ブレスレット
どうも降木です。今作は前作の「スキルを駆使して自堕落生活」の続きであり続きではありません。なので前作を読んでない方でも気軽に読めるのでどうぞ最後まで読んでみてください!!
「―ん?一体何が…?」
その場に倒れ込んでいた私は閉じていた目を開け体を起こした。
すると、
「タクヤっ!」
「おう!とりあえずお疲れな!」
そこにはタクヤが立っており、その横には先ほどの敵が倒れ込んでいた。
「…その敵は一体どうやって?」
と隣で起きあがったカルエがタクヤに尋ねた。
「ん?簡単なことだよ。土人形の心臓とも呼べる核を破壊しただけだよ」
…核?そんなものがあったなんて初めて知った。
そもそも何故タクヤが手伝わなかったのかと責めようとしたが、これはタクヤからの修行の場という意味だと気づき、すぐにやめた。
「もー、タクヤが休むから大変だったんだぞ!」
ポピィンも立ち上がった。
「悪い悪い、まぁおかげでしっかり休めたから、大丈夫ってことで―」
チャリン
―それは突然の事だったのでタクヤでさえも避けることは出来なかった。
「ふははは!やったぞ!遂にやったぞ!タクヤこれでおまえに勝てる!!」
…一体どういうことなのか、タクヤの方を見てみると、腕に怪しげなブレスレットが付いていた。
「なんだこれ?」
タクヤがそのブレスレットをはずそうとすると、
「…なるほど取れねえな」
このブレスレットは一体なんなのだろうか?
すると突然、カルエがタクヤのブレスレットを見て、驚愕の表情を浮かべた。
「これは…」
「カルエこれは何だ?」
「―これは世界でも数少ない魔道具の一つなの。そしてその効果が…今後一切魔力を使うことが出来なくなるものなの」
「「えっ!!」」
私とポピィンが声をあげていった。
魔力が使えない…。つまりそれは…
「スキルが使えないってことか」
「えぇ…」
なんてことだ…。今までタクヤがすごい事をやってのけたのもすべてスキルがあってこそなのに…。というかそもそもこの世界で魔力が使えなくなってしまったらそれはもう死んだと同然の事だ。
それほどこの世界には魔力―つまりスキルが大事にされていることだ。
「なら壊せばいいことだ!」
ポピィンは剣を構えてブレスレットめがけて振り下ろした。
だが、そのブレスレットには傷一つ付かなかった。
「無駄よ。これは破壊することはできないわ…」
「なるほどね、確かにこれは困ったな」
タクヤは顔色一つ変えずに言った。
「さぁ!タクヤ勝負だ!!」
サタディは醜い笑みを浮かべていた。
―こいつはどこまで卑怯なことをすれば気が済むのだ…。
「よし、いいぜ!」
「えっ!ちょっとタクヤ今はスキルが使えないのよ!」
カルエが止めにはいるが、タクヤは気にするなと一言言った。
「それじゃあ前衛でやる!」
ポピィンが前に出て剣を構えた。
しかし、それもタクヤに止められた。
「この戦いは俺一人でやるから、お前らは休んでおけ」
そんな…一人でなんて…。
カルエとポピィンも一緒に戦おうとしている
が、先ほどタクヤに止められ、何も言えないでいた。
「あっ!マミィ!ちょっと支援だけはお願いするわ」
そう言われたので、私は仕方なく支援だけを掛けた。
「よっしそれじゃあ行きますか」
タクヤは一度深呼吸をして、敵に突っ込んでいった。
「気でも狂ったかタクヤ!まさか素手で戦おうなど―」
サタディが喋っている事を無視して、タクヤは「エルゼ!」と叫んだ。
「えぇ、了解」
エルゼが言うと、テレポートを唱えた。
「―何っ!?」
―突然、タクヤの両手に短剣が現れた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよろしけば感想やレビュー等よろしくお願いします。
次回、タクヤVSサタディ。お楽しみに!!




