スキルは通用しないだろう。これ1つで大体事足りる。
〔永遠に戦いを挑む者〕
戦いに関する全てのスキルを統合。
武術、魔術、仙術、ほぼすべて揃ってる。
未知を既知に変えれば、すぐに統合される。
これ1つで大体事足りる。
〔無限に創造する者〕
生産に関する全てのスキルを統合。
生産系スキル、内政系スキルなど、凡そほぼすべて揃ってる。
これ1つで大体事足りる。
〔運命を破壊し造る者〕
決められた全てを打ち砕き、全てを己とユエ、そして仲間と共に進む覚悟の証。
ルールブレイカー、バランスブレイカー、オールブレイカー、オーバーブレイカー。
これ1つでほぼ全て事足りる。
〔我と生きる者への告〕
わざわざ他のスキルを統合してまで作り上げたスキル。
仲間の為のスキルであり、現在は特に効果を発していない。
そもそもユエが入れば全ては事足りる。
〈称号〉
〔最強を越える存在〕
〔因果破壊〕
〔愛に生きる覚悟を持つ者〕
〔主人公すらも路傍とする者〕
あっ…………やり過ぎた? (テヘペロ?)
ユエ:テヘッ?
あら可愛い。
さて、漸く異世界転移完了。
まっ、この時点で既に素敵で無敵だし、そもそもユエが居るしな。
ユエ:あらやだマスター。照れます。
んじゃ、始めますかね。テンプレブレイカー。
──────────
「ようこそ! 異世界の勇者達よグバァ!?」
「おいおい、クソ王よ。テメーが俺たちを誘拐したのはわかってんだ。理由が戦争の道具とするための奴隷だってのもな。そして隣に居るバカ姫。テメーが召還したんじゃねーのも知ってる。後ろの女の子が寿命の全てを使って呼び出したんだろう? 亜人と呼ばれる存在を数百人生贄にしてな。全ては分かってる。すまねぇな、そこのエセ主人公の勇者君。ここから始まる異世界の物語は、俺が決める。心配するな。異世界から元の世界に戻す方法はもう確立した。んじゃやるか。ユエ、やるぞ。俺たちの思うがままに!」
席替えの位置と、タイミングと、厨二病と、そして愛しのユエです。
ユエ:もう、マスターったら。
一同:「( ゜□゜)ポカーーーン(゜д゜)( ゜д゜)ポカーン」