双剣
どうも降木です。今作は前作の「スキルを駆使して自堕落生活」の続きであり続きではありません。なので前作を読んでない方でも気軽に読めるのでどうぞ最後まで読んでみてください!!
「―なっ!」
突然タクヤの手に短剣が二つ現れた。
そしてそのままサタディに切りかかった。
―が、サタディは後ろに下がりギリギリの所で避けた。
「おっ、これを避けるか」
タクヤは笑いながらいった。
「ふん、所詮貴様は魔法使いだ。剣など持っても敵とまともに戦えるはずがない!」
確かに…、魔法使い―それもタクヤみたいないままで魔法で戦ってきたものほど剣―つまり接近戦は不得意のはず。
だが、魔
法が使えない今、これしか出来ないのも分かっている。
しかし、果たしてタクヤに剣で戦うことは出来るのだろうか…。
「ま、どう思おうとお前の勝手だよ、俺はこいつで戦うまでだよ」
タクヤは一瞬の笑みを浮かべた後、すぐにサタディに切りかかっていった。
「―すごい」
私は思わず口にしてしまった。
だが、それほどまでにタクヤの剣の腕はすごい。
タクヤ特有の頭の良さと、私が支援であげたスピードで、すぐに相手の懐に入って攻撃する。
その一連の動作が速くて、サタディはスキルを打とうにも途中でじゃまをされて、防戦の一方だった。
「―流石はタクヤだ。だが、これがいつままで続くかな?」
サタディはそのまま守ることしかしなくなった。
一体どういうことなのだろうか?
サタディにはなにか作戦があるのだろうか?
しかし、タクヤの攻撃が激しいせいかサタディに動きは見えない…。
すると、
「―しまったわね…」
「えっ?」
カルエを見ると少し表情が曇っていた。
「どうしたのカルエ?何か不安でもあるのか?」
ポピィンも聞いてきた。
「不安と言えば不安だけど…」
…一体何が不安だというのだろうか?
「タクヤは今は普通に攻撃しているけど…いつかは体力が切れてくるものよ」
―なるほど、そういうことか。
確かにこのままではいつかタクヤ体力は切れる。しかし―
「それはサタディも同じじゃないの?」
そうだ。
それは私もポピィンと一緒の意見だ。
「それはそうだけど、確実にタクヤの方がはやくばてるという事よ。―二人ともサタディの動きとタクヤの動きを見てみなさい」
そう言われて私たちは二人の動きをじっくりみた。が、
「ん?どういうこと?」
ポピィンも全く分かっていない。―もちろん私も、
「だから―」
とカルエが言い掛けた時、
「サタディの動きは最小限に押さえてある。加えてタクヤの動きは激しい」
エルゼがカルエの代わりに説明してくれた。
「そうよ、さらに言うと、タクヤは双剣よ。剣を二つもって戦うというのは思ったより頭を使わなくちゃいけないの」
「―なるほど。だから動きも激しく、頭もいっぱい使っているタクヤがさきにばてるということか」
「そういうこと」
―しかし、こんな事などタクヤはすでに分かっているはずだ。
では何故動きを押さえない…?
「―じゃあなんでタクヤは動きを押さえたりしないんだ?」
またしてもポピィンと考えがかぶった。
「そんな事をしていたら、すぐにスキルを打たれて―」
とカルエが説明している時、
「ぐっ!」
タクヤが声をあげた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよろしけば感想やレビュー等よろしくお願いします。
次回タクヤがピンチに!お楽しみに!!




