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くるくると
この街では祭りの日なんかにもよく歌われる、誰もが知っている歌でした。
少女の声は、路地の壁に反響し、幾重にもなって響きます。
どこからか聞こえてくる綺麗な旋律に、市場を行く人たちは振り返り、
わぁっ
歓声が上がるのでした。
人々の目に映ったのは、花かごを抱えて歌う少女と、少女の歌に合わせて踊る猫でした。
猫は軽やかにステップを踏み、しなやかに飛び跳ね、くるくると踊ります。
少女と猫は息を合わせて歌い、踊り続けます。
やがて少女は高らかに歌い上げ、猫はぺこりとお辞儀をしました。