人間土人形
どうも降木です。今作は前作の「スキルを駆使して自堕落生活」の続きであり続きではありません。なので前作を読んでない方でも気軽に読めるのでどうぞ最後まで読んでみてください!!
「たくや!あれ!!」
―その瞬間は突然訪れた。
「ふっふっふっ!タクヤ!これでお前の負けだ!!」
「…」
―タクヤらしくない少し焦った表情を浮かべた。
「あれは!?一体…!!」
カルエも珍しく声を荒げた。
「…ふっ!」
タクヤ?
―ふと、タクヤが笑みを浮かべた。
しかし、その表情はいつものタクヤと違う。
その顔はサタディがさきほど見せた表情。
いや、そんなものよりもより悪質であくどい、そんな表情だ。
ただ、いつものタクヤではない…この表情は…。そうポピィンの国で魔獣と戦い終わったあの表情だ。
この表情の意味は一体…。
「タクヤ!これは一体どうなって…」
ポピィンが後ずさり
をしながら言う。
「あいつは今人間であることをやめたんだよっ!」
やはりタクヤの様子がおかしい…。
いや今は目の前の事に注意しなければ…。
「逃げろ!」
そのかけ声と同時にサタディと戦っていた魔獣はその場から去っていった。
そしてさきほどまで魔獣と戦っていたサタディというと…
「タクヤ…これは…」
「簡単なことだ、サタディは今自分の体を土人形にしてんだよ」
「人間が土人形に!?」
私は思わず声をあげた。
なんせ人間が土人形なんて聞いたことがない…。
そう言っている間にもサタディの体に次々と土が被さっていく。
「タクヤ…これからどうしますか…」
がらにもなくカルエがタクヤに聞く。
が、タクヤは何も答えなかった。
不振に思いタクヤの方を見るとその顔は不気味に微笑んでいた。
「…タクヤ?」
カルエも不振に思ったのか、タクヤに呼びかけるがやはりタクヤは何も答えなかった。
「これは…」
後ろからエルゼの声が聞こえた。
「…何か知っているの?」
私はタクヤの異変について聞いた。
「…いえ、何も」
とエルゼは言うが私は絶対何か知ってるなと思った。
「ただ…。これは少し不味い…ということは分かります」
それに関しては同意見だ。
これを話している今もタクヤは全く私たちの声に耳を傾けていない。
タクヤは私たちなんかよりサタディの方ばかり集中している。
―そして、
「―やっと完成か!」
その声と同時に人間を捨てたサタディがこちらの方を向いた。
「ふー、ふー」
「ふふふ!はははっ!」
突然タクヤかが笑いだしそのままサタディの方に突っ込んだ。
「タクヤ!!」
私はタクヤを止めたがやはり全く聞く耳を持たなかった。
『配合技:灼熱鎌鼬』
スキルは使えないはずない。そのことはタクヤはも十分知っているはず…。
だがしかし、
パキンッ!
タクヤの腕のブレスレットが突然壊れ、百を越えるの火の鎌がサタディに向かっていった。
「そんな!あれを壊すことは出来ないはずなのに…」
カルエは信じられないように言った。
だが、今はそんなことよりタクヤの精神状態だ。
今のタクヤは間違いなくいつものタクヤではない…。それだけは確実に言えることだ…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよろしけば感想やレビュー等よろしくお願いします。
次回タクヤの異変がエスカレートし…。お楽しみに!!




