『元神様の幼女、人間嫌いなので聖獣たちとスローライフはじめます!〜ぞんざいに扱われていたのに、なぜか公爵家ともふもふに溺愛されている件〜』
第一章:『人間なんて大嫌い……なのに、聖獣のもふもふに抗えない!』
「……う、あ……?」
冷たい泥の感触と、鼻をつく獣の臭い。
生後1歳を迎えたばかりの幼女、ラリマー・ランドゥールが目を覚ますと、そこは薄暗く不気味な『魔獣の森』の中だった。
公爵家の完璧な警備を一瞬の隙を突いて破った、悪徳伯爵家による転移トラップ。
生後わずか1年の幼子には、自分がなぜこんな場所に放置されているのか理解できるはずも――
「シャァアアアアッ!!」
突如、鼓膜を裂くような威嚇音が森に響き渡った。
草むらから現れたのは、家ほどもある巨大なトカゲ――魔獣『バジリスク』だ。
(こ、こわい……っ!)
大きな口が開かれ、鋭い毒牙が迫った、その時――。
――いい加減にしなさい、愚かな人間も、獣も。
頭の中で、何かがパチンと弾けた。
怒涛の勢いで流れ込んでくるのは、かつて一つの世界を統べながらも、人間の我欲と戦いに巻き込まれて破滅させられた――【生命を司る神・リリィファ】としての記憶だった。
「そうだ、わたしは………!」
(私をぞんざいに扱った挙句、世界を滅ぼした人間も……この私を喰らおうとするあなたたちも許さない……!)
湧き上がるのは、人間への冷めた失望と、神としての尊厳。
ラリマーは小さな手をバジリスクへかざし、体内に眠る『神力(生命の波動)』を解き放つ。
「……きえなしゃい(消えなさい)っ!」
(っ~~! なんで、『きえなさい』とまともに発音できないの!? この幼子の身体、舌が短すぎる……っ!)
威厳たっぷりに命じたつもりが、口から出たのはただの赤ちゃん言葉だった。
だが解き放たれた神力は本物だ。
バジリスクは一瞬で灰すら残さず消滅した。
(ふう……これで脅威は散らした。……だけど困ったな。肉体の疲労が凄い……お腹も空いてきた……)
『ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜……』
(……くっ、抗えない! 1歳児の生理現象には、神の精神をもってしても抗えないっていうの……っ!?)
ぽてんと地面にお尻をついてお腹をさすっていると、ざざっ、と後ろの草むらが大きく揺れた。
現れたのは、息をのむほど美しく巨大な白い狼と、しなやかな漆黒の豹。
(……くっ、また魔獣!? この身体ではもう神力は使えない……!)
心の中では焦りつつも、威厳たっぷりに牽制するラリマー。
「……ち、ちかよらないで(近寄らないで)! わたし(私)をくおうとしても、タダじゃすましゃない(済まさない)んだからねっ!」
『……おお、神よ……!』
「……ほえ?」
次の瞬間、白狼と黒豹はラリマーの目の前で、ぬっと巨躯を折り曲げ――深々と首を垂れた。
『無事でおられましたか、命の理を統べし我が主よ……!』
『この地に突如として満ちた神の波動……まさかこのような愛らしいお姿で顕現されていたとは』
白狼はラリマーの泥で汚れた小さな頬を、温かい舌でペロリと優しく舐めた。
「ふああっ!? な、なにをしゅるの……っ!」
『申し遅れました我が主。私めはこの魔獣の森・東を守護する聖獣【アストラ・ルプス】と申します』
『そして私は、西を守護する聖獣【ラピス・パンテラ】にございます。主の神聖なる威光を感じ取り、馳せ参じました』
(アストラ・ルプスに、ラピス・パンテラ……!? この森の高位聖獣だと……!?)
黒豹もまた、大きな頭をラリマーの膝元に寄せ、すりすりと甘えるように体をすり寄せてくる。
(な、なんなのよこの聖獣たちはー!? 威圧は!? 殺気はどこにいったのよ!?)
『主よ、このような冷たい地面ではなく、我らの毛皮の上でお休みください』
大きな白狼が、まるで羽毛でも扱うかのように鼻先でラリマーをそっと掬い上げ、ふわっ、と自身の背中へと乗せる。
あまりの柔らかさと温もりに、ラリマーの思考が一瞬で溶けそうになった。
(ふ、ふにゃあぁ……っ!? な、なにこの最高の宝物みたいな毛並みは……っ!?)
『おやおや、お腹が空いておられるご様子。すぐに森の美味しい果実を集めてまいりましょう』
『私めは、主を脅かす不快な羽虫どもを森から一匹残らず排除してまいります』
(待って、過保護すぎる! 私は人間が嫌いで、一人で生きようと決めたのよ! こんな甘やかしに屈するような安い神では――)
『……ぐぅう〜〜(切実なお腹の音)』
(……だ、ダメだ。この体、抗えない……。もふもふが温かくて、お腹が空いてて、眠たくて……っ)
(……ふん。かんちがい(勘違い)しないでよ……。今日はおなかがすいてるから、とくべつ(特別)に助けられてあげるだけなんだからね……っ)
心の中で必死にツンデレな言い訳をしながら、ラリマーは白狼の温かい毛皮の中に深く埋もれ、すやすやと小さな寝息を立て始めるのだった。
【その頃・ランドゥール公爵邸】
バリーンッ!!
「我が娘……ラリマーが……消えた……!?」
絶対零度の氷が溢れ出し、執務室の家具が一瞬で凍りついて粉々に砕け散る。
冷徹な守護者イージス・ランドゥール公爵(父)は、瞳を血走らせて狂乱していた。
「あなた、落ち着きなさい! 騒いでもラリマーは戻りません!!」
白金の髪を逆立て、手から地獄の劫火を吹き荒らしながら庭を燃やし叫ぶグレイス・ランドゥール公爵夫人(母)。
「ヴォイドの残党どもだ……! 禁術の転移陣を仕掛けていた!!」
「あのゴミクズどもが……! 全軍出撃よ!! ランドゥール家、バシレウス王家の総力を挙げ、ラリマーを捜索しなさい!! 髪の毛一本でも傷ついていたら、あの家系を根やしにするわ!!!」
「「「ラリマーーーッッ!!! 今すぐ助けに行くからなーーーっ!!!」」」
剣や杖を握りしめたグラシアルとシュバート、そしてイージスとグレイスの叫びが館を大きく揺らし、公爵家と王家による【史上最大の爆速捜索&粛清劇】の幕が上がったのだった。
第二章:もふもふスローライフ(※裏で悪徳伯爵家が滅びました)
ラリマーが目を覚ますと、そこは木漏れ日が心地よく差し込む、ふかふかの草むらの上だった。
「……んぅ?」
身体を包み込んでいるのは、極上のシルクよりも柔らかく温かい毛並み。
東の守護聖獣『アストラ・ルプス』――白狼の背中の上だ。
(……やっちゃった!もふもふの誘惑に負けて熟睡してしちゃった……! 私は神なのになんという失態を……っ!)
ハッと跳ね起きようとしたが、幼女の体はぽてんと転がるだけ。
すると、すぐ横で待機していた漆黒の豹『ラピス・パンテラ』が、嬉しそうに尾を振って鼻先を寄せてきた。
『お目覚めになられましたか、我が主』
『お腹が空いているのではありませんか?森の完熟果実をご用意いたしました』
見れば、ラリマーの目の前には、宝石のように瑞々しい見たこともない果実が山盛りに積まれていた。
(……な、なにこの果物、すごく美味しそう……! だめよ、私は人間が嫌いで、孤高に生きると決めたの。この程度の食べ物で懐く安い神じゃないんだから――)
『……ぐぅう〜〜』
(……うっ、この裏切りものの1歳児胃袋め……っ!)
背に腹は代えられない。
ラリマーは果実を一つ手に取り、小さな口でかぶりついた。
溢れ出す甘い果汁。
あまりの美味しさに、目がキラキラと輝く。
「おいひい……っ!(美味しい!)」
『『おおお……っ!! 主が笑顔になられた……!!』』
感極まった二匹の聖獣が、尊さのあまり深々と平伏する。
(……ふぅ、とりあえずお腹は満たされたわ)
果汁で濡れた口元をぬぐいながら、ラリマーが息をつくと、白狼と黒豹がどこか期待に満ちた眼差しでじーっと見つめてきた。
「……なぁに?」
『あ、あの……我が主よ。恐れ多いお願いがございます……!』
『我らは東の『アストラ・ルプス』、西の『ラピス・パンテラ』という種族名で呼ばれてまいりました。……ですが、命の理を統べしあなた様から、我らだけの【真の名】を賜りたく……っ!』
巨大な巨躯を縮こまらせ、まるでご主人様に名前をつけてほしい子犬のように、もじもじとおねだりしてくる二匹。
(……えぇ? 名付け……? 聖獣に神が名を与えるなんて、本気の契約になっちゃうじゃない……。私は一人で生きるつもりなのに……)
断ろうと口を開かけ――
『『(ウルウルとした潤んだ眼差し)……っ!』』
(うぐっ……っ! なにその捨て犬みたいな目!! ずるい、もふもふのウルウル目はズルすぎる……っ!)
抗えない愛らしさに、ラリマーの理性が一瞬で粉砕された。
(……はぁ、もう分かったわよ。どのみち『アストラ・ルプス』なんて長くて呼びづらかったしね!)
ラリマーは二匹の鼻先にちょんと小さな手を置いた。
「……きみは『シリウス』。きみは『ヴェスペル』ね!」
前世の知識から、白狼には一等星の『シリウス』、黒豹には宵の明星『ヴェスペル』の名を告げた。
その瞬間――!
ドゴォオンッ!!
二匹の全身から、眩いばかりの神聖な光が溢れ出した。
(へ……!? 神力の譲渡……!? ただの呼び名(愛称)のつもりだったのに、神の言葉だから本物の名付けになっちゃったの……!?」)
『聖獣』から、神の加護を受けた『神獣』へと進化してしまった二匹。
そればかりか、ラリマーを驚かせまいと、二匹はキュッと光に包まれ――なんと小型犬&子猫サイズへと小さくなったではないか!
『シリウス……! 我が身に宿る新たな力……! 主から名を賜るとは、なんという誉れ……!』
『ヴェスペル……! 生涯の宝といたします!!』
手のひらサイズでモコモコになった二匹が、ラリマーの膝の上に乗っかり、すりすりと甘えてくる。
(ふあぁあっ!? なにこれ可愛すぎる!! 抱き枕サイズ!? 守護聖獣の尊厳はどこにいったのよー!?)
「ふにゃ〜〜……っ」
ラリマーはもふもふの快感に抗えなかった。
神としてのプライドはどこへやら、ラリマーは小さくなった二匹をぎゅーっと抱きしめ、最高のスローライフを満喫し始めるのだった。
【その頃・ヴォイド伯爵邸】
「ひ、ヒィィィッ!? な、なぜここにランドゥール公爵と王国の騎士団が……っ!?」
ガタガタと震えるヴォイド伯爵の目の前で、巨大な氷の剣を掲げたイージス公爵が、般若のような顔で立っていた。
「我が娘ラリマーを……どこへやった」
「ち、違う! 私は知らん! 転移陣はただの事故で――」
「ラリマーを害した罪、死して償いなさい!!」
ドッカァアアアンッ!!
公爵夫人グレイスの放った地獄の劫火が館を焼き尽くし、武器を握りしめた兄たちが率いる精鋭騎士団が雪崩れ込む。
ラリマーが姿を消してからわずか『12時間』。
誘拐の黒幕であったヴォイド伯爵家は、言い逃れの余地すら与えられず、歴史から爆速で永久に消し去られたのだった。
ヴォイド伯爵家をわずか半日で灰燼に帰したランドゥール公爵家と王国騎士団だったが、彼らの怒りと焦燥は収まるどころか増す一方だった。
「ラリマーの反応があった転移陣の行き先は……『魔獣の森』最深部だと……!?」
現場の残骸から転移先を特定した長男グラシアルの報告に、父イージスの顔色が激変する。
「あそこは高位の魔獣どもが蠢く死の森……! 生後一年の幼子が耐えられる場所ではないぞ!」
「待っていなさいラリマー! お母様が今すぐ森ごと魔獣を焼き尽くして助けてあげるわ!!」
母親のグレイスは白金の髪を逆立て、怒りと悲壮感に満ちた叫びをあげながら、全軍を率いて魔獣の森へと爆速で進軍を開始した。
【一方その頃――魔獣の森最深部】
「あむ……んぐ、んぐ……ふはぁ〜」
当のラリマーは、世界中の貴族が羨むような極上の癒やしタイムを満喫していた。
手のひらサイズに縮んだ白狼シリウスが、森の果実を小さく噛みちぎっては、ラリマーの口元へ優しく運んでくれる。
そして膝の上では、子猫サイズになった黒豹ヴェスペルが、ラリマーの小さな手を包み込むようにしてゴロゴロと喉を鳴らしていた。
(あ、ダメ……! もふもふの温もりが心地よすぎて、意識が遠のく……っ! 私の中の『神の尊厳』が完全に溶かされていく……っ!)
「……しりうす、なでたい(シリウス、撫でたい)」
「御意にございます、我が主」
ラリマーが小さな手を伸ばすと、シリウスは撫でやすいよう頭を低くし、すりすりと手元に擦り寄せる。
「ふあぁ……きもちいいの……(気持ちいいの……)」
(っ〜〜! また語尾が甘えちゃってるじゃないの……っ! 1歳児の身体の幼児退行、恐ろしすぎるわ……っ!)
心の中で必死にツンデレな言い訳を繰り返すラリマーだったが、一度味わってしまった神獣たちの「もふもふ&過保護」からはもはや抜け出せない。
その時だった。
ズズズ……と地鳴りのような重低音が響き、森の樹木が大きく揺れた。
「「「ラリマーーーーーッッ!!!!」」」
悲痛極まりない叫び声とともに、森の木々を薙ぎ払い、爆風とともに現れたのは――
全身に氷の闘気を纏った父イージス。
怒りで全身から炎を噴き上げている母グレイス。
そして剣と杖を構え、血眼になった兄たちと騎士団の大軍勢だった。
「……んぇ?」
(……え? なにこの地獄みたいな大惨事の現場は……?)
ラリマーは、両手にもふもふの神獣たちを抱っこし、果汁で口元を濡らしたまま、ぽかんと口を開けて家族たちを見つめ返したのだった。
第三章:世界一過保護な家族と、愛され神様のもふもふな日々(完結)
「「「ラリマーーーーーッッ!!!!」」」
森の木々を薙ぎ倒し、爆風とともに現れた家族たちが一斉に叫び声をあげる。
……しかし、彼らの視線の先にいたのは、魔獣の脅威に怯え、泣き叫ぶ可憐な幼女――ではなかった。
(……な、なに? なんなのこの集団……!? 家族のはずなのに、全員般若みたいな顔して森を更地にしてるんだけど……っ!?)
両手で子猫サイズの黒豹ヴェスペルをぎゅっと抱っこし、口元を完熟果実の果汁でベタベタにしたラリマーが、ぽかんと口を開けて固まっている。
その足元には、同じく小型犬サイズになった白狼シリウスが、ラリマーを守るようにちょこんと佇んでいた。
「な……ラ、ラリマー……!?」
「無事……無事だったのね、私の愛しいラリマー……っ!!」
血眼になっていた母グレイスが、手に纏っていた炎を消し去ると、涙をボロボロと流しながらラリマーへ駆け寄った。
そして、倒れ込むようにして小さな体を壊れ物でも扱うかのように優しく、けれど力強く抱きしめた。
「ふあぁっ……!? お、おかあしゃま……!?」
「よかった……! ああ、本当によかった……! 髪の毛一本傷ついていない……! 神様、ありがとうございます……っ!」
冷徹な守護者と恐れられる父イージスが、手にしていた氷の剣を無造作に放り投げ、泥だらけの地面に膝をつく。
そして震える手でラリマーの小さな手を握りしめ、ボロボロと大粒の涙をこぼしながら号泣した。
「ラリマー! 無事でよかった……! 兄ちゃんたちが一生守ってあげるからねっ!」
「僕たちの命に代えても、二度とこんな思いはさせないから……っ!」
長男グラシアルと次男シュバートもラリマーに抱きつき、涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら叫ぶ。
(……っ!? な、なにこの家族……! 私をこんなにも愛して……心配してくれてたの……!?)
かつて一つの世界を統べながらも、人間たちの不毛な我欲と裏切りに巻き込まれ、全てを失って滅び去った【生命を司る神・リリィファ】としての記憶。
(……人間なんて、どうせ己の利益のために他者を裏切る浅ましい存在だ)――そう思い知らされ、冷え切っていたはずの神の心が、いま目の前で自分を必死に抱きしめ、子供のように泣きじゃくる家族の温もりに触れて、じんわりと熱くなっていく。
(……そうか。人間がみんな悪者ってわけじゃない……。この人たちは、わたしを……ただの『ラリマー』として、本気で愛してくれているんだ……)
神としての冷めた孤独が、家族の惜しみない愛によって優しく解けていく。
ラリマーの目頭がふっと熱くなった。
「……あう。泣かないで、おかあしゃま、おとうしゃま……」
ラリマーが小さな手で母の涙をぬぐうと、家族たちは「天使……っ! 天使がここにいる……!!」「喋った……! 助けてくれ、尊さで息ができない……!」と過呼吸になりかけていた。
その時――。
『おい人間ども。我が主に気安く触れるな』
ラリマーの膝元にいたヴェスペルが低く唸り、シリウスが威厳たっぷりに一歩前へ出た。
「「「……ん!?」」」
家族たちの鋭い視線が、ラリマーが抱っこしている二匹のもふもふへと一斉に注がれる。
「待て……この神聖なる覇気。ただの獣ではないぞ……!?」
「東の守護聖獣『アストラ・ルプス』……と、西の『ラピス・パンテラ』……!? なぜそんな伝説の存在が、ラリマーの抱き枕になっているんだ!?」
長男グラシアルと父イージスが驚愕で目を丸くする。
『無礼者め。我らは命の理を統べし我が主――ラリマー様より真の名を賜りし『神獣』。このお方の髪の毛一本でも傷つける者は、我ら二頭が世界から消滅させる』
「「「し、神獣ゥゥゥ!?!?」」」
驚愕で開いた口が塞がらない家族をよそに、ラリマーはドヤ顔で小さな胸を張った。
「……ふふん。このこたち、わたしの(私のお供)なんだからねっ!」
(……ふふん! 家族の愛も確かめられたし、最高のもふもふ神獣も手に入ったわ! これで私の第二の人生(神生)は安泰ね!)
それからというもの――。
ランドゥール公爵邸では、日夜すさまじい【ラリマー争奪戦】が繰り広げられることとなった。
「ラリマー! 今日はお前のために王国の果樹園を丸ごと買い取ってきたぞ! 好きなだけ食べなさい!」
「待ちなさいあなた! ラリマーのドレスなら私が最高の絹で千着仕立てさせたわ!」
『甘いな人間ども。主が真に欲しているのは、我らの極上の毛皮……! さあ主よ、本日の抱き枕役は私めにお任せください』
『愚かな白狼め、主の膝元はすでに私の定位置だ』
「「「調子に乗るな神獣どもーーーっ!! ラリマーを抱っこするのは家族(俺たち)だーーーっ!!!」」」
「ふにゃ〜〜……っ(もふもふと家族の愛に挟まれて幸せ……)」
人間嫌いだった元神様は、今日も今日とて、世界一過保護な家族と神獣たちに惜しみない愛を注がれながら、最高に幸せなもふもふスローライフを送るのであった。
【第一部・完】
短編についての機能を知らず、投稿が遅れました。
申し訳ございません。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
もふもふ神獣に溶かされる元神様と、実家の爆速粛清を楽しんでいただけたら嬉しいです。
もし『続きが気になる』と思っていただけたら、下にある評価(★★★★★やブクマ)で応援していただけると第二部を投稿したいと思います。
【お知らせ&他作品のご案内】
普段はテンポ重視のコメディ/ギャグ作品をメインに書いております!
今回の短編のノリが好きだった方は、ぜひ作者ページから他のギャグ連載も覗いてみてくださいね!
またお会いできるのを楽しみにしています!




