親バカも度を過ぎればただの馬鹿
今日はいつもと違う視点からお伝えします。
なんと俺は今立っています。40cm位しか変わらないけどかなり違うのだ。はっきり言えばちょっと怖いし……
しかしこれは人類から見たら小さな一歩かもしてないが俺にとっては大きな一歩であることは間違いないだろう。なにせハイハイをするより行動範囲が広がるのだ。そもそも板張りの家で、しかも土足の生活だから床が汚いのなんの、その点歩ければそんなに汚れに対して気にすることもないから精神的に楽だ。
まぁまだそこ迄長い距離を歩くことはできないけど家の中で母親の目の届く範囲位でしか自由に歩けないのであまり問題ではない。
そうそう初めて俺が立った時の母親の興奮した姿に思わず俺は引いたね。だって立った俺を見るなり涙を零しながら抱き上げるんだもん。その動作の早さと言ったらまさしく風のようにという言葉が当てはまる程だったとだけ言っておこう。それと俺も驚いたせいか思わず「ママッ!」って言ってしまった事が更に事態を悪化させた。そこっ笑うな!赤ん坊がいきなり「母ちゃん」とか変だろ!そもそも喉がそこ迄発達してないから単純な音しか出せないんだよ!
それはさて置き、母親は嬉しさが感極まったのか俺を抱き上げたまま倒れこんだんだ。幸いにも俺と母親が怪我する様な事はなかったが、倒れた衝撃で食器類が散乱し余りにも大きな音がしたからか近所のおばさん達が家にやってきた程だった。そしてそのおばさん達も荒れた部屋と倒れた母親を見ると混乱して慌てだし騒ぎは一層大きくなったのは記憶に新しい。
一方の俺はというと何もできないからとりあえず泣いて置いた。だって母親が覆い被さるように倒れてて重かったし……
その夜帰ってきた父親は俺に必死に「パパ」と言わせようと頑張ってた。あまりにしつこいんで呼んでやったけど涙流しながら喜んでる姿に引いたのはここだけの話だ。