花売りの少女と猫
猫の日課である散歩の時間。
この町のメインストリートを、猫はゆうゆうと歩いていました。
太陽はとっくに沈み、代わりに月が街を照らしています。
その月明かりの下、小さな影がありました。
猫が不思議がって近づくと、それはうずくまって泣く少女でした。
少女の横には花の入ったかごがありました。
「お嬢さん、君はどうしてこんな時間に、こんなところで泣いているんだ?」
「お家に帰れないの……」
「どうして?」
「この花を売り終わってないから……」
なるほど話を聞くと、この花売りの少女は、売り終わるまで帰って来るなと言われたらしいのです。
しかしこんな時間。
昼間は賑わう大通りでも、人も街も寝静まった真夜中。
今から売り終わるはずもなく、どうしようもない少女はここで一人泣いていたのでした。
「お嬢さん。今夜は僕のお家で休みな。おいで、案内するよ」
「……いいの?」
「いいんだよ。ほら、立って。ここにいたってどうしようもないだろう?」
確かに猫の言うとおりで、ここにいて花が売れるわけでもありません。
少女は猫についていくことにしました。
不安げに歩き始めた少女を、先を行く猫は振り返ります。
「僕が君の涙を晴らしてあげる。君の得意なことは何?」
猫さんをイケメンに書きたいよぉぉぉぉ