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引きこもってちゃ世界は見えてこない

 最近大分大きくなったことで外に連れてってもらえる様になった俺です。

 その理由は母親が再び外に仕事に出る様になったからそれについて行ってるだけだけどね。

 母親の仕事は機織りらしいギッタンバッタン機織り機を操り布を織っていく。家での内職も小物に刺繍をしていたからそう言った事が好きなのかもしれない。

 まぁとりあえず機織りは女性の仕事らしく職場には女の人しかいない下は十代後半のような少女から上は腰の曲がったおばあちゃんまで幅広い年齢層の人がいる。いろんな年代の人が働いているから当然小さな子供を持つ人もいるんだけどここにはなんと託児場があるのだ。

 始めてここに連れてこられた時は意外に福利厚生がしっかりしていることに驚いたのだが、考えてみると一カ所に集めみんなで世話をした方が一人一人の負担が少ないのかもしれない。だって村社会だしね、ここ。

 そう、俺が暮らしているのは農業と機織りが特産の山に囲まれた小さな村である。住民の数はよく知らないけど200人位が暮らしている様だ。

 小さな村だから全員が何かの仕事をもっている。

 男たちは畑仕事や糸の材料になる動物の世話をしたり、山に入り動物を狩ったり、川から魚をとったりしているらしい。らしいと言うのも俺が直接見た訳じゃなく父親が話しているのを聞いたからなのだが。

 女は基本的に機織りが仕事である。たまに巧く機織り機が扱えない人がでるらしく、その人は俺の様なちびっこ達のお世話をするらしい。

とりあえず村全体で一つの共同体を形成しており収穫物や織った布などは貢献度やなんやらで分配しているらしい。これも聞きかじりなのだが。

 あと特殊な職種についている人も少数だが存在する。  

 俺がこの前連れていかれた医者を生業にする人や、収穫した農作物や布をどこかで交換してくる交易に携わる人、あとはお祭りや誰かが結婚したり死んだ時などの神事や祭事などに携わる人など、絶対数は少ないが彼らも村の生活を支える大切な人材だ。

 そんな村の事情も最近ではちらほらと分かってはきてるのだが、とりあえず今の俺は子供達の鳴き声にさらされている。

 きっかけが何だったかは判らないが一人が泣き出しそれが伝染するように全体に拡がってしまったのが今の現状だ。しかしなんで子供って一人泣き出すと全員が泣くのだろか?何かの共鳴作用でも子供の鳴き声にはあるのだろうか?あ~あ、世話係りの人も困って立ち竦んでるしさ。確かあの人達、この前来たばかりの新人さん達だったっけ?しかもなぜか今日に限ってベテラン勢が揃って休みという事態。確かに経験ないとこの状況はどうしたらいいか判らんよな、俺も判らんけど。

 オロオロしっ放しの新人世話係を尻目に俺は離れたとこでその成り行きを眺めている。だって1歳位の子供にできる事なんてないし、まだ巧くしゃべれないし、あの人達もこれが仕事なんだからその仕事をとっちゃ悪いし、とか色々言い訳を考えるのだが結局はメンドクサイというのが理由だったりするのだ。

 まぁ新人さん達よこれも一つしれんだと思って頑張ってくれ。俺は積み木で遊んでるからさ。



 しかし最近本当に行動が子供っぽくなったよな俺……


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